《電力》〈水力〉[H25:問5] 水車・発電機の非破壊試験に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,水車・発電機の非破壊試験に関する記述である。文中の\(\fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$}\)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選びなさい。

水車の非破壊試験は,主としてランナ,主軸,ケーシング,ガイドベーン等の曲がり部やフランジ付け根部などの\( \ \fbox {  (1)  } \ \)急変部,又は高応力部,溶接部などについて実施し,磁粉探傷試験,浸透探傷試験,超音波探傷試験などがある。

一方,発電機の電気的非破壊試験の一つとして絶縁特性試験があり,これには直流試験と交流試験とがある。

直流試験には,\( \ \fbox {  (2)  } \ \)計を用いて日常一般的に行う\( \ \fbox {  (2)  } \ \)測定のほか,成極指数を指標とする直流電流試験がある。成極指数は,\( \ \fbox {  (3)  } \ \)の\( \ \fbox {  (4)  } \ \)により絶縁の良否を判定するものである。

交流試験には,誘電正接試験,交流電流試験及び部分放電試験がある。

誘電正接試験は,絶縁劣化すると交流電圧印加時に絶縁物内部の\( \ \fbox {  (5)  } \ \)が大きくなる特性を利用し,交流電流試験は,一般的に直線的になる絶縁物の電流-電圧特性が,絶縁劣化すると電流の\( \ \fbox {  (6)  } \ \)が大きくなることに着目した試験方法である。

部分放電試験は,電圧を印加し,巻線表面又は絶縁物内部の\( \ \fbox {  (7)  } \ \)で発生する部分放電を測定する試験であり,\( \ \fbox {  (8)  } \ \)から劣化の程度を推定する。

〔問5の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 印加電圧       &(ロ)& 増加率 \\[ 5pt ] &(ハ)& 低減率       &(ニ)& 発熱損失 \\[ 5pt ] &(ホ)& 形 状       &(ヘ)& 最大放電電荷量 \\[ 5pt ] &(ト)& ボイド       &(チ)& 材 質 \\[ 5pt ] &(リ)& 激減した時間       &(ヌ)& 1 \ 分値と \ 10 \ 分値の比 \\[ 5pt ] &(ル)& 接地点       &(ヲ)& 充電電流 \\[ 5pt ] &(ワ)& クーロン力       &(カ)& 圧 力 \\[ 5pt ] &(ヨ)& 静電容量       &(タ)& ゆらぎ \\[ 5pt ] &(レ)& コロナ放電光度       &(ソ)& 絶縁抵抗 \\[ 5pt ] &(ツ)& 電 圧       &(ネ)& 誘電率 \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

設備を運営するためには機械的非破壊試験,電気的非破壊試験どちらも重要ですが,電験では圧倒的に電気的非破壊試験が出題されやすいです。電気的非破壊試験は出題頻度が非常に高いので理解しておくようにしておきましょう。

1.電気的非破壊試験
1-1.直流試験
①絶縁抵抗測定
日常保守点検の一環として,絶縁抵抗計を用いて電路の電線相互間及び電路と大地との間の絶縁抵抗を測定します。絶縁抵抗値の基準値は電気設備に関する技術基準を定める省令第\( \ 58 \ \)条に下表のように規定されています。

②直流電流試験
直流電流試験は,直流電圧を絶縁物に印加し,その時間特性を見て絶縁の劣化を判断します。絶縁体の絶縁抵抗は充電電流の増加が伴う値なので,印加電圧時間が長ければ長いほど上昇していき,その特性を利用して,成極指数と呼ばれる\( \ 10 \ \)分間値/\( \ 1 \ \)分間値を用いて判断します。成極指数は高ければ高いほど良いですが,\( \ 1.5 \ \)以上ならば良,それ以下だと注意と判断します。

1-2.交流試験
①誘電正接試験
絶縁物に交流電圧を印加すると,劣化がなければほぼ\( \ \displaystyle \frac {\pi }{2} \ \mathrm {[rad]} \ \)だけ進んだ電流となりますが,絶縁劣化してくると抵抗分が増えます。すなわち等価回路で描くと図1の左図のようになり,そのベクトル図は図1の右図のようになります。この\( \ \displaystyle \frac {I_{\mathrm {R}}}{I_{\mathrm {C}}} \ \)の比が誘電正接\( \ \tan \delta \ \)と呼ばれ,絶縁劣化すると誘電正接の値が上昇していきます。

②交流電流試験
絶縁物に交流電圧を印加すると,一般的にはオームの法則により電圧と電流は比例しますが,印加電圧をさらに大きくするとコロナが発生し,電流値が非直線的に急上昇する点が発生します。その急増した点の電圧や変換率等を見て絶縁劣化度合いを判断します。

③部分放電試験
絶縁体の中のボイドの発生を診断する試験で,ボイドがある場合にはボイド部の方が誘電率が小さいため電界が集中し,電圧を大きくしていくとボイド部が先に放電します。したがってその特性を利用し,最大放電電荷量から部分放電を検出し,絶縁部の劣化状態を判定しようとする試験となります。

【解答】

(1)解答:ホ
題意より,解答候補は(ホ)形状,(チ)材質になると思います。曲がり部やフランジ付け根部は形状が変化しており,溶接箇所も多いため欠陥が増えます。したがって,非破壊試験を実施します。

(2)解答:ソ
題意より,解答候補は(カ)圧力,(ソ)絶縁抵抗,(ツ)電圧等になるのではないかと思います。ワンポイント解説「1.電気的非破壊試験」の通り,日常一般的に行うのは絶縁抵抗計を用いた絶縁抵抗測定となります。

(3)解答:ヲ
題意より,解答候補は(イ)印加電圧,(ヲ)充電電流等になると思います。ワンポイント解説「1.電気的非破壊試験」の通り,充電電流となります。

(4)解答:ヌ
題意より,解答候補は(ロ)増加率,(ハ)低減率,(リ)激減した時間,(ヌ)\( \ 1 \ \)分値と\( \ 10 \ \)分値の比になると思います。ワンポイント解説「1.電気的非破壊試験」の通り,成極指数は\( \ 1 \ \)分値と\( \ 10 \ \)分値の比となります。

(5)解答:ニ
題意より,解答候補は(ニ)発熱損失,(ヘ)最大放電電荷量,(ワ)クーロン力,(ヨ)静電容量,(ネ)誘電率等になると思います。。ワンポイント解説「1.電気的非破壊試験」の通り,絶縁劣化すると損失が増加する特性を利用した試験となります。

(6)解答:ロ
題意より,解答候補は(ロ)増加率,(ハ)低減率,(ネ)誘電率になると思います。ワンポイント解説「1.電気的非破壊試験」の通り,交流電流試験は電流値が非直線的に急上昇する増加率を測定する試験となります。

(7)解答:ト
題意より,解答候補は(ト)ボイドのみになると思います。ワンポイント解説「1.電気的非破壊試験」の通りです。

(8)解答:ヘ
題意より,解答候補は(ヘ)最大放電電荷,(ヲ)充電電流,(レ)コロナ放電光度等になると思います。ワンポイント解説「1.電気的非破壊試験」の通り,部分放電試験は最大放電電荷量から部分放電を検出し,絶縁部の劣化状態を判定しようとする試験となります。



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