《法規》〈労働安全衛生規則〉[H26:問3]停電作業を行う際に講じられる措置に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

次の文章は,高圧における停電作業で,電路又はその支持物の敷設,点検,修理等の電気工事の作業を行う場合に講じられている措置に関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選びなさい。

a.停電作業中,停電に用いた開閉器を操作しないようにするため,次のいずれかの措置を講じる。

① 停電に用いた開閉器に作業中は\( \ \fbox {  (1)  } \ \)する。

② その開閉器の箇所に通電禁止に関する所要事項を表示する。

③ その開閉器の場所に監視する人を置く。

b.停電作業を行う場合,停電しているか否かの判断を誤ると,人命にもかかわる重大な災害が発生することになるので,電路が停止したとの連絡を受けた作業者は着手する前に必ず\( \ \fbox {  (2)  } \ \)により無電圧であることを確認する。

c.電路に\( \ \fbox {  (3)  } \ \),電力コンデンサなどが設置されている場合,これを開路したときには,\( \ \fbox {  (4)  } \ \)によって感電の危険を生じるおそれがあるので,作業着手前に,安全な方法によりこれを確実に放電させる。

d.誤通電,他の電路との混触又は他の電路からの誘導による感電の危険を防止するため,作業者は絶縁用保護具を着用し,また,必要な箇所に\( \ \fbox {  (5)  } \ \)を取り付ける。

〔問3の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 施 錠     &(ロ)& 解 錠     &(ハ)& 検 電 \\[ 5pt ] &(ニ)& 絶縁シート     &(ホ)& 目視確認     &(ヘ)& 短絡接地器具 \\[ 5pt ] &(ト)& リアクトル     &(チ)& 漏れ電流     &(リ)& 着 色 \\[ 5pt ] &(ヌ)& 残留電荷     &(ル)& 電力ケーブル     &(ヲ)& 変流器 \\[ 5pt ] &(ワ)& 誘導電流     &(カ)& 検 相     &(ヨ)& 隔離シート \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

労働安全衛生規則からの出題なので,ほぼすべての受験者が勉強範囲外であると思います。ただし,電力や機械科目をよく習熟されている方であれば,類推して解くことができると思います。また,業務で工事をやられている方であればある程度有利であると思います。

【解答】

(1)解答:イ
労働安全衛生規則第339条第1項の1に規定されている通り,施錠となります。

(2)解答:ハ
労働安全衛生規則第339条第1項の3に規定されている通り,検電となります。無電圧を確認するものを検電器と言いますので,よく覚えておきましょう。

(3)解答:ル
労働安全衛生規則第339条第1項の2に規定されている通り,電力ケーブルとなります。ケーブルは静電容量が大きい(架空送電線の40倍程度)ため,残留電荷がある可能性があります。

(4)解答:ヌ
労働安全衛生規則第339条第1項の2に規定されている通り,残留電荷となります。

(5)解答:ヘ
労働安全衛生規則第339条第1項の3に規定されている通り,短絡接地器具となります。

<労働安全衛生規則第339条>

事業者は、電路を開路して、当該電路又はその支持物の敷設、点検、修理、塗装等の電気工事の作業を行なうときは、当該電路を開路した後に、当該電路について、次に定める措置を講じなければならない。当該電路に近接する電路若しくはその支持物の敷設、点検、修理、塗装等の電気工事の作業又は当該電路に近接する工作物(電路の支持物を除く。以下この章において同じ。)の建設、解体、点検、修理、塗装等の作業を行なう場合も同様とする。

一 開路に用いた開閉器に、作業中、(1)施錠し、若しくは通電禁止に関する所要事項を表示し、又は監視人を置くこと。

二 開路した電路が(3)電力ケーブル、電力コンデンサー等を有する電路で、(4)残留電荷による危険を生ずるおそれのあるものについては、安全な方法により当該残留電荷を確実に放電させること。

三 開路した電路が高圧又は特別高圧であつたものについては、(2)検電器具により停電を確認し、かつ、誤通電、他の電路との混触又は他の電路からの誘導による感電の危険を防止するため、(5)短絡接地器具を用いて確実に短絡接地すること。

2 事業者は、前項の作業中又は作業を終了した場合において、開路した電路に通電しようとするときは、あらかじめ、当該作業に従事する労働者について感電の危険が生ずるおそれのないこと及び短絡接地器具を取りはずしたことを確認した後でなければ、行なつてはならない。



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