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【問題】
【難易度】★★★★☆(やや難しい)
次の文章は,太陽電池発電設備に関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
\( \ \mathrm {a)} \ \)出力\( \ 2 \ 000 \ \mathrm {kW} \ \)未満の太陽電池発電設備は,その出力規模や接続形態などにより下記①~③に分類される。
① 出力が\( \ \fbox { (1) } \ \mathrm {kW} \ \)未満のもので,一般用電気工作物であるもの。
② 出力が\( \ \fbox { (1) } \ \mathrm {kW} \ \)以上\( \ \fbox { (2) } \ \mathrm {kW} \ \)未満のもので,小規模事業用電気工作物であるもの。
③ 上記②に該当しない,事業用工作物に該当するもの。
\( \ \mathrm {b)} \ \)太陽電池発電設備のうち上記\( \ \fbox { (3) } \ \)のものについては,主務省令で定める技術基準に適合している必要がある。
\( \ \mathrm {c)} \ \)太陽電池発電設備のうち上記\( \ \fbox { (4) } \ \)のものについては,使用の開始前に主務省令で定める技術基準に適合することを自ら確認し,その結果を届け出る義務がある。
\( \ \mathrm {d)} \ \)太陽電池発電設備のうち上記\( \ \fbox { (5) } \ \)のものについては,主任技術者を選任しなくてもよい。
〔問5の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 1 &(ロ)& ① \\[ 5pt ]
&(ハ)& 5 &(ニ)& ② \\[ 5pt ]
&(ホ)& 10 &(ヘ)& ③ \\[ 5pt ]
&(ト)& 20 &(チ)& ①及び② \\[ 5pt ]
&(リ)& 30 &(ヌ)& ①及び③ \\[ 5pt ]
&(ル)& 50 &(ヲ)& ②及び③ \\[ 5pt ]
&(ワ)& 100 &(カ)& ①~③全て \\[ 5pt ]
&(ヨ)& 500 && \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
【ワンポイント解説】
電気事業法における太陽電池発電設備の取扱いに関する問題です。
近年の法改正で小規模事業用電気工作物の区分ができ,届出等が複雑化した内容です。
もちろん条文を追っていっても良いですが,図1のように整理した方が覚えやすいかなと思いますので,参考にしてみて下さい。

【解答】
(1)解答:ホ
電気事業法第38条第1項第2号イ,第3項第1号イ及び電気事業法施行規則第48条第4項第1号の通り,\( \ 10 \ \mathrm {kW} \ \)となります。
(2)解答:ル
電気事業法第38条第1項第2号イ,第3項第1号イ及び電気事業法施行規則第48条第2項第1号の通り,\( \ 50 \ \mathrm {kW} \ \)となります。
(3)解答:カ
電気事業法第39条第1項及び第56条第1項の通り,①~③全て技術基準に適合している必要があります。
(4)解答:ヲ
電気事業法第39条第1項及び第56条第1項の通り,法第39条に該当する②及び③が使用の開始前に主務省令で定める技術基準に適合することを自ら確認し,その結果を届け出る義務があります。
(5)解答:チ
電気事業法第43条第1項の通り,事業用電気工作物に該当しない①及び②が主任技術者を選任しなくてもよいことになります。
<電気事業法第38条>
この法律において「一般用電気工作物」とは,次に掲げる電気工作物であって,構内(これに準ずる区域内を含む。以下同じ。)に設置するものをいう。ただし、小規模発電設備(低圧(経済産業省令で定める電圧以下の電圧をいう。第一号において同じ。)の電気に係る発電用の電気工作物であつて、経済産業省令で定めるものをいう。以下同じ。)以外の発電用の電気工作物と同一の構内に設置するもの又は爆発性若しくは引火性の物が存在するため電気工作物による事故が発生するおそれが多い場所として経済産業省令で定める場所に設置するものを除く。
一 電気を使用するための電気工作物であって,低圧受電電線路(当該電気工作物を設置する場所と同一の構内において低圧の電気を他の者から受電し、又は他の者に受電させるための電線路をいう。次号ロ及び第三項第一号ロにおいて同じ。)以外の電線路によりその構内以外の場所にある電気工作物と電気的に接続されていないもの
二 小規模発電設備であって,次のいずれにも該当するもの
イ (1)(2)出力が経済産業省令で定める出力未満のものであること。
ロ 低圧受電電線路以外の電線路によりその構内以外の場所にある電気工作物と電気的に接続されていないものであること。
三 前二号に掲げるものに準ずるものとして経済産業省令で定めるもの
2 この法律において「事業用電気工作物」とは,一般用電気工作物以外の電気工作物をいう。
3 この法律において「小規模事業用電気工作物」とは,事業用電気工作物のうち,次に掲げる電気工作物であって,構内に設置するものをいう。ただし,第1項ただし書に規定するものを除く。
一 小規模発電設備であって,次のいずれにも該当するもの
イ (1)(2)出力が第一項第二号イの経済産業省令で定める出力以上のものであること。
ロ 低圧受電電線路以外の電線路によりその構内以外の場所にある電気工作物と電気的に接続されていないものであること。
二 前号に掲げるものに準ずるものとして経済産業省令で定めるもの
4 この法律において「自家用電気工作物」とは,次に掲げる事業の用に供する電気工作物及び一般用電気工作物以外の電気工作物をいう。
一 一般送配電事業
二 送電事業
三 配電事業
四 特定送配電事業
五 発電事業であつて、その事業の用に供する発電等用電気工作物が主務省令で定める要件に該当するもの
<電気事業法施行規則第48条(抜粋)>
法第38条第1項ただし書の経済産業省令で定める電圧は,\( \ 600 \ \mathrm {V} \ \)とする。
2 法第38条第1項ただし書の経済産業省令で定める発電用の電気工作物は,次のとおりとする。ただし,次の各号に定める設備であって,同一の構内に設置する次の各号に定める他の設備と電気的に接続され,それらの設備の出力の合計が\( \ 50 \ \mathrm {kW} \ \)以上となるものを除く。
一 (2)太陽電池発電設備であって出力\( \ \color {red}{\underline {50 \ \mathrm {kW}}} \ \)未満のもの
4 法第38条第1項第二号イの経済産業省令で定める出力は、次の各号に掲げる設備の区分に応じ、当該各号に定める出力とする。
一 (1)太陽電池発電設備 \( \ \color {red}{\underline {10 \ \mathrm {kW}}} \ \)(2以上の太陽電池発電設備を同一構内に、かつ、電気的に接続して設置する場合にあっては、当該太陽電池発電設備の出力の合計が\( \ 10 \ \mathrm {kW} \ \))
<電気事業法第39条>
(3)(4)事業用電気工作物を設置する者は,事業用電気工作物を主務省令で定める技術基準に適合するように維持しなければならない。
2 前項の主務省令は,次に掲げるところによらなければならない。
一 事業用電気工作物は,人体に危害を及ぼし,又は物件に損傷を与えないようにすること。
二 事業用電気工作物は,他の電気的設備その他の物件の機能に電気的又は磁気的な障害を与えないようにすること。
三 事業用電気工作物の損壊により一般送配電事業者又は配電事業者の電気の供給に著しい支障を及ぼさないようにすること。
四 事業用電気工作物が一般送配電事業又は配電事業の用に供される場合にあっては,その事業用電気工作物の損壊によりその一般送配電事業又は配電事業に係る電気の供給に著しい支障を生じないようにすること。
<電気事業法第42条(抜粋)>
事業用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く。以下この款において同じ。)を設置する者は,事業用電気工作物の工事,維持及び運用に関する保安を確保するため,主務省令で定めるところにより,保安を一体的に確保することが必要な事業用電気工作物の組織ごとに保安規程を定め,当該組織における事業用電気工作物の使用(第51条第1項又は第52条第1項の自主検査を伴うものにあっては,その工事)の開始前に,主務大臣に届け出なければならない。
<電気事業法第43条(抜粋)>
(5)事業用電気工作物を設置する者は,事業用電気工作物の工事,維持及び運用に関する保安の監督をさせるため,主務省令で定めるところにより,主任技術者免状の交付を受けている者のうちから,主任技術者を選任しなければならない。
2 自家用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く。)を設置する者は,前項の規定にかかわらず,主務大臣の許可を受けて,主任技術者免状の交付を受けていない者を主任技術者として選任することができる。
<電気事業法第56条(抜粋)>
(3)(4)経済産業大臣は,一般用電気工作物が経済産業省令で定める技術基準に適合していないと認めるときは,その所有者又は占有者に対し,その技術基準に適合するように一般用電気工作物を修理し,改造し,若しくは移転し,若しくはその使用を一時停止すべきことを命じ,又はその使用を制限することができる。