《電力》〈火力〉[R04:問2]石炭ガス化複合発電に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,石炭ガス化複合発電に関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。

石炭ガス化複合発電は,石炭を\( \ \fbox {  (1)  } \ \)することにより\( \ \fbox {  (2)  } \ \)や水素を主成分とするガス燃料に変換する石炭ガス化炉,その生成ガスから主としてばいじんや\( \ \fbox {  (3)  } \ \)などを除去する\( \ \fbox {  (4)  } \ \),その生成ガスを燃料としたガスタービン複合発電を組み合わせた発電方式である。

石炭ガス化複合発電は,\( \ \mathrm {LNG} \ \)焚(だ)き複合発電と比較するとその送電端熱効率は\( \ \fbox {  (5)  } \ \)。

〔問2の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& ガス精製装置       &(ロ)& 窒素酸化物       &(ハ)& 還元 \\[ 5pt ] &(ニ)& 高い     &(ホ)& 硫黄分     &(ヘ)& 電気式集じん装置 \\[ 5pt ] &(ト)& 二酸化炭素     &(チ)& スラグ     &(リ)& 空気分離装置 \\[ 5pt ] &(ヌ)& 低い     &(ル)& 完全燃焼     &(ヲ)& 部分酸化 \\[ 5pt ] &(ワ)& 等しい     &(カ)& 天然ガス     &(ヨ)& 一酸化炭素 \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

石炭ガス化複合発電に関する問題です。
経済産業省のエネルギー基本計画において,今後石炭火力発電の電源構成割合は低減させるとしていますが,日本では石炭ガス化複合発電に関してまだまだ高効率化に向け検討されている印象があります。
今後の世界情勢等により日本の方針も変わり,電験の出題傾向も変わっていく可能性がありますので,電験の参考書以外の資料も目を通すようにしておいて下さい。

1.石炭ガス化複合発電
石炭ガス化複合発電は,石炭ガス化炉,ガス精製装置,コンバインド設備で構成されます。

石炭ガス化炉では石炭を部分燃焼(酸化)させて熱量の多い一酸化炭素ガスと水素ガスを精製します。

ガス化炉から出てきた石炭ガスはガス精製装置に送られ,集じん装置でダスト,金属成分等の不純物を,脱硫装置で硫黄化合物(\( \ \mathrm {H_{2}S} \ \))を除去します。

その後,ガスはコンバインド設備に送られ,ガスタービンへ送られ排ガスとなります。コンバインドサイクル設備は\( \ \mathrm {LNG} \ \)焚き複合発電と同様にガスタービン,排熱回収ボイラ,蒸気タービンで構成されます。

石炭ガス化複合発電はガス精製装置で湿式回収を行うこと等により,\( \ \mathrm {LNG} \ \)焚き複合発電より効率は低いですが,\( \ 45 \ % \ \)以上の効率があり,汽力発電所より熱効率は高いです。現在も高効率化に向け研究がされています。


出典:石炭ガス化複合発電(IGCC)の最新事情と課題

2.石炭ガス化複合発電の特徴
・熱効率が従来の石炭発電より高い。
・ガスタービン発電に供給する前のガスで不純物を除去するため,煙突から排出される排ガスに含まれる,窒素酸化物,硫黄酸化物,ばいじんの量が少ない。
・石炭灰が溶融スラグとして排出され,従来の石炭発電で排出されるフライアッシュより少ない。
・従来の石炭火力での利用が困難であった発熱量が低いが灰融点が低い低品位炭が利用できる。
・構成設備が多く,複雑となるため,故障の発生確率が高くなる。
・一酸化炭素が発生するプロセスがあるため,扱いに注意を要する。

【解答】

(1)解答:ヲ
題意より解答候補は,(ハ)還元,(ル)完全燃焼,(ヲ)部分酸化,になると思います。
ワンポイント解説「1.石炭ガス化複合発電」の通り,石炭ガス化複合発電は石炭ガス化炉で石炭を部分酸化させます。

(2)解答:ヨ
題意より解答候補は,(ト)二酸化炭素,(カ)天然ガス,(ヨ)一酸化炭素,になると思います。
ワンポイント解説「1.石炭ガス化複合発電」の通り,石炭ガス化炉で生成されるものは一酸化炭素となります。

(3)解答:ホ
題意より解答候補は,(ロ)窒素酸化物,(ホ)硫黄分,(チ)スラグ,になると思います。
ワンポイント解説「1.石炭ガス化複合発電」の通り,ガス精製装置では主にばいじんや硫黄分等を除去します。平成27年問2の問題においては窒素酸化物も取り除くとなっていますが,石炭ガス化複合発電は燃焼温度が低いためサーマル\( \ \mathrm {NO_{x}} \ \)が少なく,構成設備から考えても「主に」取り除くとなると硫黄分が適切と考えられます。

(4)解答:イ
題意より解答候補は,(イ)ガス精製装置,(ヘ)電気式集じん装置,(リ)空気分離装置,になると思います。
ワンポイント解説「1.石炭ガス化複合発電」の通り,生成ガスからばいじんや硫黄分などを除去する装置をガス精製装置といいます。

(5)解答:ヌ
題意より解答候補は,(ニ)高い,(ヌ)低い,(ワ)等しい,になると思います。
ワンポイント解説「1.石炭ガス化複合発電」の通り,\( \ \mathrm {LNG} \ \)焚き複合発電より効率は低いです。



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