《法規》〈太陽電池技術基準〉[R07:問2]支持物の構造等及び施設に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,「発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令」及び「発電用太陽電池設備に関する技術基準の解釈」(以下「太陽電池技術基準の解釈」という。)に基づく記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。

\( \ \mathrm {a)} \ \) 太陽電池モジュールを支持する工作物(以下「支持物」という。)は,次により施設しなければならない。

 ① 自重,\( \ \fbox {  (1)  } \ \)荷重,風圧荷重,積雪荷重その他の当該支持物の設置環境下において想定される各種荷重に対し安定であること。

 ② 土地又は水面に施設される支持物の基礎部分は,上部構造から伝わる荷重に対して,上部構造に支障をきたす沈下,浮き上がり及び\( \ \fbox {  (2)  } \ \)への移動を生じないものであること。

 ③ 土地に自立して施設されるもののうち設置面からの太陽電池アレイ(太陽電池モジュール及び支持物の総体をいう。)の最高の高さが\( \ \fbox {  (3)  } \ \)を超える場合には,構造強度等に係る建築基準法及びこれに基づく命令の規定に適合するものであること。

なお,「太陽電池技術基準の解釈」では,支持物を地上に設置する場合の標準仕様として,一般仕様,強風仕様及び多雪仕様の三つが示されている。これらは,それぞれの標準仕様ごとに定められた,\( \ \fbox {  (4)  } \ \),設計用基準風速,積雪区域,垂直積雪量,太陽電池モジュールのサイズ及び太陽電池モジュールの重量の六つの施設条件下において,設計条件並びに架台及び基礎の仕様が所定の条件を満たす場合,強度計算を実施せずとも必要な強度等を確保できるよう規定されたものである。

\( \ \mathrm {b)} \ \) 支持物を土地に自立して施設する場合には,施設による\( \ \fbox {  (5)  } \ \)又は地盤の崩壊を防止する措置を講じなければならない。

〔問2の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 2 \ \mathrm {m}      &(ロ)& 地表面粗度区分       &(ハ)& 水平方向 \\[ 5pt ] &(ニ)& 土砂流出     &(ホ)& 5 \ \mathrm {m}     &(ヘ)& 地震 \\[ 5pt ] &(ト)& 9 \ \mathrm {m}     &(チ)& 地盤種別     &(リ)& 傾斜区分 \\[ 5pt ] &(ヌ)& 地盤沈下     &(ル)& 垂直方向     &(ヲ)& 被氷 \\[ 5pt ] &(ワ)& 積載     &(カ)& 雨水流出方向     &(ヨ)& 雨水の流出 \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令第4条,第4条及び発電用太陽電池設備に関する技術基準の解釈第9条からの出題です。
太陽電池設備技術基準は\( \ 2 \ \)種で令和5年に初めて出題され,そちらを学習し対策している受験生もいたと思いますが,多くの受験生は初見の問題であったかなと思います。完答は難しいかもしれませんが,太陽電池設備を想像して正答を導き出すようにして下さい。

【解答】

(1)解答:ヘ
発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令第4条第1項第1号に規定されている通り,地震となります。

(2)解答:ハ
発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令第4条第1項第5号イに規定されている通り,水平方向となります。

(3)解答:ト
発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令第4条第1項第6号に規定されている通り,\( \ 9 \ \mathrm {m} \ \)となります。

(4)解答:ロ
発電用太陽電池設備に関する技術基準の解釈第9条第1項8-1表に規定されている通り,地表面粗度区分となります。

(5)解答:ニ
発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令第5条に規定されている通り,土砂流出となります。

<発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令第4条>
太陽電池モジュールを支持する工作物(以下「支持物」という。)は,次の各号により施設しなければならない。

 一 自重,(1)地震荷重,風圧荷重,積雪荷重その他の当該支持物の設置環境下において想定される各種荷重に対し安定であること。

 二 前号に規定する荷重を受けた際に生じる各部材の応力度が,その部材の許容応力度以下になること。

 三 支持物を構成する各部材は,前号に規定する許容応力度を満たす設計に必要な安定した品質を持つ材料であるとともに,腐食,腐朽その他の劣化を生じにくい材料又は防食等の劣化防止のための措置を講じた材料であること。

 四 太陽電池モジュールと支持物の接合部,支持物の部材間及び支持物の架構部分と基礎又はアンカー部分の接合部における存在応力を確実に伝える構造とすること。

 五 支持物の基礎部分は,次に掲げる要件に適合するものであること。

  イ 土地又は水面に施設される支持物の基礎部分は,上部構造から伝わる荷重に対して,上部構造に支障をきたす沈下,浮上がり及び(2)水平方向への移動を生じないものであること。

  ロ 土地に自立して施設される支持物の基礎部分は,杭基礎若しくは鉄筋コンクリート造の直接基礎又はこれらと同等以上の支持力を有するものであること。

 六 土地に自立して施設されるもののうち設置面からの太陽電池アレイ(太陽電池モジュール及び支持物の総体をいう。)の最高の高さが(3)\( \ \color {red}{\underline {9 \ \mathrm {m}}} \ \)を超える場合には,構造強度等に係る建築基準法及びこれに基づく命令の規定に適合するものであること。

<発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令第5条>
支持物を土地に自立して施設する場合には,施設による(5)土砂流出又は地盤の崩壊を防止する措置を講じなければならない。

<発電用太陽電池設備に関する技術基準の解釈第9条(抜粋)>
太陽電池モジュールの支持物を,次の各号いずれかにより地上に設置する場合は,第3条,第4条,第5条,第6条,第7条及び第8条の規定によらないことができる。

一 一般仕様

8-1表に示す施設条件下において,イ及びロのいずれにも適合する場合

             8-1表
\[
\begin{array}{|l|l|}
\hline
\color {red}{\underline {(4) 地表面粗度区分     }} & Ⅲ \\
\hline
設計用基準風速 & 34 \ \mathrm {m / s} \ 以下 \\
\hline
積雪区域 & 一般 \\
\hline
垂直積雪量 & 50 \ \mathrm {cm} \ 以下 \\
\hline
太陽電池モジュールのサイズ & 2,000 \ \mathrm {mm} \ \times 1,000 \ \mathrm {mm} \ 以下    \\
\hline
太陽電池モジュールの重量 & 28 \ \mathrm {kg / 枚} 以下 \\
\hline
\end{array}
\]



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