【問題】
【難易度】★★★☆☆(普通)
\( \ 500 \ \mathrm {[kV]} \ \)変電所の母線方式として,二重母線\( \ 4 \ \)ブスタイ方式と\( \ \displaystyle 1\frac {1}{2} \mathrm {CB} \ \)方式が一般的に採用されているが,これら基幹変電所の母線方式に関し,次の問に答えよ。なお,変圧器には\( \ \underline {\normalsize {\perp }} \ \),遮断器には\( \ \bigcirc \ \),断路器には\( \ \times \ \)の記号を使うものとする。
(1) 送電線\( \ 4 \ \)回線,変圧器\( \ 4 \ \)台の場合の二重母線\( \ 4 \ \)ブスタイ方式の単線結線図を描け。
(2) 送電線\( \ 4 \ \)回線,変圧器\( \ 4 \ \)台の場合の\( \ \displaystyle 1\frac {1}{2} \mathrm {CB} \ \)方式の単線結線図を描け。
(3) 母線方式として,一般に考慮すべき事項を三つ挙げ,二重母線\( \ 4 \ \)ブスタイ方式及び\( \ \displaystyle 1\frac {1}{2} \mathrm {CB} \ \)方式の母線方式毎にその特徴を述べよ。
【ワンポイント解説】
基幹変電所の母線方式に関する問題です。
基幹変電所に関しては,万が一事故が発生した際の影響が大きいので,故障時や点検時でも送電が継続できるようにしておく必要があります。
それぞれの方式がどのように安全が担保されているか考えると覚えやすいかと思います。
1.変電所の母線方式
代表的な変電所の母線方式として単母線方式,二重母線方式,\( \ \displaystyle 1 \ \frac {1}{2} \ \mathrm {CB} \ \)方式があります。
①単母線方式
図1に示すような方式で,以下のような特徴があります。
・所要機器が少なくなるため,省スペース・省コストとなり経済的である。
・母線事故時には接続されている変圧器や送電線も停電するため供給信頼度は低い。
・母線側の断路器の点検時等に全停電となる場合があるため保守性に劣る。
②二重母線方式
図2に示す二重母線\( \ 1 \ \)ブスタイ方式や図3に示す二重母線\( \ 4 \ \)ブスタイ方式等があり,以下のような特徴があります。(ブスタイとは母線\( \ \left( \mathrm {bus} \right) \ \)を結ぶ\( \ \left( \mathrm {tie} \right) \ \)という意味です。)
・母線事故時,二重母線\( \ 1 \ \)ブスタイ方式では\( \ \displaystyle \frac {1}{2} \ \),二重母線\( \ 4 \ \)ブスタイ方式では\( \ \displaystyle \frac {1}{4} \ \)の範囲が停電となるが,送電線及び変圧器を健全母線へ切替することで迅速な復旧が可能のため,供給信頼度が高い。
・電源立地等の系統構成の変更に対し,二重母線\( \ 1 \ \)ブスタイから段階的に二重母線\( \ 4 \ \)ブスタイ方式への移行ができる。
・遮断器点検時には,片母線を作業停止することで送電線及び変圧器を停止させずに点検可能で保守性に優れる。
・単母線方式に比べ,遮断器や断路器等の機器が増え,保護回路も複雑となり,変電所スペースも大きくなるため,経済性に劣る。


③\( \ \displaystyle 1 \ \frac {1}{2} \ \mathrm {CB} \ \)方式
図4に示すような方式で,以下のような特徴があります。
・母線事故時に送電線や変圧器の停止がなく,供給信頼度が高い。
・遮断器点検時に送電線及び変圧器を停止させずに点検可能で保守性に優れる。
・系統を分割して運用する場合,二重母線方式より系統構成の柔軟性に劣る。
・\( \ 1 \ \)回線あたりの遮断器や断路器等の機器が二重母線以上に多くなる。
【解答】
(1)送電線\( \ 4 \ \)回線,変圧器\( \ 4 \ \)台の場合の二重母線\( \ 4 \ \)ブスタイ方式の単線結線図
(ポイント)
・ワンポイント解説「1.変電所の母線方式」の通りです。
(試験センター解答例)

(2)送電線\( \ 4 \ \)回線,変圧器\( \ 4 \ \)台の場合の\( \ \displaystyle 1\frac {1}{2} \mathrm {CB} \ \)方式の単線結線図
(ポイント)
・ワンポイント解説「1.変電所の母線方式」の通りです。
(試験センター解答例)

(3)母線方式として,一般に考慮すべき事項三つと母線方式毎にその特徴
(ポイント)
・ワンポイント解説「1.変電所の母線方式」の通りです。
・供給信頼度や系統運用の内容は記載しておいた方が良いかと思います。
(試験センター解答例)
(3-1)母線方式として考慮すべき事項:(以下から\( \ 3 \ \)項目を解答する。)
基幹変電所の母線として考慮すべき事項は,
① 母線事故時の系統への影響(供給信頼度)
② 系統の拡張性(建設工事への適応性)
③ 系統運用の容易性
④ 経済性
の四つである。これらを勘案したうえで,ニーズにあった母線方式が選定される。
(3-2)母線方式毎の特徴:(上記で解答した\( \ 3 \ \)条件に対して解答)
ⅰ)二重母線\( \ 4 \ \)ブスタイ方式:
① 母線事故時の系統への影響(供給信頼度):
母線事故は\( \ \displaystyle \frac {1}{4} \ \)母線範囲の停止となるが,系統への影響は少ない。
② 系統の拡張性(建設工事への適応性):
電源立地等による系統構成の変更に対しては,二重母線\( \ 1 \ \)ブスタイから段階的に二重母線\( \ 4 \ \)ブスタイ方式への移行が容易である。
③ 系統運用の容易性:
遮断器点検時に,当該送電線・変圧器の停止を必要とする。系統を分割して運用する場合に,系統構成の柔軟性が高い。
④ 経済性:
回線数が多い場合は,\( \ 1 \ \)回線当たりの遮断器の数が少なくなり,経済的に有利である。
ⅱ)\( \ \displaystyle 1\frac {1}{2} \mathrm {CB} \ \)方式:
① 母線事故時の系統への影響(供給信頼度):
単純な母線事故では送電線及び変圧器の停止がなく,系統への影響はほとんどない。
② 系統の拡張性(建設工事への適応性):
バンク増設時に対向の送電線の信頼度に影響を与える。必要に応じて母線区分遮断器の追加やそれらを考慮した送電線引き込み方式としておくことで段階的な母線拡張も可能である。
③ 系統運用の容易性:
遮断器点検時に当該送電線・変圧器の停止を必要としない。系統を分割して運用する場合等,系統構成の柔軟性では劣る。
④ 経済性:
\( \ 1 \ \)回線当たりの遮断器の数は多くなるが,所要スペースは比較的少ない。














愛知県出身 愛称たけちゃん