《機械》〈照明〉[H25:問4]光源の発光原理及びエネルギー配分に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

次の文章は,光源の発光原理及びエネルギー配分に関する記述である。文中の\(\fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$}\)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選びなさい。

光を発生させる方法は,二つに大別される。その一つは熱放射であり,物体がある温度にあるとき,その内部の原子,分子,イオンなどの\( \ \fbox {  (1)  } \ \)によって,温度に応じた放射エネルギーを放出する現象である。もう一つは,ルミネセンスであり,物体が,光,放射,電子,電界などのエネルギーを吸収して,原子を構成する電子が励起状態となり,それが元の状態に戻るときに放射エネルギーを放出する現象である。

光源からの放射エネルギーが,単位時間にある面を通過する量を\( \ \fbox {  (2)  } \ \)という。そのうち人の目に入って明るさ感覚を生じさせるのは,おおよそ波長範囲\( \ 380 \ ~ \ 780 \ \mathrm {[nm]} \ \)の可視放射である。この可視放射に対する人の目の分光感度特性を国際的に取り決めたものが\( \ \mathrm {CIE} \ \)標準比視感度であり,それは約\( \ 555 \ \mathrm {[nm]} \ \)に最大の感度をもつ。光束は,この標準比視感度に基づいて\( \ \fbox {  (2)  } \ \)を評価した量であり,単位は\( \ \mathrm {[lm]} \ \)である。

熱放射を利用した代表的な光源は白熱電球である。一般照明に使用されている白熱電球\( \ 100 \ \mathrm {[W]} \ \)は,入力に対して可視放射約\( \ \fbox {  (3)  } \ \mathrm {[%]} \ \),赤外放射約\( \ 72 \ \mathrm {[%]} \ \)であり,光源効率は約\( \ 16 \ \mathrm {[lm/W]} \ \)である。

ルミネセンスを利用した光源には,放電によって発生した紫外放射を\( \ \fbox {  (4)  } \ \)で可視放射に変換した蛍光ランプ,エレクトロルミネセンスを利用した発光ダイオード\( \ \left( \mathrm {LED}\right) \ \)などがある。

古くから使用されている\( \ 40 \ \mathrm {[W]} \ \)一般形白色蛍光ランプは,入力に対する可視放射が約\( \ 25 \ \mathrm {[%]} \ \),赤外放射が約\( \ 30 \ \mathrm {[%]} \ \),損失が約\( \ 45 \ \mathrm {[%]} \ \)であり,光源効率は約\( \ 75 \ \mathrm {[lm/W]} \ \)である。\( \ 1990 \ \)年代に開発された高周波点灯形\( \ \left( \mathrm {Hf}\right) \ \)蛍光ランプは,数十キロヘルツの高周波で点灯して発光効率を高めるとともに電極損失などを低減し,光源効率を\( \ 110 \ \mathrm {[lm/W]} \ \)まで改善している。

近年注目されている白色\( \ \mathrm {LED} \ \)では,電気エネルギーを直接青色光放射に変換し,その青色光放射によって\( \ \fbox {  (5)  } \ \)蛍光体を発光させて白色光を得るものが普及している。このタイプは,入力に対する可視放射は\( \ 27 \ ~ \ 38 \ \mathrm {[%]} \ \)であり,光源効率は\( \ 70 \ ~ \ 110 \ \mathrm {[lm/W]} \ \)である。

〔問4の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 熱ルミネセンス       &(ロ)& 放射照度     &(ハ)& 赤 色 \\[ 5pt ] &(ニ)& 5     &(ホ)& フォトルミネセンス       &(ヘ)& 熱励起 \\[ 5pt ] &(ト)& 10     &(チ)& 熱振動     &(リ)& 放射束 \\[ 5pt ] &(ヌ)& 再結合     &(ル)& 20   &(ヲ)& 緑 色 \\[ 5pt ] &(ワ)& 陰極線ルミネセンス       &(カ)& 黄 色     &(ヨ)& 放射発散度 \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

照明の発光原理に関する問題です。少し細かい部分が出題されている空欄もありますが,全体では電験1種としては易しめの問題と言えると思います。

1.熱放射とルミネセンス
①熱放射
物体に入熱した際,その内部の原子,分子,イオンなどの熱振動によって,温度に応じたエネルギーを放出する現象で,温度放射とも呼びます。白熱電球の仕組みがこの熱放射の代表例となります。

②ルミネセンス
物体が,光,放射,電子,電界などのエネルギーを吸収して,原子を構成する電子が励起状態となり,それが元の状態に戻るときに放射エネルギーを放出する現象です。蛍光灯ランプ,ナトリウムランプ,\( \ \left( \mathrm {LED}\right) \ \)等があります。

2.標準比視感度
人間の光に対する感度を表したものです。下図のように約\( \ 555 \ \mathrm {nm} \ \)を最大値として,波長によって異なる心理物理量を示しています。

【解答】

(1)解答:チ
題意より,解答候補は(ヘ)熱励起,(チ)熱振動,(ヌ)再結合となると思います。ワンポイント解説「1.熱放射とルミネセンス」の通り,熱放射は原子,分子,イオンなどの熱振動によって,温度に応じたエネルギーを放出する現象です。

(2)解答:リ
題意より,解答候補は(ロ)放射照度,(リ)放射束,(ヨ)放射発散度となると思います。光源からの放射エネルギーが,単位時間にある面を通過する量は放射束と言います。放射束を標準比視感度に基づいて評価したのが光束となり,目に見える光量になります。

(3)解答:ト
題意より,解答候補は(ニ)\( \ 5 \ \),(ト)\( \ 10 \ \),(ル)\( \ 20 \ \)となると思います。白熱電球は可視放射は\( \ 10 \ \mathrm {[%]} \ \)と低く,明るさに対して消費電力が大きい特徴があります。

(4)解答:ホ
題意より,解答候補は(イ)熱ルミネセンス,(ホ)フォトルミネセンス,(ワ)陰極線ルミネセンスとなると思います。蛍光灯は下図の通り,紫外線を蛍光塗料で可視光に変換し照らします。これをフォトルミネセンスと呼びます。

(5)解答:カ
題意より,解答候補は(ハ)赤色,(ヲ)緑色,(カ)黄色となると思います。白色\( \ \mathrm {LED} \ \)では,電気エネルギーを直接青色光放射に変換し,その青色光放射によって黄色の蛍光体を発光させて白色光を得るのが一般的です。あとは,光の三原色の赤,緑,青の\( \ \mathrm {LED} \ \)を発光させて白色を得る方法もあります。



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