【問題】
【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)
次の文章は,「電気設備技術基準」及び「電気設備技術基準の解釈」における支持物の倒壊の防止に関する記述の一部である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
a 架空電線路又は架空電車線路の支持物の材料及び構造(支線を施設する場合は,当該支線に係るものを含む。)は,その支持物が支持する電線等による引張荷重,風速\( \ \fbox { (1) } \ \mathrm {m/s} \ \)の風圧荷重及び当該設置場所において通常想定される\( \ \fbox { (2) } \ \),振動,衝撃その他の外部環境の影響を考慮し,倒壊のおそれがないよう,安全なものでなければならない。ただし,\( \ \fbox { (3) } \ \)に施設する架空電線路にあっては,その施設場所を考慮して施設する場合は,風速\( \ \fbox { (1) } \ \mathrm {m/s} \ \)の風圧荷重の\( \ 2 \ \)分の\( \ 1 \ \)の風圧荷重を考慮して施設することができる。
b \( \ \fbox { (4) } \ \)の支持物は,構造上安全なものにすること等により連鎖的に倒壊のおそれがないように施設しなければならない。
c 異常時想定荷重とは,\( \ \fbox { (5) } \ \)を考慮する場合の荷重であって,風圧が電線路に直角の方向に加わる場合と電線路に平行な方向に加わる場合とについて,それぞれ「電気設備技術基準の解釈」に規定された組み合わせの荷重を計算し,各部材について,その部材に大きい応力を生じさせる方の荷重である。
d 架空電線路の支持物として使用する,\( \ \fbox { (6) } \ \)鉄筋コンクリート柱,\( \ \fbox { (6) } \ \)鉄柱及び鉄塔は,架空電線路の使用電圧及び支持物の種類に応じ,下表に規定する荷重に耐える強度を有するものであること。
e 臨時電線路の施設においては,架空電線路の支持物として使用する鉄塔であって,使用期間が\( \ \fbox { (8) } \ \)以内のものは,支線を用いてその強度を分担させることができる。
〔問6の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 60 &(ロ)& 地形的条件 \\[ 5pt ]
&(ハ)& 特別高圧架空電線路又は高圧架空電線路 &(ニ)& 40 \\[ 5pt ]
&(ホ)& \mathrm {A} \ 種 &(ヘ)& 架渉線の切断 \\[ 5pt ]
&(ト)& 3 \ 月 &(チ)& 特別高圧架空電線路 \\[ 5pt ]
&(リ)& 気象の変化 &(ヌ)& 1 \ 年 \\[ 5pt ]
&(ル)& \frac {1}{2} &(ヲ)& 架空電線路 \\[ 5pt ]
&(ワ)& 異常積雪 &(カ)& 6 \ 月 \\[ 5pt ]
&(ヨ)& 人家が多く連なっている場所 &(タ)& 人が容易に立ち入らない場所\\[ 5pt ]
&(レ)& \frac {2}{3} &(ソ)& \mathrm {B} \ 種 \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
【ワンポイント解説】
電気設備に関する技術基準を定める省令第32条,電気設備技術基準の解釈第58条,第59条,第133条からの出題で,支持物の倒壊の防止に関する条文の横断的な問題となっています。ただし,この年は台風による鉄塔の倒壊の被害があった年で連日想定風速等ニュースで報道されていたので,比較的解けた受験生は多かったのではと思います。重要度の高い条文なので,中身をよく理解しておくようにしましょう。
【解答】
(1)解答:ニ
電気設備に関する技術基準を定める省令第32条第1項の通り,「\( \ 40 \ \mathrm {m/s} \ \)」となります。
(2)解答:リ
電気設備に関する技術基準を定める省令第32条第1項の通り,「気象の変化」となります。
(3)解答:ヨ
電気設備に関する技術基準を定める省令第32条第1項の通り,「人家が多く連なっている場所」となります。
(4)解答:ヲ
電気設備に関する技術基準を定める省令第32条第2項の通り,「架空電線路」となります。
※ 法改正に伴い解答を(チ)→(ヲ)に変更しています。
(5)解答:ヘ
電気設備技術基準の解釈第58条第1項の6の通り,「架渉線の切断」となります。
(6)解答:ソ
電気設備技術基準の解釈第59条第4項の通り,「\( \ \mathrm {B} \ \)種」となります。
(7)解答:レ
電気設備技術基準の解釈第59条59-7表の通り,「\( \ \displaystyle \frac {2}{3} \ \)倍」となります。
(8)解答:カ
電気設備技術基準の解釈第133条第1項の通り,「\( \ 6 \ \)月」となります。
<電気設備に関する技術基準を定める省令第32条>
架空電線路又は架空電車線路の支持物の材料及び構造(支線を施設する場合は、当該支線に係るものを含む。)は、その支持物が支持する電線等による引張荷重、風速(1)四十メートル毎秒の風圧荷重及び当該設置場所において通常想定される(2)気象の変化、振動、衝撃その他の外部環境の影響を考慮し、倒壊のおそれがないよう、安全なものでなければならない。ただし、(3)人家が多く連なっている場所に施設する架空電線路にあっては、その施設場所を考慮して施設する場合は、風速(1)四十メートル毎秒の風圧荷重の二分の一の風圧荷重を考慮して施設することができる。
2 (4)架空電線路の支持物は、構造上安全なものとすること等により連鎖的に倒壊のおそれがないように施設しなければならない。
<電気設備技術基準の解釈第58条(抜粋)>
五 常時想定荷重 架渉線の切断を考慮しない場合の荷重であって、風圧が電線路に直角の方向に加わる場合と電線路に平行な方向に加わる場合とについて、それぞれ58-4表に示す組合せによる荷重が同時に加わるものとして荷重を計算し、各部材について、その部材に大きい応力を生じさせる方の荷重
六 異常時想定荷重 (5)架渉線の切断を考慮する場合の荷重であって、風圧が電線路に直角の方向に加わる場合と電線路に平行な方向に加わる場合とについて、それぞれ58-4表に示す組合せによる荷重が同時に加わるものとして荷重を計算し、各部材について、その部材に大きい応力を生じさせる方の荷重
七 異常着雪時想定荷重 降雪の多い地域における着雪を考慮した荷重であって、風圧が電線路に直角の方向に加わる場合と電線路に平行な方向に加わる場合とについて、それぞれ58-4表に示す組み合わせによる荷重が同時に加わるものとして荷重を計算し、各部材について、その部材に大きい応力を生じさせる方の荷重
※1:鉄筋コンクリート柱については、腕金類を含む。
※2:電線路に著しい垂直角度がある場合に限る。
※3:鉄筋コンクリート柱又は鉄柱で支線を用いる場合に限る。
※4:乙種風圧荷重を用いる場合に限る。
※5:引留め型又は耐張型の鉄筋コンクリート柱、鉄柱又は鉄塔において、架渉線の配置が対称でない場合に限る。
※6:引留め型、耐張型又は補強型の鉄筋コンクリート柱、鉄柱又は鉄塔の場合に限る。
(備考) 〇は、該当することを示す。
<電気設備技術基準の解釈第59条(抜粋)>
4 架空電線路の支持物として使用する、(6)B種鉄筋コンクリート柱、(6)B種鉄柱及び鉄塔は、架空電線路の使用電圧及び支持物の種類に応じ、59-7表に規定する荷重に耐える強度を有するものであること。
59-7表
<電気設備技術基準の解釈第133条(抜粋)>
架空電線路の支持物として使用する鉄塔であって、使用期間が(8)6月以内のものは、第59条第7項の規定によらず、支線を用いてその強度を分担させることができる。