《機械》〈メカトロニクス〉[R05:問7]生産ラインにおける自動化技術に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,生産ラインにおける自動化技術に関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。

コンピュータを活用して複雑な設計・製図を効率よく行えるものとして\( \ \fbox {  (1)  } \ \)システムがある。\( \ 3 \ \)次元\( \ \fbox {  (1)  } \ \)を用いると,ディスプレイ上で設計対象物を立体的に表示でき,様々な方向から確認することができる。

\( \ \fbox {  (2)  } \ \)システムはコンピュータを活用した機械加工を中心とした生産準備の自動化システムをいい,\( \ \fbox {  (1)  } \ \)システムと連携させることで,設計対象物の加工手順を生成し,\( \ \mathrm {NC} \ \)制御された工作機械で加工することが可能である。

\( \ \mathrm {XYZ} \ \)の各軸に主軸又はテーブルの回転,傾斜を加えた多軸制御の工作機械では,\( \ \fbox {  (1)  } \ \)システムの\( \ 3 \ \)次元設計データを活用して,複雑な形状や曲面を加工することができる。ただし,制御軸が増えると構造が複雑となり剛性が\( \ \fbox {  (3)  } \ \)なることや,加工時に切削工具が加工物に接触する角度や面積が変化することで\( \ \fbox {  (4)  } \ \)の変動があり,精度や表面粗さが悪化しやすくなることに注意が必要である。

\( \ \fbox {  (5)  } \ \)は,自動的に工具を交換する機能を有する\( \ \mathrm {NC} \ \)工作機械であり,加工内容の自由度が増え,\( \ \fbox {  (2)  } \ \)システムとの親和性が良い。

一方で,より複雑な形状を造形する方法では,\( \ \mathrm {3D} \ \)プリンタが試作や少量生産の製品などへ利用されている。耐久性のある金属製の立体形状を作成する場合は,\( \ \fbox {  (6)  } \ \)の材料に\( \ \fbox {  (7)  } \ \)を照射して\( \ \fbox {  (8)  } \ \)させる方法がある。

生産ラインでは,各種工作機械や\( \ \fbox {  (5)  } \ \)の他,溶接,組立,塗装などを行う産業用ロボットや,無人搬送車,自動倉庫などが組み合わされて,工場全体の自動化が行われる。このようにして工場の自動化をすることを\( \ \fbox {  (9)  } \ \)という。

〔問7の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 加工時間     &(ロ)& 樹脂状     &(ハ)& 切削抵抗 \\[ 5pt ] &(ニ)& マザーマシン     &(ホ)& 高く     &(ヘ)& 光硬化 \\[ 5pt ] &(ト)& フリーフローライン        &(チ)& \mathrm {CAM}     &(リ)& \mathrm {CAT} \\[ 5pt ] &(ヌ)& マシニングセンタ     &(ル)& 低く     &(ヲ)& \mathrm {CAD} \\[ 5pt ] &(ワ)& 紫外線     &(カ)& フライス盤         &(ヨ)& 溶着 \\[ 5pt ] &(タ)& \mathrm {CAE}     &(レ)& レーザ      &(ソ)& 粉末状 \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] \[
\begin{eqnarray}
&(ツ)& ファクトリーオートメーション \\[ 5pt ] &(ネ)& フレキシブルマニュファクチャリングシステム \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

生産ラインにおける自動化技術に関する問題です。
文脈から解答が予想できる選択肢もあり,問6よりも選択肢が多い分リスクは少ない問題です。大工場で管理業務をされている方は有利な内容であるかなと思います。

1.\( \ \mathrm {CAD} \ \)システム
\( \ \mathrm { Computer \ Aided \ Design} \ \)の略で,設計や製図をコンピュータで行うシステムです。
これまで手書きで行い,非常に時間がかかっていた作業が\( \ \mathrm {CAD} \ \)システムを導入することで大幅に短縮されるようになりました。さらに修正も容易である,データ管理ができる等多くのメリットがあります。
\( \ \mathrm {3D \ CAD} \ \)という立体の図面を描くことができるシステムもあり,全方位からの視覚的イメージがしやすいという特徴があります。ただし,データ量が膨大となり,ハイスペックのパソコンが必要となります。

2.\( \ \mathrm {CAM} \ \)システム
\( \ \mathrm { Computer \ Aided \ Manufacturing} \ \)の略で,設計対象物の加工手順を生成するソフトウェアです。\( \ \mathrm {NC} \ \)制御(\( \ \mathrm {Numerically \ Control} \ \):数値制御)された工作機械の加工手順を生成します。
\( \ \mathrm {CAM} \ \)にも\( \ \mathrm {2D \ CAM} \ \)と\( \ \mathrm {3D \ CAM} \ \)があります。

3.マシニングセンタ
自動的に工具を交換する機能を有する\( \ \mathrm {NC} \ \)工作機械で,多種類の加工を連続して行うことができる機械となります。\( \ \mathrm {CAM} \ \)システムからの生成手順に従い,複雑な加工を自動的に行うことも可能となっています。

4.\( \ \mathrm {3D} \ \)プリンタ
\( \ \mathrm {3D \ CAD} \ \)のデータを利用して,試作品等を作成する際に適しています。薄い層を積み上げる積層方式や液状の樹脂を紫外線で少しずつ硬化させる方式,金属素材も使用できる粉末状の材料にレーザを照射して溶着させる方式,等があります。

【解答】

(1)解答:ヲ
題意より解答候補は,(チ)\( \ \mathrm {CAM} \ \),(リ)\( \ \mathrm {CAT} \ \),(ヲ)\( \ \mathrm {CAD} \ \),(タ)\( \ \mathrm {CAE} \ \),等になると思います。
ワンポイント解説「1.\( \ \mathrm {CAD} \ \)システム」の通り,コンピュータを活用して複雑な設計・製図を効率よく行えるものは\( \ \mathrm {CAD} \ \)システムとなります。

(2)解答:チ
題意より解答候補は,(チ)\( \ \mathrm {CAM} \ \),(リ)\( \ \mathrm {CAT} \ \),(ヲ)\( \ \mathrm {CAD} \ \),(タ)\( \ \mathrm {CAE} \ \),等になると思います。
ワンポイント解説「2.\( \ \mathrm {CAM} \ \)システム」の通り,コンピュータを活用した機械加工を中心とした生産準備の自動化システムは\( \ \mathrm {CAM} \ \)システムとなります。

(3)解答:ル
題意より解答候補は,(ホ)高く,(ル)低く,になると思います。
多軸制御の工作機械では,制御軸が増えると構造が複雑となり剛性が低くなります。制御軸が増えて剛性が高くなることはないことはイメージがつくかと思います。

(4)解答:ハ
題意より解答候補は,(イ)加工時間,(ハ)切削抵抗,になると思います。
加工時に切削工具が加工物に接触する角度や面積が変化することで変化するのは切削抵抗となります。切削抵抗の変動により,精度や表面粗さが悪化しやすくなります。

(5)解答:ヌ
題意より解答候補は,(ニ)マザーマシン,(ト)フリーフローライン,(ヌ)マシニングセンタ,(ツ)ファクトリーオートメーション,(ネ)フレキシブルマニュファクチャリングシステム,等になると思います。
ワンポイント解説「3.マシニングセンタ」の通り,自動的に工具を交換する機能を有する\( \ \mathrm {NC} \ \)工作機械をマシニングセンタといいます。

(6)解答:ソ
題意より解答候補は,(ロ)樹脂状,(ソ)粉末状,になると思います。
ワンポイント解説「4.\( \ \mathrm {3D} \ \)プリンタ」の通り,\( \ \mathrm {3D} \ \)プリンタで耐久性のある金属製の立体形状を作成する場合には粉末状の材料を使用します。

(7)解答:レ
題意より解答候補は,(ワ)紫外線,(レ)レーザ,になると思います。
ワンポイント解説「4.\( \ \mathrm {3D} \ \)プリンタ」の通り,\( \ \mathrm {3D} \ \)プリンタで耐久性のある金属製の立体形状を作成する場合には粉末状の材料にレーザを照射します。

(8)解答:ヨ
題意より解答候補は,(ヘ)光硬化,(ヨ)溶着,になると思います。
ワンポイント解説「4.\( \ \mathrm {3D} \ \)プリンタ」の通り,\( \ \mathrm {3D} \ \)プリンタで耐久性のある金属製の立体形状を作成する場合には粉末状の材料にレーザを照射して溶着させます。

(9)解答:ツ
題意より解答候補は,(ニ)マザーマシン,(ト)フリーフローライン,(ヌ)マシニングセンタ,(ツ)ファクトリーオートメーション,(ネ)フレキシブルマニュファクチャリングシステム,等になると思います。
工場全体の自動化をすることをファクトリーオートメーションといいます。昔から導入されている技術ですが,近年は\( \ \mathrm {IoT} \ \)や\( \ \mathrm {AI} \ \)の導入によりさらに生産の効率化を図ることができており,今後も更なる発展が予想される分野となります。



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