【はじめに】
電験一種となると参考書が全くなくなり,過去問集と二種の参考書を中心に勉強していくことになります。
ただ,一種二種で異なる点もあるので,十分に違いを理解してから勉強していった方が効率的になると思います。
既に電験二種に合格されている方々だと思いますので「釈迦に説法」とは思いますが,本ページでは私のオススメする参考書とその活用方法をご紹介します。参考程度にご一読頂ければと思います。
【オススメ参考書】
「挑戦!電験二種受験合格講座(JTEX)」
電験二種の通信教育です。現在購入できる電験用テキストとしては最も内容が深堀りされていると思います。残念ながら,市販されていないため,直接申し込むことが必要です。
二種としては膨大すぎる量ですが,一種レベルになるとかなり広い範囲をカバーしてくれる参考書なので,かなり活用できると思います。
二種の通信教育なので,若干演習問題が易しいのと2018年現在で税込45360円と価格が高いことが難点ですね。
「これだけは知っておきたい 電気技術者の基本知識」シリーズ
電験用参考書というよりも,どちらかというと実務者向けといった参考書です。しかし,電験の問題にも出題された内容が多く記載されており,買って損はないと思います。
二種では「これだけは」からの出題が多かったと思いますが,一種になると「これも」や「これも×2」からも多く出題されているように思います。また,本のタイトルには基本知識と書いてありますが,かなり専門的な知識を記載した内容です。
一冊4536円×3冊=13608円で少し大きめな出費となってしまいますが。どちらかというと二次試験の論説対策向けかと思いますので購入は一次試験合格後で良いかもしれません。
【オススメの勉強方法】
<一次試験>
二種との違いはA問題とB問題の配点が違い,B問題の配点がやたらと高いことです。それを考慮し,試験対策をしていきます。
①一次試験の過去問を1年分解いてみる。
現在の実力を把握するため,試験問題を解いてみます。理論や機械の選択問題のウェイトが大きいことと計算量が二種より各段に多いことが分かると思います。
②過去問を解き,問題に関連する箇所のテキストを理解しながら読む。
テキストの問題に関連する箇所を読むことで,問題の理解が深まると共に派生する内容や文言も理解することができます。何年分か解いていくとテキストに載っていない問題やテキストの同じ場所にたどり着くこともあるかもしれません。その場合はインターネットや図書館等で専門書を活用します。試験直前まで,時間がある限りこの方法を続けます。
③「挑戦!電験二種受験合格講座(JTEX)」の一次試験テキストを精読する。
過去問を5年分くらい解いたら,一度「挑戦!電験二種受験合格講座(JTEX)」を一読することをオススメします。電験二種の合格者であると思いますので,比較的サクサク読み進められると思います。二種では比較的軽視することができたマイナーな分野(理論で言えば電子回路や電気電子計測,機械で言えば照明や情報伝送及び処理といった分野)も配点が高くなりますのでよく理解するようにしましょう。
④②と③を試験直前まで繰り返す。
電験一種は過去問をできるだけ広い範囲解くことと繰り返すことが大事です。テキストも合わせて学習すれば,満点とはいかないまでもボーダーラインまでは到達できると思います。ただし,かなりマニアックな問題も出題されるため,運の要素があることは否めません。
⑤試験前日はテキストを一通り読み直す。
試験前日及び当日はテキストのできる限り広い範囲に目を通しておきます。これにより,忘れていたことを思い出したり,ふと見た内容が試験に出たりすることがあります。
<二次試験>
一種の二次試験で二種と一番変わるのが,計算量が非常に複雑かつ膨大になることです。論説問題は二種とあまり変わらないレベルの問題が出題されたりします。
①「電力・管理科目」は論説問題中心に学習する。
「電力・管理科目」は,だいたい毎年計算問題2~3問,論説問題3~4問出題されます。二種との違いは,異常な程の計算量が要求される計算問題が出題されることと論説問題のウェイトが多いことです。
計算問題は過去問との類題も多いので,できるだけ過去問をたくさん解き理解することで対策は十分であると思います。目安は10年~15年分と考えて下さい。
論説問題は残念ながら過去問だけでは不十分ですので,「挑戦!電験二種受験合格講座(JTEX)」の電力,機械のテキスト及び「これだけは 知っておきたい 電気技術者の基本知識」「これも 知っておきたい 電気技術者の基本知識」「これも×2 知っておきたい 電気技術者の基本知識」の試験範囲を何度か読むと良いと思います。
計算問題は計算量が非常に多く論説問題に比べ解くのに時間がかかります。二種では計算問題の学習だけすれば合格点まで到達したかもしれませんが,一種はそれでは落ちると思いましょう。できれば論説問題を2~3問選択できると良いと思います。
②「機械・制御科目」は過去問から自分の得意分野を見つけ対策する
「機械・制御科目」は,ほぼ毎年計算問題が4問出題されます。だいたい毎年,電動機,変圧器or同期機,パワーエレクトロニクス,制御のパターンで出題されます。
過去問をできるだけたくさん解き,自分がどの分野の問題が一番得意かを見定めることが重要です。
計算量が多く,当日は二種以上に試験時間が足りないので,最も易しそうな問題もしくは得意な分野から順番に解きます。時間的に2問完答はほぼ不可能ですので,確実に一題+部分点を狙って解くようにして下さい。
【まとめ】
いかがでしたでしょうか。
私の受験経験を踏まえ,オススメの勉強方法をご紹介させて頂きました。二種三種と異なり一種向けの参考書はありません。しかし,内容は二種の頃とほとんど変わらないことも過去問を解けばわかると思います。ぜひ本ページの内容を参考に計画的に勉強して合格を勝ち取って下さい。