交流回路において,電圧と電流はどちらもサインカーブの形で変化します。
しかし,電圧と電流の位相が揃うときばかりではなく,電流が電圧より遅れたり,進んだりと様々です。
そんな複雑な現象を,とても簡単に表現してくれるのが,ベクトルです。
普通の数字が「大きさ」しか持たない一方で,ベクトルは「大きさ」と「向き」をもつため,電圧と電流の大きさの違いと位相の違いを,一度に表すことができるのです。
さらにベクトルは,三角関数と比べて,足し算や引き算も簡単ですから,ベクトルを理解し,使いこなせるようになると本当に便利です。
しっかり学習してしていきましょう。
この解説を読むべき人
このような人におすすめです。
- ベクトル図はまず何を描いたらいいのか分からない
- 三角関数の複雑な計算をしていると問題を解く時間が足りなくなる
- 三角関数が苦手で,もっと簡単な方法を知りたい
ベクトル解説シリーズ全体像
ベクトルを\( \ 10 \ \)個のページに分けて解説します。
・【ベクトル①】ベクトルとは?ベクトルが同じとはどういうことか?足し算の考え方も解説
・【ベクトル②】ベクトルの引き算の考え方。ベクトルの大きさはそのままで向きだけかえるには?
・【ベクトル③】ベクトルが便利な理由と表記方法を解説。交流電源の電圧・電流の変化(サインカーブ)にベクトルが使える理由とは?
・【ベクトル④】抵抗・コイル・コンデンサのみの回路とベクトル図。電圧と電流の位相差をベクトルの向きで表現する
・【ベクトル⑤】RL直列回路(抵抗・コイルの直列回路)のインピーダンスを三角関数で導出。三角関数だとこんなに大変
・【ベクトル⑥】RL直列回路(抵抗・コイルの直列回路)のインピーダンスをベクトル図で導出。ベクトルの便利さを実感できる
・【ベクトル⑦】RLC直列回路(抵抗・コイル・コンデンサを含む直列回路)のインピーダンスをベクトル図を描いて導出
・【ベクトル⑧】RL並列回路およびRLC並列回路インピーダンスをベクトル図で導出。アドミタンスの解説も
・【ベクトル⑨】対称三相交流のスター結線における線間電圧と相電圧の関係をベクトルで算出
・【ベクトル⑩】単相2線式送電線と三相3線式送電線の電圧降下の公式をベクトル図で解説

