【三角関数①】交流電源の電圧・電流の変化を表すサインカーブとその特徴をくわしく解説

交流電源の理解に不可欠な,サインカーブとその特徴について紹介します。

交流電源の電圧・電流は時間とともに変化する

“直流”電源の電圧および電流は常に一定ですが,”交流”電源では時間によって刻一刻と変化します。

例えば,ある時点で電圧が\( \ 0 \ \)であり,徐々に上がって最大値となり,徐々に下がって再び\( \ 0 \ \)になり,今度はマイナスの方向に向かい,最小値をとって,また\( \ 0 \ \)に戻り,再びプラス方向に上がって最大値を迎え\( \ \cdots \ \)と繰り返します。

このように交流電源では,電圧や電流が時間とともに変化します。例えば横軸を時間,縦軸を電圧にして表すと下図の通りです。

この曲線は,サインカーブあるいは正弦波と呼ばれます。
※ここからは電圧の話に絞りますが,電流についても同様です。

サインカーブの特徴

先に述べた通り,交流電源では電圧が,\( \ 0 \ \)→最大値→\( \ 0 \ \)→最小値→\( \ 0 \ \)→最大値\( \ \cdots \ \)と変化します。

分かりやすいように最大値を\( \ 1 \ \),最小値を\( \ -1 \ \)にすると,\( \ 0→1→0→-1→0→1→ \cdots \ \)ですね。

もし,\( \ 0 \ \)と\( \ 1 \ \)と\( \ -1 \ \)を単純に直線で結ぶと,図\( \ 2 \ \)のような線となります。正確には三角波といいますが,ギザギザ線と呼びましょう。

ここからは,このギザギザ線と比較することで,サインカーブの特徴を紹介します。

分かりやすいように,\( \ x \ \)軸は時間[秒]で,\( \ y \ \)の値が\( \ 0 \ \)から\( \ 1 \ \)に到達するのに\( \ 3 \ \)秒かかるとします。

最初の\( \ 1 \ \)秒間は,赤色矢印の長さだけ\( \ y \ \)の値が増加します。
次の\( \ 1 \ \)秒間では水色矢印,
最後の\( \ 1 \ \)秒間は緑色矢印です。

矢印の長さに注目してください。サインカーブでは,だんだん短くなっています。一方,ギザギザ線では,すべて同じ長さです。

\( \ y \ \)の値が\( \ 1 \ \)から\( \ 0 \ \)に向かうときも同様です。
最初の\( \ 1 \ \)秒間(赤色),次の\( \ 1 \ \)秒間(水色),最後の\( \ 1 \ \)秒間(緑色)の矢印の長さに注目すると,サインカーブでは徐々に長くなります。一方,ギザギザ線では,すべて同じ長さです。

以上より,サインカーブの特徴として,次のことが言えます。

\( \ 0 \ \)から最大値に増加するとき,増加量が徐々に小さくなる
最大値から\( \ 0 \ \)に減少するとき,減少量が徐々に大きくなる。
これはイメージしやすいと思います。\( \ y \ \)の値が最大値を迎えたところで増加から減少に転じるわけですから,増加から減少に転じる前触れとして,増加量がだんだんと減ってくるというわけです。

サインカーブの形のイメージを,さらに強化する話をしましょう。
ブランコにのったとき,一番低い地点が,速度が最も大きく,高くなるにつれて速度がゆっくりとなり,最高到達点で一瞬だけ静止しますよね。もしもブランコが一定速度で動くものだったら,最高到達点で突然止まって,こどもが振り落とされるでしょう。

サインカーブはどのように描けるか~ばねの話~

サインカーブは,”ばねの振動”で説明することができます。
ばねに重りをぶら下げます。次に,手で下に引っ張ってばねを伸ばし,手を離します。すると,縮む→伸びる→縮む→伸びる→…という運動を繰り返します。

手で引っ張る前の長さに戻ったところをスタートとして,\( \ 3 \ \)秒後に最高到達点(ばねが一番縮んだ状態)になるとします。

このとき,\( \ 0 \ \)秒時点,\( \ 1 \ \)秒時点,\( \ 2 \ \)秒時点,\( \ 3 \ \)秒時点の重りが上に向かうときの速度を想像してください。
\( \ 3 \ \)秒時点(最高到達点)では静止するのですから,速度はゼロです。

また,\( \ 0 \ \)秒時点,\( \ 1 \ \)秒時点,\( \ 2 \ \)秒時点を考えると,最高到達点に向かうにつれて速度が遅くなっていく感じがしますよね。
ブランコの話と同じです。もしも一定速度で動き,最高到達点で突然止まるとしたら,ばねらしくない,不自然でギクシャクした動きになるでしょう。

ばねの動きからサインカーブを描くには,重りのところにペンを付けて,紙を一定の速度で引っ張ると,描くことができます。

ここまでで,サインカーブがどのような形かを解説しました。

しかし,ここまでの説明では,なぜ”サイン”なのかが分かりませんよね。
そちらは三角関数③にて解説します。
次回の三角関数②では,その下準備として,座標としてのサイン・コサインと,弧度法について復習します。