《機械・制御》〈回転機〉[H27:問2] 円筒形同期発電機における出力と界磁電流との関係に関する計算問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

三相星形結線の円筒形同期発電機(短絡比0.5 )における出力と界磁電流との関係に関して,次の問に答えよ。ただし,鉄心の磁気飽和及び電機子抵抗は無視する。また,単位法は自己定格容量(定格皮相電力[kVA])を基準としている。なお,界磁電流Ifの大きさは,無負荷状態で定格電圧発生時の界磁電流If0に対する比k1F( k1F=IfIf0 )で表示する。

(1) 定格周波数における,単位法表示の同期リアクタンスXS [p.u.]の数値を算出せよ。

(2) 端子電圧(相電圧)V [p.u.],無負荷誘導起電力E [p.u.],負荷角(内部相差角)δ [p.u.]及びXS [p.u.]を含む有効電力P [p.u.]の式を導出せよ。また,V及び周波数が一定で運転し,Pが一定の状態においてIfを変化させてもEsinδが一定であることを示せ。

(3) V [p.u.]E [p.u.]δ [p.u.]及びXS [p.u.]を含む無効電力Q [p.u.]の式(誘導性無効電力を出力する遅れ力率のとき,Q0とする)を導出せよ。また,V及び周波数が一定で運転し,Qが一定の状態においてIfを変化させてもEcosδが一定であることを示せ。

(4) 定格周波数において, V=1 p.u. 及び P=0.5 p.u. 一定の状態でIfの大きさをk1F=2にしたときのQ [p.u.]E [p.u.],出力電流(相電流)I [p.u.]及び力率cosϕの数値を算出せよ。ただし,0δπ2radとする。

【ワンポイント解説】

一種としては比較的易しい問題に分類されると思います。等価回路とベクトル図を描いて落ち着いて解くようにしましょう。

1.同期電動機の特性曲線
同期電動機の特性曲線は図1のように描けられ,短絡比Ksは次のように定義されます。
Ks=If1If2=IsIn 短絡比Ksと単位法で表した同期インピーダンスZsとの関係は,
Ks=IsIn=Vn3ZsIn=Vn3ZsIn=1Zs[p.u.] となります。

【解答】

(1)単位法表示の同期リアクタンスXS [p.u.]
電機子抵抗を無視できるので,ワンポイント解説「1.同期電動機の特性曲線」より,
Xs[p.u.]=1Ks=10.5=2 [p.u.] と求められる。

(2)有効電力P [p.u.]の式を導出,Esinδが一定であることを示す
力率をcosϕとして,題意に沿って等価回路とベクトル図を描くと図2及び図3の通りとなる。
図3のベクトル図より,
Esinδ=XsIcosϕIcosϕ=EsinδXs となり,P=VIcosϕであるので,
P=VIcosϕ=EVsinδXs と求められる。これより,
Esinδ=PXsV となり,周波数が一定であればXsも一定であり,P及びVも一定なので,Esinδも一定となる。

(3)無効電力Q [p.u.]の式を導出,Ecosδが一定であることを示す
図3のベクトル図より,
Ecosδ=V+XsIsinϕIsinϕ=EcosδVXs となり,Q=VIsinϕであるので,
Q=VIsinϕ=VEcosδVXs=EVcosδV2Xs と求められる。これより,
EVcosδV2=QXsEcosδ=QXsV+V となり,周波数が一定であればXsも一定であり,Q及びVも一定なので,Ecosδも一定となる。

(4)Q [p.u.]E [p.u.],出力電流(相電流)I [p.u.]及び力率cosϕの数値を算出
EIfであるから,E=2.0 [p.u.]となる。
(2)より,
P=EVsinδXs0.5=2×1×sinδ2sinδ=12 となるから,cosδ=32となるので,
Q=EVcosδV2Xs=2×1×32120.36603  0.366 [p.u.] と求められる。P及びQより,
cosϕ=PP2+Q2=0.50.52+0.3660320.80689  0.807 [p.u.] と求められる。P=VIcosϕであるから,
I=PVcosϕ=0.51×0.806890.61966  0.620 [p.u.] と求められる。



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