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【問題】
【難易度】★★★☆☆(普通)
「電気設備技術基準」では,低圧電線路の絶縁性能として,「低圧電線路中絶縁部分の電線と大地との間及び電線の線心相互間の絶縁抵抗は,使用電圧に対する漏えい電流が最大供給電流の\( \ \fbox { (ア) } \ \)を超えないようにしなければならない。」と規定している。
いま,定格容量\( \ 75 \ \mathrm {[kV\cdot A]} \ \),一次電圧\( \ 6 \ 600 \ \mathrm {[V]} \ \),二次電圧\( \ 105 \ \mathrm {[V]} \ \)の単相変圧器に接続された単相\( \ 2 \ \)線式\( \ 105 \ \mathrm {[V]} \ \)\( \ 1 \ \)回線の低圧架空配電線路について,上記規定に基づく,この配電線路の電線\( \ 1 \ \)線当たりの漏えい電流\( \ \mathrm {[A]} \ \)の許容最大値を求めることとする。
上記の記述中の空白箇所(ア)に当てはまる語句と漏えい電流\( \ \mathrm {[A]} \ \)の許容最大値との組合せとして,最も適切なのは次のうちどれか。
\[
\begin{array}{ccc}
& (ア) & 漏えい電流 \ \mathrm {[A]} \ の許容最大値 \\
\hline
(1) & 1 \ 000 \ 分の \ 1 & 0.714 \\
\hline
(2) & 1 \ 000 \ 分の \ 1 & 1.429 \\
\hline
(3) & 1 \ 500 \ 分の \ 1 & 0.476 \\
\hline
(4) & 2 \ 000 \ 分の \ 1 & 0.357 \\
\hline
(5) & 2 \ 000 \ 分の \ 1 & 0.179 \\
\hline
\end{array}
\]
【ワンポイント解説】
電気設備に関する技術基準を定める省令第22条とそれに関連する計算問題です。
法規の\( \ \mathrm {A} \ \)問題として計算を組み合わせることは少ないため,受験生を悩ませた問題かと思います。一度理解してしまえば問題なく解けるようになりますので,ここで理解しておくようにしましょう。
【解答】
解答:(4)
(ア)
電気設備に関する技術基準を定める省令第22条の通り,「\( \ 2 \ 000 \ \)分の\( \ 1 \ \)」となります。
漏えい電流\( \ \mathrm {[A]} \ \)の許容最大値
定格容量\( \ P_{n}=75 \ \mathrm {[kV\cdot A]} \ \),二次電圧\( \ V_{2}=105 \ \mathrm {[V]} \ \)より,二次電流の最大値\( \ I_{2} \ \mathrm {[A]} \ \)は,
\[
\begin{eqnarray}
I_{2} &=&\frac {P_{n}}{V_{2}} \\[ 5pt ]
&=&\frac {75\times 10^{3}}{105} \\[ 5pt ]
&≒&714.3 \ \mathrm {[A]} \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
となるから,電線\( \ 1 \ \)線当たりの漏えい電流の許容最大値\( \ I_{l} \ \mathrm {[A]} \ \)は,
\[
\begin{eqnarray}
I_{l} &=&\frac {I_{2}}{2 \ 000} \\[ 5pt ]
&=&\frac {714.3}{2 \ 000} \\[ 5pt ]
&≒&0.357 \ \mathrm {[A]} \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
と求められる。
<電気設備に関する技術基準を定める省令第22条>
低圧電線路中絶縁部分の電線と大地との間及び電線の線心相互間の絶縁抵抗は,使用電圧に対する漏えい電流が最大供給電流の(ア)\( \ \color {red} {\underline {2 \ 000}} \ \)分の\( \ \color {red} {\underline {1}} \ \)を超えないようにしなければならない。