《電力》〈変電〉[H20:問2]変圧器の負荷時タップ切換装置に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,変圧器の負荷時タップ切換装置に関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切な語句を解答群の中から選び,その記号をマークシートに記入しなさい。

負荷時タップ切換装置は,負荷時タップ切換器とその駆動装置及び保護などの付属装置から構成される。そのうち,負荷時タップ切換器は,無電流状態でタップを選択するタップ選択器と,選択された回路の電流を開閉する\( \ \fbox {  (1)  } \ \)のほか,タップ切換動作の際,\( \ \fbox {  (2)  } \ \)が橋絡されたときに流れる\( \ \fbox {  (3)  } \ \)を制限する\( \ \fbox {  (4)  } \ \)とから構成される。なお,変圧器の巻線が\( \ \mathrm {Y} \ \)結線の場合には,負荷時タップ切換器は,通常,\( \ \fbox {  (5)  } \ \)が容易な巻線の中性点側に設置される。

〔問2の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& コンデンサ     &(ロ)& 循環電流       &(ハ)& 調整器 \\[ 5pt ] &(ニ)& 切換開閉器     &(ホ)& 相 間     &(ヘ)& 開 閉 \\[ 5pt ] &(ト)& 一次・二次間     &(チ)& 励磁電流     &(リ)& 絶 縁 \\[ 5pt ] &(ヌ)& 限流インピーダンス       &(ル)& 変換器     &(ヲ)& 分路巻線 \\[ 5pt ] &(ワ)& 負荷電流     &(カ)& タップ間     &(ヨ)& 調 整 \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

負荷時タップ切換装置に関する出題です。
内容は専門的ですが,比較的選択肢が絞りやすく,知らなくてもある程度正答できる空欄もあるかと思いますので,諦めずに取り組むようにして下さい。
以下のワンポイント解説で説明する内容以外にも,負荷時タップ切換装置には駆動装置等も必要ですが,以下の概要を理解しておけば電験対策としては十分でしょう。

1.負荷時タップ切換装置の構造と原理
負荷時タップ切換装置は,負荷運転中に変圧器の変圧比を切り換える装置で,図1のような構造をしています。
主に無電流状態でタップ選択するタップ選択器と無停電で切り換える切換開閉器から構成されており,変圧器の巻数比を変換させることで,変圧比を変えることができます。図2に示すように,切換の際には,タップ間が橋絡し循環電流が流れるので,限流抵抗もしくは限流リアクタンスを設けて,循環電流を低減させます。変圧器の巻線が\( \ \mathrm {Y} \ \)結線の場合には,切換装置の相間絶縁が容易となるため,中性点側に設置されます。

【解答】

(1)解答:ニ
題意より解答候補は,(ハ)調整器,(ニ)切換開閉器,(ル)変換器,等になると思います。
ワンポイント解説「1.負荷時タップ切換装置の構造と原理」の通り,選択された回路の電流を開閉するのは切換開閉器となります。

(2)解答:カ
題意より解答候補は,(ホ)相間,(ト)一次・二次間,(カ)タップ間,になると思います。
ワンポイント解説「1.負荷時タップ切換装置の構造と原理」の通り,タップ切換の際橋絡されるのはタップ間となります。

(3)解答:ロ
題意より解答候補は,(ロ)循環電流,(チ)励磁電流,(ワ)負荷電流,になると思います。
ワンポイント解説「1.負荷時タップ切換装置の構造と原理」の通り,タップ切換の際流れるのは循環電流となります。

(4)解答:ヌ
題意より解答候補は,(イ)コンデンサ,(ヌ)限流インピーダンス,(ヲ)分路巻線,になると思います。
ワンポイント解説「1.負荷時タップ切換装置の構造と原理」の通り,タップ切換時の循環電流を制限するのは限流インピーダンスとなります。

(5)解答:リ
題意より解答候補は,(ヘ)開閉,(リ)絶縁,(ヨ)調整,になると思います。
ワンポイント解説「1.負荷時タップ切換装置の構造と原理」の通り,負荷時タップ切換器は,変圧器の巻線が\( \ \mathrm {Y} \ \)結線の場合には絶縁が容易な巻線の中性点側に設置されます。



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