《電力》〈送電〉[R04:問3]送電線に用いられる距離リレーに関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,距離リレーに関する記述である。文中の  に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。

距離リレーは,  (1)  の電圧・電流入力により事故検出ができることから保護リレー装置としての構成が比較的簡単で信頼度が高く,系統保護における主保護リレー又は  (2)  リレーとして広く使用されている。

また,距離リレーは事故区間の選択が比較的確実で,保護区間に応じた各段距離リレーの  (3)  により時間協調がとりやすいことから,送電線や変圧器・発電機などの電力機器の  (2)  リレーとして,あるいは系統分離リレーとして幅広く使用されている。

距離リレーは入力電圧の  (4)  に対する比,すなわち  (5)  インピーダンスに応動し,  (5)  インピーダンスが動作特性範囲内であれば動作する。

〔問3の解答群〕
                                                                     

【ワンポイント解説】

距離継電器に関する問題です。
あまり 2 種で出題された印象がない内容ですが,メカニズムはそれほど難しくありませんので,この問題で理解するようにしましょう。
リレーの特性等の概念は保護継電器の取扱説明書等を見ると書いてあることが多いので,ぜひ現物も確認してみて下さい。

1.距離継電器
距離継電器は系統の電圧,電流を測定して事故点までの距離を測定し,事故点が保護区間内にある場合に動作する継電器です。
送電側の変電所に距離リレーを設置したときの例を図1に示します。
図1の F 点にて事故が発生したとすると,計器用変圧器 VT を介して変電所母線の電圧 V ,変流器 CT を介して送電線の電流 I を測定し,そのインピーダンス Z  VI で求められます。距離継電器はこのインピーダンス Z の大きさにより変電所から事故点までの距離に応じ,保護範囲であれば動作します。
系統保護における主保護リレー又は後備保護リレーとして使用されています。

【解答】

(1)解答:ル
題意より解答候補は,(ホ)負荷,(ヘ)事故点,(ル)自端,(ヲ)相手端,等になると思います。
ワンポイント解説「1.距離継電器」の通り,距離継電器は変電所側の電圧と電流から事故検出ができるので,自端が適切となります。

(2)解答:ロ
題意より解答候補は,(ロ)後備保護,(ハ)不足電圧保護,(ヌ)欠相保護,になると思います。
主保護リレーは保護区間で事故が起きた際に即時動作するリレー,後備保護リレーは主保護リレーが働かなかったときにバックアップとして動作するリレーで,距離継電器は後備保護リレーとしても利用されています。

(3)解答:リ
題意より解答候補は,(ニ)隣回線,(チ)測距,(リ)時限遮断,等になると思います。
距離リレーはその目的に沿って時限遮断により時限協調をとりやすいという特徴があります。

(4)解答:ワ
題意より解答候補は,(イ)母線電圧,(ト)インピーダンス,(ワ)入力電流,(ヨ)零相電流,になると思います。
ワンポイント解説「1.距離継電器」の通り,距離継電器は入力電圧の入力電流に対する比をみることにより動作します。

(5)解答:チ
題意より解答候補は,(ホ)負荷,(チ)測距,等になると思います。
ワンポイント解説「1.距離継電器」の通り,距離継電器は入力電圧の入力電流に対する比をみることで,変電所からの測距インピーダンスに応動し,測距インピーダンスが動作範囲内であれば動作します。



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