《法規》〈電気施設管理〉[H29:問6] 負荷設備における需要電力分析に関する計算問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

次の文章は,負荷設備における需要電力分析に関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。

a 需要場所における電力設備の計画においては,負荷特性に応じて時々刻々変動する需要電力を十分に分析し,評価する必要がある。需要率は,需要電力の最大値を\( \ \fbox {  (1)  } \ \)で除したものである。この値が\( \ 1 \ \)を超えた場合には,機器が\( \ \fbox {  (2)  } \ \)となっていることを示す。

b 不等率は,複数の負荷(群)の組み合わせにおいて,各負荷(群)の最大需要電力の和を\( \ \fbox {  (3)  } \ \)で除したものである。最大需要電力が\( \ P_{\mathrm {A}} \ \)の負荷群\( \ \mathrm {A} \ \)と最大需要電力が\( \ P_{\mathrm {B}} \ \)(\( \ P_{\mathrm {B}}>P_{\mathrm {A}} \ \))の負荷群\( \ \mathrm {B} \ \)と組み合わせて構成した負荷群\( \ \mathrm {C} \ \)の不等率の最大値は,\( \ \fbox {  (4)  } \ \)である。

c 最大需要電力は\( \ \mathrm{800 \ kW} \ \),需要率が\( \ 0.8 \ \),負荷率が\( \ 0.6 \ \),力率が常に\( \ 0.75 \ \)一定の負荷\( \ \mathrm {A} \ \)と最大需要電力が\( \ \mathrm{400 \ kW} \ \),需要率が\( \ 0.5 \ \),負荷率が\( \ 0.8 \ \),力率が常に\( \ 0.75 \ \)一定の負荷\( \ \mathrm {B} \ \)とを組み合わせて構成した負荷群\( \ \mathrm {C} \ \)を考える。不等率が\( \ 1.25 \ \)であるとすると,\( \ \mathrm {C} \ \)の需要率は\( \ \fbox {  (5)  } \ \)となり,負荷率は\( \ \fbox {  (6)  } \ \)となる。不等率が大きいほど,\( \ \mathrm {C} \ \)の負荷率は\( \ \fbox {  (7)  } \ \)なる。また,\( \ \mathrm {C} \ \)の負荷率が\( \ 0.94 \ \)であるとすると,不等率は\( \ \fbox {  (8)  } \ \)となる。

〔問6の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 1.21   &(ロ)& 間欠使用   &(ハ)& 0.73 \\[ 5pt ] &(ニ)& 小さく   &(ホ)& 0.53   &(ヘ)& 過負荷使用 \\[ 5pt ] &(ト)& 受電容量   &(チ)& 平均電力の和   &(リ)& 1.41 \\[ 5pt ] &(ヌ)& 1+\frac {P_{\mathrm {B}}}{P_{\mathrm {A}}}   &(ル)& 1.31   &(ヲ)& 最小電力の和 \\[ 5pt ] &(ワ)& 0.63   &(カ)& 設備容量の合計   &(ヨ)& 大きく \\[ 5pt ] &(タ)& 契約電力   &(レ)& 0.83   &(ソ)& 1+\frac {P_{\mathrm {A}}}{P_{\mathrm {B}}} \\[ 5pt ] &(ツ)& 短時間使用   &(レ)& 合成最大需要電力
\end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

本問は電験一種としてはかなりサービス問題の部類に入ると思います。配点も大きいので,ぜひ完答したい問題です。

1.需要率
\[
\begin{eqnarray}
需要率&=&\frac {最大需要電力}{設備容量} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

2.負荷率
\[
\begin{eqnarray}
負荷率&=&\frac {平均需要電力}{最大需要電力} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

3.不等率
\[
\begin{eqnarray}
不等率&=&\frac {各最大需要電力の和}{合成した最大需要電力}\times 100 \ [%] \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

【解答】

(1)解答:カ
ワンポイント解説「1.需要率」の通り,需要率は最大需要電力を設備容量の合計で除したものとなります。設備の余裕があるかの指標になります。

(2)解答:ヘ
題意より,(ロ)間欠使用,(ヘ)過負荷使用となりますが,需要率が\( \ 1 \ \)を超えた状態は設備の容量が足りない状態なので,過負荷となります。

(3)解答:ネ
ワンポイント解説「3.不等率」の通り,不等率は各最大需要電力の和を合成最大需要電力で除したものとなります。

(4)解答:ソ
合成最大需要電力の最小値は\( \ P_{\mathrm {A}}=0 \ \)の時に\( \ P_{\mathrm {B}} \ \)が最大となる場合であるから,その時の不等率は,
\[
\begin{eqnarray}
\frac {P_{\mathrm {A}}+P_{\mathrm {B}}}{P_{\mathrm {B}}} &=&1+\frac {P_{\mathrm {A}}}{P_{\mathrm {B}}} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] と求められる。

(5)解答:ホ
負荷群Cの合成最大需要電力は,
\[
\begin{eqnarray}
合成最大需要電力&=&\frac {800+400}{1.25} \\[ 5pt ] &=&960 \ \mathrm{[kW]} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] であり,各負荷群の設備容量は,
\[
\begin{eqnarray}
負荷群 \ \mathrm {A} \ の設備容量&=&\frac {800}{0.8} \\[ 5pt ] &=&1000 \ \mathrm{[kW]} \\[ 5pt ] 負荷群 \ \mathrm {B} \ の設備容量&=&\frac {400}{0.5} \\[ 5pt ] &=&800 \ \mathrm{[kW]} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] であるから,負荷群\( \ \mathrm {C} \ \)の需要率は,
\[
\begin{eqnarray}
\frac {960}{1000+800}&≒&0.53 \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] と求められる。

(6)解答:レ
各負荷群の平均需要電力は,
\[
\begin{eqnarray}
負荷群 \ \mathrm {A} \ の平均需要電力&=&800\times 0.6 \\[ 5pt ] &=&480 \ \mathrm{[kW]} \\[ 5pt ] 負荷群 \ \mathrm {B} \ の平均需要電力&=&400\times 0.8 \\[ 5pt ] &=&320 \ \mathrm{[kW]} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となるから,負荷群\( \ \mathrm {C} \ \)の負荷率は,
\[
\begin{eqnarray}
\frac {480+320}{960}&≒&0.83 \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] となる。

(7)解答:ヨ
各定義より不等率が大きいほど,負荷群\( \ \mathrm {C} \ \)の負荷率も大きくなります。
※わからない場合は,実際に違う数値を当てはめてみるとわかります。

(8)解答:リ
負荷群\( \ \mathrm {C} \ \)の最大需要電力は,
\[
\begin{eqnarray}
\frac {800}{0.94}&≒&851 \ \mathrm{[kW]} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] であるから,不等率は,
\[
\begin{eqnarray}
\frac {800+400}{851}&≒&1.41 \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] と求められる。



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