【問題】
【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく,特別高圧の機械器具の施設に関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
a) 特別高圧の機械器具(これに附属する特別高圧電線であって,ケーブル以外のものを含む。以下同じ。)は,次の(a),(b)又は(c)により施設することができる。ただし,発電所又は変電所,開閉所若しくはこれらに準ずる場所に施設する場合,又は電気集じん応用装置若しくはエックス線発生装置に関する規定により施設する場合はこの限りでない。
(a) \( \ \fbox { (1) } \ \)であって,\( \ \fbox { (2) } \ \)以外の者が出入りできないように措置した場所に施設すること。
(b) 次により施設すること。
① 人が触れるおそれがないように,機械器具の周囲に適当なさくを設けること。
② ①により施設するさくの高さと,当該さくから機械器具の充電部分までの距離との和を,別表に規定する値以上とすること。
③ \( \ \fbox { (3) } \ \)である旨の表示をすること。
(c) 機械器具を地表上\( \ 5 \ \mathrm {m} \ \)以上の高さに施設し,充電部分の地表上の高さを別表に規定する値以上とし,かつ,人が触れるおそれがないように施設すること。
別表
\[
\begin{array}{|l|c|}
\hline
使用電圧の区分 & {\displaystyle さくの高さとさくから充電部分までの}\atop {\displaystyle 距離との和又は地表上の高さ } \\
\hline
35 \ 000 \ \mathrm {V} \ 以下 & 5 \ \mathrm {m} \\
\hline
35 \ 000 \ \mathrm {V} \ を超え \ 160 \ 000 \ \mathrm {V} \ 以下 & 6 \ \mathrm {m} \\
\hline
160 \ 000 \ \mathrm {V} \ 超過 & \left( 6+c\right) \ \mathrm {m} \\
\hline
\end{array}
\]
(備考)\( \ c \ \)は,使用電圧を\( \ 160 \ 000 \ \mathrm {V} \ \)の差を\( \ 10 \ 000 \ \mathrm {V} \ \)で除した値(小数点
以下を切り上げる。)に\( \ 0.12 \ \)を乗じたもの。
b) a)の記述に基づき,図に示すように,特別高圧の機械器具の周囲に施設した高さ\( \ d_{1} \ \)のさくと,さくから機械器具の充電部分までの距離との和\( \ d \ \)は,\( \ d=d_{1}+ \ \fbox { (4) } \ \)で表される。また,使用電圧が\( \ 220 \ 000 \ \mathrm {V} \ \)の機械器具を周囲にさくを設けないで地表上\( \ 5.5 \ \mathrm {m} \ \)の高さに施設する場合,充電部分の地表上の高さは\( \ \fbox { (5) } \ \mathrm {m} \ \)以上とし,かつ,人が触れるおそれがないように施設しなければならない。
〔問2の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 8.64 &(ロ)& 構内 &(ハ)& 危険 \\[ 5pt ]
&(ニ)& 電気主任技術者 &(ホ)& 施錠中 &(ヘ)& 7.92 \\[ 5pt ]
&(ト)& 屋内 &(チ)& 高電圧 &(リ)& 設置者 \\[ 5pt ]
&(ヌ)& d_{2} &(ル)& 屋外 &(ヲ)& 取扱者 \\[ 5pt ]
&(ワ)& d_{3} &(カ)& 6.72 &(ヨ)& d_{4} \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
【ワンポイント解説】
電気設備の技術基準の解釈第22条からの出題です。
本問では空欄にされていませんが,機械器具の地表上の高さ\( \ 5 \ \mathrm {m} \ \)以上の規定や高圧の規定も出題される可能性があるので,必ず押さえておくようにして下さい。
【解答】
(1)解答:ト
電気設備の技術基準の解釈第22条第1項1号に規定されている通り,屋内となります。
(2)解答:ヲ
電気設備の技術基準の解釈第22条第1項1号に規定されている通り,取扱者となります。
(3)解答:ハ
電気設備の技術基準の解釈第22条第1項2号ハに規定されている通り,危険となります。
(4)解答:ワ
電気設備の技術基準の解釈の解説第22条解説22.1図に規定されている通り,「さくの高さとさくから充電部分までの距離との和」は金属製さくの高さ\( \ d_{1} \ \)とそこから充電部分すなわち金属部分までの距離\( \ d_{3} \ \)の和であるため,\( \ d=d_{1}+ d_{3} \ \)で求められます。
(5)解答:カ
別表の備考より「\( \ c \ \)は,使用電圧を\( \ 160 \ 000 \ \mathrm {V} \ \)の差を\( \ 10 \ 000 \ \mathrm {V} \ \)で除した値(小数点以下を切り上げる。)に\( \ 0.12 \ \)を乗じたもの。」であるので,
\[
\begin{eqnarray}
c &=& \frac {220 \ 000-160 \ 000}{10 \ 000} \times 0.12 \\[ 5pt ]
&=& 0.72 \ \mathrm {[m]} \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
となり,地表上の高さは\( \ 6+c=6.72 \ \mathrm {[m]} \ \)と求められる。
<電気設備の技術基準の解釈第22条(抜粋)>
特別高圧の機械器具(これに附属する特別高圧電線であって、ケーブル以外のものを含む。以下この条において同じ。)は、次の各号のいずれかにより施設すること。ただし、発電所又は変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所に施設する場合、又は第191条第1項第二号ただし書若しくは第194条第1項の規定により施設する場合はこの限りでない。
一 (1)屋内であって、(2)取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所に施設すること。
二 次により施設すること。
イ 人が触れるおそれがないように、機械器具の周囲に適当なさくを設けること。
ロ イの規定により施設するさくの高さと、当該さくから機械器具の充電部分までの距離との和を、22-1表に規定する値以上とすること。
ハ (3)危険である旨の表示をすること。
三 機械器具を地表上\( \ 5 \ \mathrm {m} \ \)以上の高さに施設し、充電部分の地表上の高さを22-1表に規定する値以上とし、かつ、人が触れるおそれがないように施設すること。
22-1表
\[
\begin{array}{|l|c|}
\hline
使用電圧の区分 & {\displaystyle さくの高さとさくから充電部分までの}\atop {\displaystyle 距離との和又は地表上の高さ } \\
\hline
35 \ 000 \ \mathrm {V} \ 以下 & 5 \ \mathrm {m} \\
\hline
35 \ 000 \ \mathrm {V} \ を超え \ 160 \ 000 \ \mathrm {V} \ 以下 & 6 \ \mathrm {m} \\
\hline
160 \ 000 \ \mathrm {V} \ 超過 & \left( 6+c\right) \ \mathrm {m} \\
\hline
\end{array}
\]
(備考)\( \ c \ \)は,使用電圧を\( \ 160 \ 000 \ \mathrm {V} \ \)の差を\( \ 10 \ 000 \ \mathrm {V} \ \)で除した値(小数点
以下を切り上げる。)に\( \ 0.12 \ \)を乗じたもの。
四 工場等の構内において、機械器具を絶縁された箱又はA種接地工事を施した金属製の箱に収め、かつ、充電部分が露出しないように施設すること。
五 充電部分が露出しない機械器具に、簡易接触防護措置を施すこと。
<電気設備の技術基準の解釈の解説第22条(抜粋)>
第二号及び第三号は、充電部分の露出した特別高圧の機械器具、例えば、電力線搬送電話、電力線搬送リレー、送電線故障点指示装置等に用いる特別高圧用の結合コンデンサ、第26条の特別高圧配電用変圧器を地上、柱上又は架台に施設する場合について規定している。特別高圧用の機械器具のブッシング及び特別高圧の電気で充電する電線の地表上の高さ又はさくの高さとさくから充電部分までの距離との和(解説22.1図の\( \ d \ \))については、発変電所等のさく、へい等の施設の規定(→第38条)にならっている。