《機械》〈回転機〉[R03:問1]三相同期発電機の無負荷飽和及び三相短絡特性曲線に関する計算問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,三相同期発電機の試験結果に関する記述である。文中の  に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。

 16 000 kVA  11 000 V の定格を持つ三相同期発電機(以下,試験機と呼ぶ)の試験結果は以下のとおりであった。また,試験結果をグラフ化すると図のようになった。
(a) 無負荷飽和特性試験
 [V] 4 000  8 000  11 000  14 300  [A]  205  410  680  1 400  (b) 三相短絡特性試験(定常短絡試験)
 [A]       400   600   840  [A]  435  652  913  一般的に同期機には磁気飽和特性があるため,同期リアクタンスには飽和値と不飽和値が定義される。試験機の同期リアクタンスの飽和値 Xs [] は,  (1)   であり,これを Ω 値で表した毎相の同期リアクタンスの飽和値 Xs [Ω] は,  (2)  Ω である。

試験機の同期リアクタンスの不飽和値 Xsu [] は,図中の記号を用いて Xsu []=Xs []×  (3)  として求められ,試験機の Xsu [] は,  (4)   である。

定格電圧における同期機の磁気飽和の程度を表す飽和率 σ は,図中の記号を用いて, σ= (5) If0g として求められる。

〔問1の解答群〕
 134      0.102      74.5 5.63      10.2      217 162      89.8      1.34 (If2If0g)      (If2If0)      (If0If0g) If0If2      If2If0g      If0If0g

【ワンポイント解説】

同期発電機の無負荷飽和特性曲線と三相短絡特性曲線からの出題です。
 2 種では出題されにくい一次試験の計算問題ですが,この問題のように 1 種では一次試験から出題されることがあります。
百分率インピーダンスは 1 種では使いこなせるレベルまで引き上げる必要があるので,(1)~(4)の計算を確実に理解しておくようにしましょう。

1.オームから百分率インピーダンスへの変換
基準容量を Pn [VA] ,基準電圧を Vn [V] ,基準電流を In [A] とすると, Z [Ω] の百分率インピーダンス Z [] は,
Z=ZInVn3×100 ()=3ZInVn×100=3ZVnInV2n×100=PnZV2n×100  (Pn=3VnIn) となります。

【解答】

(1)解答:イ
図1の通り,定格電圧 VN [V] の時の電機子電流を IS [A] とすると,同期リアクタンスの飽和値 Xs [Ω] は,
Xs [Ω]=VN3IS となるので,同期リアクタンスの飽和値 Xs [] は,ワンポイント解説「1.オームから百分率インピーダンスへの変換」の通り,
Xs []=PNXs [Ω]V2N×100=PNVN3ISV2N×100=PN3VNIS×100 となる。ここで,(a)無負荷飽和特性試験より,定格電圧 VN=11 000 [V] のときの界磁電流 If0=680 [A] であるから,(b)三相短絡特性試験より, IS [A] は,
IS=600652×680625.77 [A] となるので, Xs [] は,
Xs []=PN3VNIS×100=16 000×1033×11 000×625.77×100134.20  134 [] と求められる。

(2)解答:ホ
ワンポイント解説「1.オームから百分率インピーダンスへの変換」より,
Xs []=PNXs [Ω]V2N×100Xs [Ω]=Xs []V2N100PN であるから,各値を代入すると,
Xs [Ω]=134.20×11 0002100×16 000×10310.149  10.1 [Ω] と求められる。

(3)解答:ヨ
(1)と同様に考えると,図2において Xsu [] は,
Xsu []=PN3VNISu×100=PN3VNIf0gIf0IS×100=PN3VNIS×100×If0If0g=Xs []×If0If0g と求められる。

(4)解答:ト
(a)無負荷飽和特性試験より, If0g [A] の大きさは,
If0g=11 0004 000×205=563.75 [A] であるから,(3)解答式より,
Xsu []=Xs []×If0If0g=134.20×680563.75161.87  162 [] と求められる。

(5)解答:ヲ
磁気飽和の程度を表す飽和率 σ は, If0g [A] を基準としたときの If0 [A] の飽和率であるから,
σ=If0If0gIf0g と求められる。



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