【問題】
【難易度】★★★☆☆(普通)
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく,低圧保安工事,高圧保安工事及び連鎖倒壊防止に関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
a)低圧保安工事では,木柱の風圧荷重に対する安全率は\( \ \fbox { (1) } \ \)以上であること。また,木柱の太さは\( \ \fbox { (2) } \ \)で直径\( \ 12 \ \mathrm {cm} \ \)以上であること。
b)高圧保安工事では,電線はケーブルである場合を除き,引張強さ\( \ 8.01 \ \mathrm {kN} \ \)以上のもの又は直径\( \ 5 \ \mathrm {mm} \ \)以上の\( \ \fbox { (3) } \ \)であること。
径間は,下表によること。ただし,電線に引張強さ\( \ 14.51 \ \mathrm {kN} \ \)以上のもの又は断面積\( \ 38 \ \mathrm {{mm}^{2}} \ \)以上の硬銅より線を使用する場合であって,支持物に\( \ \mathrm {B} \ \)種鉄筋コンクリート柱,\( \ \mathrm {B} \ \)種鉄柱又は鉄塔を使用するときは,この限りでない。
\[
\begin{array}{|l|c|}
\hline
支持物の種類 & 径間 \\
\hline
木柱, \ \mathrm {A} \ 種鉄筋コンクリート柱又は \ \mathrm {A} \ 種鉄柱 & 100 \ \mathrm {m} \ 以下 \\
\hline
\ \mathrm {B} \ 種鉄筋コンクリート柱又は \ \mathrm {B} \ 種鉄柱 & \ \fbox { (4) } \ 以下 \\
\hline
鉄塔 & 400 \ \mathrm {m} \ 以下 \\
\hline
\end{array}
\]
c)低圧又は高圧架空電線路の支持物で\( \ \fbox { (5) } \ \)が連続している箇所において,連鎖的に倒壊するおそれがある場合は,必要に応じ,\( \ \fbox { (6) } \ \)以下ごとに,支線を電線路に\( \ \fbox { (7) } \ \)方向にその両側に設け,また,\( \ 5 \ \)基以下ごとに支線を電線路と\( \ \fbox { (8) } \ \)方向にその両側に設けること。ただし,技術上困難であるときは,この限りでない。
〔問5の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 30°の &(ロ)& 1.5 &(ハ)& 150 \ \mathrm {m} \\[ 5pt ]
&(ニ)& 45°の &(ホ)& 1.2 &(ヘ)& 直角の \\[ 5pt ]
&(ト)& 木柱 &(チ)& 平行な &(リ)& 硬銅線 \\[ 5pt ]
&(ヌ)& 10 \ 基 &(ル)& 250 \ \mathrm {m} &(ヲ)& 硬アルミ線 \\[ 5pt ]
&(ワ)& 2.0 &(カ)& 16 \ 基 &(ヨ)& 長径間 \\[ 5pt ]
&(タ)& 元口 &(レ)& 直線路 &(ソ)& 末口 \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
【ワンポイント解説】
電気設備の技術基準の解釈第70条からの出題です。
よく出題される条文の一つですが,法令の改正により一部修正・追記がなされており,その部分が出題されています。
古い参考書でもそうですが,電験王でも全ての改正までは追えていませんので,法令を学習する際は常に最新の条文を閲覧するようにして下さい。
【解答】
(1)解答:ワ
電気設備の技術基準の解釈第70条第1項第2号イに規定されている通り,\( \ 2.0 \ \)となります。
(2)解答:ソ
電気設備の技術基準の解釈第70条第1項第2号ロに規定されている通り,末口となります。
(3)解答:リ
電気設備の技術基準の解釈第70条第2項第1号に規定されている通り,硬銅線となります。
(4)解答:ハ
電気設備の技術基準の解釈第70条第2項70-2表に規定されている通り,\( \ 150 \ \mathrm {m} \ \)となります。
(5)解答:レ
電気設備の技術基準の解釈第70条第3項に規定されている通り,直線路となります。
(6)解答:カ
電気設備の技術基準の解釈第70条第3項に規定されている通り,\( \ 16 \ \)基となります。
(7)解答:チ
電気設備の技術基準の解釈第70条第3項に規定されている通り,平行なとなります。
(8)解答:ヘ
電気設備の技術基準の解釈第70条第3項に規定されている通り,直角のとなります。
<電気設備の技術基準の解釈第70条(抜粋)>
低圧架空電線路の電線の断線,支持物の倒壊等による危険を防止するため必要な場合に行う,低圧保安工事は,次の各号によること。
一 電線は,次のいずれかによること。
イ ケーブルを使用し,第67条の規定により施設すること。
ロ 引張強さ\( \ 8.01 \ \mathrm {kN} \ \)以上のもの又は直径\( \ 5 \ \mathrm {mm} \ \)以上の硬銅線(使用電圧が\( \ 300 \ \mathrm {V} \ \)以下の場合は,引張強さ\( \ 5.26 \ \mathrm {kN} \ \)以上のもの又は直径\( \ 4 \ \mathrm {mm} \ \)以上の硬銅線)を使用し,第66条第1項の規定に準じて施設すること。
二 木柱は,次によること。
イ 風圧荷重に対する安全率は,(1)\( \ \color {red}{\underline {2.0}} \ \)以上であること。
ロ 木柱の太さは,(2)末口で直径\( \ 12 \ \mathrm {cm} \ \)以上であること。
2 高圧架空電線路の電線の断線,支持物の倒壊等による危険を防止するため必要な場合に行う,高圧保安工事は,次の各号によること。
一 電線はケーブルである場合を除き,引張強さ\( \ 8.01 \ \mathrm {kN} \ \)以上のもの又は直径\( \ 5 \ \mathrm {mm} \ \)以上の(3)硬銅線であること。
二 木柱の風圧荷重に対する安全率は,\( \ 2.0 \ \)以上であること。
三 径間は,70-2表によること。ただし、電線に引張強さ\( \ 14.51 \ \mathrm {kN} \ \)以上のもの又は断面積\( \ 38 \ \mathrm {{mm}^{2}} \ \)以上の硬銅より線を使用する場合であって、支持物に\( \ \mathrm {B} \ \)種鉄筋コンクリート柱,\( \ \mathrm {B} \ \)種鉄柱又は鉄塔を使用するときは,この限りでない。
70-2表
\[
\begin{array}{|l|c|}
\hline
支持物の種類 & 径間 \\
\hline
木柱, \ \mathrm {A} \ 種鉄筋コンクリート柱又は \ \mathrm {A} \ 種鉄柱 & 100 \ \mathrm {m} \ 以下 \\
\hline
\ \mathrm {B} \ 種鉄筋コンクリート柱又は \ \mathrm {B} \ 種鉄柱 & \color {red}{\underline {(4) \ 150 \ \mathrm {m}}} \ 以下 \\
\hline
鉄塔 & 400 \ \mathrm {m} \ 以下 \\
\hline
\end{array}
\]
3 低圧又は高圧架空電線路の支持物で(5)直線路が連続している箇所において,連鎖的に倒壊するおそれがある場合は,必要に応じ,(6)\( \ \color {red}{\underline {16}} \ \)基以下ごとに,支線を電線路に(7)平行な方向にその両側に設け,また,\( \ 5 \ \)基以下ごとに支線を電線路と(8)直角の方向にその両側に設けること。ただし,技術上困難であるときは,この限りでない。