《法規》〈電気設備技術基準〉[R02:問3]電線の混触及び異常電圧による障害の防止に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

次の文章は,「電気設備技術基準」及び「電気設備技術基準の解釈」に基づく,電線の混触防止と異常電圧による架空電線等への障害の防止に関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。

a) 電線路の電線,電力保安通信線又は電車線等は,他の電線又は弱電流電線等と接近し,若しくは交さする場合又は同一支持物に施設する場合には,他の電線又は弱電流電線等を損傷するおそれがなく,かつ,\( \ \fbox {  (1)  } \ \),断線等によって生じる混触による\( \ \fbox {  (2)  } \ \)又は火災のおそれがないように施設しなければならない。

b) 特別高圧の架空電線と低圧又は高圧の架空電線又は電車線を同一支持物に施設する場合は,異常時の高電圧の侵入により低圧側又は高圧側の電気設備に障害を与えないよう,\( \ \fbox {  (3)  } \ \)その他の適切な措置を講じなければならない。

c) 使用電圧が\( \ 35 \ 000 \ \mathrm {V} \ \)を超え\( \ 100 \ 000 \ \mathrm {V} \ \)未満の特別高圧架空電線と高圧架空電線とを同一の支持物に施設する場合,特別高圧架空電線路は\( \ \fbox {  (4)  } \ \)特別高圧保安工事により施設するとともに,特別高圧架空電線と高圧架空電線との離隔距離は,特別高圧架空電線がケーブル以外の場合,\( \ \fbox {  (5)  } \ \mathrm {m} \ \)以上であること。

〔問3の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 2     &(ロ)& 4     &(ハ)& 昇塔防止 \\[ 5pt ] &(ニ)& 漏電     &(ホ)& 第 \ 1 \ 種     &(ヘ)& 第 \ 2 \ 種 \\[ 5pt ] &(ト)& 倒壊     &(チ)& 絶縁     &(リ)& 接触 \\[ 5pt ] &(ヌ)& 感電     &(ル)& 停電     &(ヲ)& 接地 \\[ 5pt ] &(ワ)& 第 \ 3 \ 種     &(カ)& 接近     &(ヨ)& 6 \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

電気設備に関する技術基準を定める省令第28条及び第31条,電気設備の技術基準の解釈第104条からの出題です。
前半の(1)~(3)は電気設備技術基準では定番の空欄であり,半分熟語のような形で覚えておいた方が良いと思います。(4)と(5)は絶対に覚えておかなければならない内容ではないかもしれません。
このような問題は(1)~(3)を確実に得点し,合格圏内の得点をすることが最重要となります。

【解答】

(1)解答:リ
電気設備に関する技術基準を定める省令第28条に規定されている通り,接触となります。

(2)解答:ヌ
電気設備に関する技術基準を定める省令第28条に規定されている通り,感電となります。

(3)解答:ヲ
電気設備に関する技術基準を定める省令第31条第1項に規定されている通り,接地となります。

(4)解答:ヘ
電気設備の技術基準の解釈第104条第1項2号イに規定されている通り,第2種特別高圧保安工事となります。

(5)解答:イ
電気設備の技術基準の解釈第104条第1項1号に規定されている通り,\( \ 2 \ \mathrm {m} \ \)となります。

<電気設備に関する技術基準を定める省令第28条>
電線路の電線、電力保安通信線又は電車線等は、他の電線又は弱電流電線等と接近し、若しくは交さする場合又は同一支持物に施設する場合には、他の電線又は弱電流電線等を損傷するおそれがなく、かつ、(1)接触、断線等によって生じる混触による(2)感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。

<電気設備に関する技術基準を定める省令第31条>
特別高圧の架空電線と低圧又は高圧の架空電線又は電車線を同一支持物に施設する場合は、異常時の高電圧の侵入により低圧側又は高圧側の電気設備に障害を与えないよう、(3)接地その他の適切な措置を講じなければならない。

2 特別高圧架空電線路の電線の上方において、その支持物に低圧の電気機械器具を施設する場合は、異常時の高電圧の侵入により低圧側の電気設備へ障害を与えないよう、接地その他の適切な措置を講じなければならない。

<電気設備の技術基準の解釈第104条(抜粋)>
使用電圧が35,000Vを超え100,000V未満の特別高圧架空電線と低圧又は高圧の架空電線とを同一支持物に施設する場合は、第3項に規定する場合を除き、次の各号によること。

一 特別高圧架空電線と低圧又は高圧の架空電線との離隔距離は、104-1表に規定する値以上であること。

二 特別高圧架空電線路は、次によること。

 イ (4)第2種特別高圧保安工事により施設すること。

 ロ 電線は、ケーブル又は引張強さ21.67kN以上のより線若しくは断面積55mm2以上の硬銅より線であること。(関連省令第6条)

三 低圧又は高圧の架空電線路は、次によること。

 イ 電線は、次のいずれかのものであること。(関連省令第6条)

  (イ) ケーブル

  (ロ) 直径3.5mm以上の銅覆鋼線

  (ハ) 架空電線路の径間が50m以下の場合は、引張強さ5.26kN以上のもの又は直径4mm以上の硬銅線

  (ニ) 架空電線路の径間が50mを超える場合は、引張強さ8.01kN以上のもの又は直径5mm以上の硬銅線

 ロ 低圧又は高圧の架空電線は、次のいずれかに該当するものであること。

  (イ) 特別高圧架空電線と同一支持物に施設される部分に、次により接地工事を施した低圧架空電線(関連省令第10条、第11条)

   (1) 接地抵抗値は、10Ω以下であること。

   (2) 接地線は、引張強さ2.46kN以上の容易に腐食し難い金属線又は直径4mm以上の軟銅線であって、故障の際に流れる電流を安全に通じることができるものであること。

   (3) 接地線は、第17条第1項第三号の規定に準じて施設すること。

  (ロ) 第24条第1項の規定により接地工事(第17条第2項第一号の規定により計算した値が10を超える場合は、接地抵抗値が10Ω以下のものに限る。)を施した低圧架空電線

  (ハ) 第25条第1項の規定により施設した高圧架空電線

  (ニ) 直流単線式電気鉄道用架空電線その他の大地から絶縁されていない電路に接続されている低圧又は高圧の架空電線

 ハ 特別高圧架空電線路が、次のいずれかのものである場合は、ロの規定によらないことができる。

  (イ) 電線に特別高圧絶縁電線を使用するとともに、第88条第1項第二号の規定に準じて施設するもの

  (ロ) 電線にケーブルを使用するもの



記事下のシェアタイトル