《電力》〈送電〉[H22:問6]保護リレーシステムの信頼度向上策に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★★☆(やや難しい)

次の表及び図は,保護リレーシステムの信頼度向上策に関して示したものである。表の\( \ \fbox {$\hskip 1em $ $\mathrm {(1)}$ $\hskip 1em $} \ \)~\( \ \fbox {$\hskip 1em $ $\mathrm {(4)}$ $\hskip 1em $} \ \)については,表中の「ねらい」及び「具体例」に最も合致する語句を,また,\( \ \fbox {$\hskip 1em $ $\mathrm {(5)}$ $\hskip 1em $} \ \)~\( \ \fbox {$\hskip 1em $ $\mathrm {(8)}$ $\hskip 1em $} \ \)については,図において,それぞれの信頼度向上策により保護リレーシステムの信頼度が変化する方向を最も正しく表す矢印を解答群の中から選びなさい。\( \ \fbox {$\hskip 1em $ $\mathrm {(5)}$ $\hskip 1em $} \ \)~\( \ \fbox {$\hskip 1em $ $\mathrm {(8)}$ $\hskip 1em $} \ \)については,同じ矢印を複数回選択してもよい。なお,図の信頼度を示す\(\normalsize { ● }\)は表の信頼度向上策を施す前の装置の状態(信頼度)であり,矢印\( \ \mathrm {A} \ \)は誤不動作率が大きくなることを,矢印\( \ \mathrm {B} \ \)は誤動作率が大きくなることを表している。

                  表
\[
\begin{array}{|c|l|l|c|}
\hline
{\displaystyle 信頼度}\atop{\displaystyle 向上策} &     ねらい &    具体例 & {\displaystyle 図での}\atop{\displaystyle 移動方向}\\
\hline
\ \fbox {$\hskip 1em $ $\mathrm {(1)}$ $\hskip 1em $} \ & {\displaystyle 故障する要因を排除し }\atop {\displaystyle 故障しにくいものにする} & サージ対策 & \ \fbox {$\hskip 1em $ $\mathrm {(5)}$ $\hskip 1em $} \ \\
\hline
& 稼動信頼度の向上(故障 & 電源監視 & \\
\ \fbox {$\hskip 1em $ $\mathrm {(2)}$ $\hskip 1em $} \ & したらすぐ発見・修復を & 情報伝送回路のパリ & \ \fbox {$\hskip 1em $ $\mathrm {(6)}$ $\hskip 1em $} \ \\
& 行う) & ティチェック & \\
\hline
& 装置不良と系統事故との & & \\
\ \fbox {$\hskip 1em $ $\mathrm {(3)}$ $\hskip 1em $} \ & 同時発生に備え保護の & 並列二重化 & \ \fbox {$\hskip 1em $ $\mathrm {(7)}$ $\hskip 1em $} \ \\
& 確実化を図る & & \\
\hline
& 故障しても直ちに不要 & & \\
\ \fbox {$\hskip 1em $ $\mathrm {(4)}$ $\hskip 1em $} \ & 動作につながらない構成 & フェイルセーフ & \ \fbox {$\hskip 1em $ $\mathrm {(8)}$ $\hskip 1em $} \ \\
& とする & & \\
\hline
\end{array}
\]

〔問6の解答群] \[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 消耗部品の定期取替     &(ロ)& 周波数上昇リレーの採用 \\[ 5pt ] &(ハ)& 直列多重化     &(ニ)& 多系列化 \\[ 5pt ] &(ホ)& 高速度再閉路の適用     &(ヘ)& 高集積素子の採用 \\[ 5pt ] &(ト)& 不良発生の防止     &(チ)& 部品点数の削減 \\[ 5pt ] &(リ)& ホットスタンバイ構成の採用          &(ヌ)& 逆相電流を用いた保護方式の採用 \\[ 5pt ] &(ル)& 定期点検の高頻度化     &(ヲ)& 自動監視の適用 \\[ 5pt ] &(ワ)& 矢印 \ \mathrm {C} \      &(カ)& 矢印 \ \mathrm {D} \ \\[ 5pt ] &(ヨ)& 矢印 \ \mathrm {E} \      &(タ)& 矢印 \ \mathrm {F} \ \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

保護リレーシステムの信頼度向上策に関する問題です。
保護リレーにおいて,動作すべきでないときに動作することを誤動作,動作すべきときに動作しないことを誤不動作といいます。
本問における図での移動方向は暗記以上にイメージするようにすると間違えにくくなります。

1.保護リレーシステムの信頼度向上策とその効果
①不良発生の防止
現場の過酷な環境においても壊れないような対策(サージ対策等)を施すことです。誤動作,誤不動作双方に効果があります。

②直列多重化(フェイルセーフ)
リレー単体の故障が発生した際に誤動作することがないように,他の事故検出リレーと組合せ,双方とも動作した場合に動作するようにすることです。誤動作防止には効果が高いですが,多重化する分リレーの誤不動作の確率は高くなります。

③多系列化
保護リレーの並列二重化で一方が正常動作しない場合でも,もう一方の保護リレーが動作することにより,全体としてリレーの信頼度を向上させることです。誤不動作には非常に効果が高いですが,誤動作の可能性は高くなります。

④自動監視の適用
電源監視や情報伝送回路のパリティチェック等で,故障があった際にただちに警報を発信することができます。誤動作,誤不動作双方に効果があるのはもちろん,定期点検の省力化にもつながります。

【解答】

(1)解答:ト
題意より解答候補は,(イ)消耗部品の定期取替,(ヘ)高集積素子の採用,(ト)不良発生の防止,(チ)部品点数の削減,等になると思います。
ワンポイント解説「1.保護リレーシステムの信頼度向上策とその効果」の通り,サージ対策等で効果が高いのは不良発生の防止となります。

(2)解答:ヲ
題意より解答候補は,(ロ)周波数上昇リレーの採用,(ホ)高速度再閉路の適用,(ヘ)高集積素子の採用,(リ)ホットスタンバイ構成の採用,(ル)定期点検の高頻度化,(ヲ)自動監視の適用,等になると思います。
ワンポイント解説「1.保護リレーシステムの信頼度向上策とその効果」の通り,稼働信頼度の向上に繋がり,電源監視や情報伝送回路のパリティチェックを行うのは自動監視の適用となります。

(3)解答:ニ
題意より解答候補は,(ロ)周波数上昇リレーの採用,(ニ)多系列化,(ヘ)高集積素子の採用,(ヌ)逆相電流を用いた保護方式の採用,等になると思います。
ワンポイント解説「1.保護リレーシステムの信頼度向上策とその効果」の通り,系統事故時に装置不良に備え,並列二重化をすることを多系列化といいます。

(4)解答:ハ
題意より解答候補は,(イ)消耗部品の定期取替,(ハ)直列多重化,(ト)不良発生の防止,(チ)部品点数の削減 ,等になると思います。
ワンポイント解説「1.保護リレーシステムの信頼度向上策とその効果」の通り,故障しても直ちに不要動作に繋がらない構成にすることを直列多重化といいます。

(5)解答:カ
題意より解答候補は,(ワ)矢印\( \ \mathrm {C} \ \),(カ)矢印\( \ \mathrm {D} \ \),(ヨ)矢印\( \ \mathrm {E} \ \),(タ)矢印\( \ \mathrm {F} \ \),になると思います。
ワンポイント解説「1.保護リレーシステムの信頼度向上策とその効果」の通り,不良発生の防止は誤動作,誤不動作双方に効果があるので矢印\( \ \mathrm {D} \ \)となります。

(6)解答:カ
題意より解答候補は,(ワ)矢印\( \ \mathrm {C} \ \),(カ)矢印\( \ \mathrm {D} \ \),(ヨ)矢印\( \ \mathrm {E} \ \),(タ)矢印\( \ \mathrm {F} \ \),になると思います。
ワンポイント解説「1.保護リレーシステムの信頼度向上策とその効果」の通り,自動監視の適用は誤動作,誤不動作双方に効果があるので矢印\( \ \mathrm {D} \ \)となります。

(7)解答:ワ
題意より解答候補は,(ワ)矢印\( \ \mathrm {C} \ \),(カ)矢印\( \ \mathrm {D} \ \),(ヨ)矢印\( \ \mathrm {E} \ \),(タ)矢印\( \ \mathrm {F} \ \),になると思います。
ワンポイント解説「1.保護リレーシステムの信頼度向上策とその効果」の通り,多系列化は誤不動作発生防止には効果が高いですが,誤動作率は上がるので矢印\( \ \mathrm {C} \ \)となります。

(8)解答:ヨ
題意より解答候補は,(ワ)矢印\( \ \mathrm {C} \ \),(カ)矢印\( \ \mathrm {D} \ \),(ヨ)矢印\( \ \mathrm {E} \ \),(タ)矢印\( \ \mathrm {F} \ \),になると思います。
ワンポイント解説「1.保護リレーシステムの信頼度向上策とその効果」の通り,直列多重化は誤動作発生防止には効果が高いですが,誤不動作率は上がるので矢印\( \ \mathrm {E} \ \)となります。



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