《電力》〈火力〉[H29:問2] 通風装置に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

次の文章は,火力発電所における通風装置に関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。

通風装置はボイラの燃焼に必要な空気を火炉に送り込み,燃焼ガスを排煙処理設備などに通過させた後,煙突から排出させるための設備である。

石炭焚きボイラに適用される\( \ \fbox {  (1)  } \ \)通風方式はボイラ上流側に配置した\( \ \fbox {  (2)  } \ \)通風機と,ボイラ下流の煙道に配置した\( \ \fbox {  (3)  } \ \)通風機により,火炉内を大気圧又はやや\( \ \fbox {  (4)  } \ \)に保ちながら運転する方式である。また,上記の通風機以外にも,燃焼用空気の酸素濃度を下げて\( \ \mathrm {NO_{x}} \ \)を低減する目的で設置される\( \ \fbox {  (5)  } \ \)通風機などがある。

〔問2の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 正圧   &(ロ)& 負圧   &(ハ)& 一次空気 \\[ 5pt ] &(ニ)& 押込   &(ホ)& 強制   &(ヘ)& 空気圧縮 \\[ 5pt ] &(ト)& 空気予熱   &(チ)& 再循環     &(リ)& 再燃 \\[ 5pt ] &(ヌ)& 自然   &(ル)& 人工   &(ヲ)& 脱硫 \\[ 5pt ] &(ワ)& 排ガス混合    &(カ)& 平衡   &(ヨ)& 誘引
\end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

火力発電の煙風道設備と呼ばれる空気の通り道に関する問題です。本問の設備に関する内容もですが,\( \ \mathrm {NO_{x}} \ \),\( \ \mathrm {SO_{x}} \ \),ばいじんに関する問題もよく出題されます。

1.火力発電所の煙風道のフロー
図1に石炭火力発電所の概略フローの一例を示します。図内の各補機の名称及び役割を覚えておいて下さい。

1.通風機
 押込通風機:ボイラへ空気を送るためのファン。
 誘引通風機:ボイラから出てくる排ガスを煙突へ送るファン。押込通風機よりも大き
       くして,ボイラ内を負圧にし,粉塵の外への漏れ出しを防ぎます。
 排ガス混合通風機:排ガスを燃焼用空気に混ぜ,酸素濃度を下げて燃焼温度を下げる
          ことにより,サーマル\(\mathrm {NO_{x}}\)を低減させます。

2.熱交換器
 空気予熱器:排ガスと燃焼用空気を熱交換して,全体の熱効率を上げます。
 \(\mathrm {GGH}\):冷却吸収塔前後の排ガスを熱交換して,煙突の腐食を防止します。

3.環境対策装置
 脱硝装置 :排ガスの\(\mathrm {NO_{x}}\)を回収し,排ガス中の\(\mathrm {NO_{x}}\)濃度を低減させます。
       アンモニア接触還元法が一般的です。
 電気集塵機:排ガス中のばいじんを回収し,排ガス中のばいじん濃度を低減させます。
 冷却吸収塔:排ガス中の\(\mathrm {SO_{x}}\)を回収し,排ガス中の\(\mathrm {SO_{x}}\)濃度を低減させ
       ます。石灰石膏法が一般的です。

【解答】

(1)解答:カ
題意より解答候補は(ホ)強制,(カ)平衡になりますが,石炭焚きボイラで採用されるのは平衡通風方式です。

(2)解答:ニ
(3)解答:ヨ
題意より解答候補は(ニ)押込,(ワ)排ガス混合,(ヨ)誘引になりますが,図1の通り,ボイラ上流側に設置するのが押込通風機,ボイラ下流側に設置するのが誘引通風機となります。

(4)解答:ロ
石炭焚きボイラでは,粉じんの漏れを防ぐため,ボイラを大気圧もしくはやや負圧になるように運転しています。

(5)解答:ワ
燃焼用空気の酸素濃度を下げる目的で排ガスを混ぜる通風機は排ガス混合通風機となります。



記事下のシェアタイトル