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【問題】
【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)
地球温暖化の主な原因の一つといわれる二酸化炭素の排出量削減が,国際的な課題となっている。発電時の発生電力量当たりの二酸化炭素排出量が少ない順に発電設備を並べたものとして,正しいのは次のうちどれか。
ただし,発電所の記号を次のとおりとし,ここでは,汽力発電所の発電効率は同ーであるとする。
\( \ \mathrm {a.} \ \)原子力発電所
\( \ \mathrm {b.} \ \)\( \ \mathrm {LNG} \ \)燃料を用いたコンバインドサイクル発電所
\( \ \mathrm {c.} \ \)石炭専焼汽力発電所
\( \ \mathrm {d.} \ \)重油専焼汽力発電所
(1) \( \ \mathrm {a \ < \ b \ < \ c \ < \ d} \ \)
(2) \( \ \mathrm {a \ < \ d \ < \ c \ < \ b} \ \)
(3) \( \ \mathrm {b \ < \ a \ < \ d \ < \ c} \ \)
(4) \( \ \mathrm {a \ < \ b \ < \ d \ < \ c} \ \)
(5) \( \ \mathrm {b \ < \ a \ < \ c \ < \ d} \ \)
【ワンポイント解説】
火力発電所及び原子力発電所の二酸化炭素排出量の違いに関する問題です。
二酸化炭素は温室効果ガスの一つで,排出量の多さから地球温暖化の原因となっています。\( \ 2010 \ \)年代からは太陽光をはじめとする新エネルギー発電の割合が増えた等の理由から日本の二酸化炭素排出量は減ってきています。
1.電源別の二酸化炭素排出量の違い
各電源の二酸化炭素排出量は下図のようになります。
燃焼を伴う汽力発電では\( \ 1 \ \mathrm {kW\cdot h} \ \)当たりの二酸化炭素排出量が多く,特に石炭火力発電では多くなります。
コンバインドサイクル発電は熱効率が一般の汽力発電より高いため,\( \ 1 \ \mathrm {kW\cdot h} \ \)当たりの二酸化炭素排出量は汽力発電より少なくなります。
原子力発電は発電時に二酸化炭素は排出しませんが,発電所建設や原子燃料サイクルにおける再処理工場等の各工場では二酸化炭素を排出します。
太陽光や風力等の新エネルギー発電も発電時に二酸化炭素を排出しませんが,発電設備製造時等は二酸化炭素を排出します。
出典:電⼒中央研究所「⽇本の発電技術のライフサイクルCO2排出量総合評価」(2016年7⽉)を基に資源エネルギー庁が加⼯したものを引用
URL:https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/2024/058/058_004.pdf
【解答】
解答:(4)
ワンポイント解説「1.電源別の二酸化炭素排出量の違い」の通り,二酸化炭素排出量を少ない順に並べると,
\( \ \mathrm {a.} \ \)原子力発電所 < \( \ \mathrm {b.} \ \)\( \ \mathrm {LNG} \ \)燃料を用いたコンバインドサイクル発電所 < \( \ \mathrm {d.} \ \)重油専焼汽力発電所 < \( \ \mathrm {c.} \ \)石炭専焼汽力発電所
となります。