《電力》〈送電〉[H21:問6]架空送電線に氷雪が付着したときの現象とその対策に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,架空送電線に氷雪が付着したときの現象とその対策に関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる語句を記述用紙の解答欄に記入しなさい。

着氷雪した電線が風や着氷雪の落下により振動すると,相間短絡などの電気事故が発生する。この具体的な現象としては,電線に付着した氷雪が羽根状となって風を受けて電線が自励振動する\( \ \fbox {  (1)  } \ \)があり,その対策として

・電線振動時においても電線相互の間隔を確保するため,絶縁性の支持物で機械的に連結する\( \ \fbox {  (2)  } \ \)

・多導体の送電線において,電線把持部に回転機構を設けた\( \ \fbox {  (3)  } \ \)

が用いられる。

また,電線に付着した氷雪が脱落して電線が跳ね上がる\( \ \fbox {  (4)  } \ \)があり,その対策としては,垂直配列\( \ 2 \ \)回線鉄塔の上中下腕金長の差を大きくするという\( \ \fbox {  (5)  } \ \)を設ける設計手法が用いられる。

【ワンポイント解説】

架空送電線の氷雪に伴う振動とその対策に関する問題です。
語群があれば,それほど難解な問題ではありませんが,記述しなければならないので,完答は難しい問題かもしれません。
ただし,\( \ 1 \ \)種受験生は指導者になれるレベルですので,(1)と(4)は必ず説明できるぐらいに学習しましょう。

1.ギャロッピング
電線に非対称な氷雪が付着し肥大化すると,電線の風下側にカルマン渦が生じ振動する現象です。
特徴
 ①スペーサのために電線が回転できない多導体方式の方が発生しやすい。
 ②風圧を受けるエネルギーが大きいため,径間によって振幅が\( \ 10 \ \mathrm {m} \ \)以上になる場合もあり,相間短絡を起こしやすい。
対策
 ①難着雪リングを取り付け,着雪を防止する。
 ②相間スペーサを取り付け,短絡事故を防止する。
 ③多導体送電線において,ルーズスペーサを取り付け,電線把持部に回転機構を設け揚力を吸収する。
 ④ルート選定で風の主方向と直角に当たりやすくなるところ,冬季風が直接さらされる尾根上などを避けるようにする。

2.スリートジャンプ
氷雪が着氷し落下した際の跳ね上がりによる振動です。一時的なもので,減衰性がありますが,相間短絡を引き起こす可能性があります。
特徴
 ①跳ね上がりが大きいと相間短絡を引き起こす。
 ②風の影響ではないため,持続性はない。
対策
 ①難着雪リングを取り付け,着雪を防止する。
 ②相間スペーサを取り付け,短絡事故を防止する。
 ③電線同士の水平方向に間隔を設け(オフセット),電線の真上に電線がないようにする。

【解答】

(1)解答:ギャロッピング
ワンポイント解説「1.ギャロッピング」の通り,電線に付着した氷雪が羽根状となって風を受けて電線が自励振動する現象はギャロッピングといいます。

(2)解答:相間スペーサ
ワンポイント解説「1.ギャロッピング」の通り,ギャロッピング発生時にも電線相互の間隔を確保するために設けるのは相間スペーサとなります。

(3)解答:ルーズスペーサ
ワンポイント解説「1.ギャロッピング」の通り,電線把持部に回転機構を設けたスペーサをルーズスペーサといいます。

※相間スペーサとルーズスペーサについては東北電力プレスリリースに非常に分かりやすい資料がありますので,以下のURLを見てみて下さい。
URL:https://www.tohoku-epco.co.jp/whats/news/2006/01/pdf/0113_07.pdf

(4)解答:スリートジャンプ
ワンポイント解説「2.スリートジャンプ」の通り,電線に付着した氷雪が脱落して電線が跳ね上がる現象をスリートジャンプといいます。

(5)解答:オフセット
ワンポイント解説「2.スリートジャンプ」の通り,垂直配列\( \ 2 \ \)回線鉄塔の上中下腕金長の差を大きくする方法はオフセットの一つです。



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