ここではベクトルの引き算について解説します。
引き算の理解に不可欠なのが,ベクトルにつく符号,つまりプラス・マイナスの理解です。
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ベクトルはマイナスをつけることで,向きを逆にできる
ベクトルにマイナスをつけると,向きを\( \ 180^{ \circ } \ \)変えることができます(図\( \ 1 \ \))。
向きが変わるだけで,大きさは変わりません。

引き算は足し算に直して考える
「\( \ 5 \ \)から\( \ 2 \ \)をひく」という引き算は,「\( \ 5 \ \)と\( \ -2 \ \)を足す」と考えることもできます。
\[
\begin{eqnarray}
5-2=5+(-2)\\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
ベクトルも同じです。\( \ \dot{A}-\dot{B} \ \)は,「\( \ \dot{A} \ \)と\( \ -\dot{B} \ \)を足す」と考えるのです。
\[
\begin{eqnarray}
\dot{A}-\dot{B}=\dot{A}+(-\dot{B})\\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
ベクトルの引き算:向きが同じまたは逆の場合
まずは,向きが同じ場合で,\( \ \dot{A} -\dot{B} \ \)を考えます(図\( \ 2 \ \))。

はじめに\( \ -\dot{B} \ \)を描きます。
\( \ \dot{B} \ \)の大きさはそのままで,向きを逆にしたものです。
次に,\( \ \dot{A} \ \)と\( \ -\dot{B} \ \)の足し算をします。終点と始点をつないで,全体のスタートとゴールをつなぎ合わせたら完成です。
続いて,向きが逆の場合です(図\( \ 3 \ \))。

やはり\( \ -\dot{B} \ \)を描いてから,終点と始点をつないで,全体のスタートとゴールをつなぎ合わせたら完成です。
ベクトルの引き算:向きが同じでも逆向きでもない場合
向きが同じでも逆でもない場合も,はじめに\( \ -\dot{B} \ \)を描きます(図\( \ 4 \ \))。

そのあとは,\( \ \dot{A} \ \)と\( \ -\dot{B} \ \)の足し算なので,どちらかの方法で描きます。
①終点と始点をつなぎ合わせて,全体のスタートとゴールをつなぎ合わせる。
②始点をそろえて,平行四辺形の対角線を描く。
以上がベクトルの引き算の方法です。
練習問題
\( \ (1) \ \) \( \ \dot{A} -\dot{B} \ \)を求めよ(図\( \ 5 \ \))。

\( \ (2) \ \) \( \ \dot{A} -\dot{B} \ \)を求めよ(図\( \ 6 \ \))。

\( \ (3) \ \) \( \ \dot{A} -\dot{B} -\dot{C} \ \)を求めよ(図\( \ 7 \ \))。

\( \ (1) \ \) \( \ \dot{A} -\dot{B} \ \)は図\( \ 8 \ \)の通り,はじめに\( \ -\dot{B} \ \)を描きます。
\( \ \dot{B} \ \)の大きさはそのままで,向きを逆にしたものです。次に,\( \ \dot{A} \ \)と\( \ -\dot{B} \ \)の足し算をします。終点と始点をつないで,全体のスタートとゴールをつなぎ合わせたら完成です。

\( \ (2) \ \) \( \ \dot{A} -\dot{B} \ \)は図\( \ 9 \ \)の通り,はじめに\( \ -\dot{B} \ \)を描きます。
次に,\( \ \dot{A} \ \)と\( \ -\dot{B} \ \)の足し算をします。平行四辺形を描いて,その対角線です。
こちらも,\( \ (1) \ \)と同様に\( \ \dot{A} \ \)の終点と,\( \ -\dot{B} \ \)の始点をつなぎ合わせて,全体のスタートからゴールを結んでも構いません。

\( \ (3) \ \) \( \ \dot{A} -\dot{B}-\dot{C} \ \)は図\( \ 10 \ \)の通り,はじめに\( \ -\dot{B} \ \)と\( \ -\dot{C} \ \)を描きます。それから,まずはどれか\( \ 2 \ \)つを足し算します。
例えば,まず\( \ \dot{A} \ \)と\( \ -\dot{B} \ \)を足して\( \ \dot{A} -\dot{B} \ \)を描きます。
それから,残りの\( \ 1 \ \)つ,つまり\( \ -\dot{C} \ \)を足して\( \ \dot{A} -\dot{B}-\dot{C} \ \)を描きます。


