《機械》〈メカトロニクス〉[R08:問8]メカトロニクス機器の制御に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,メカトロニクス機器の制御に関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。

ファクトリーオートメーションでは,各種工程の自動化のために複雑多様な動作を実現する必要があり,各種センサと各種アクチュエータを組み合わせたメカトロニクス機器に種々の制御が用いられる。具体的には各種センサ等からの入力信号に制御演算を施して各種アクチュエータへの出力信号を決定する。このような制御演算は近年では\( \ \fbox {  (1)  } \ \)を用いて行われることが多い。

各種センサやタイマからの信号を基に,工程の決められた手順に従い順次アクチュエータを駆動する制御方式は\( \ \fbox {  (2)  } \ \)と呼ばれる。また,制御量をセンサで計測し,目標値との偏差が\( \ 0 \ \)になるようアクチュエータを駆動する方式は\( \ \fbox {  (3)  } \ \)と呼ばれる。

正確なモータ角度位置決めが必要な場合,\( \ \fbox {  (4)  } \ \)で制御量を検出して\( \ \fbox {  (3)  } \ \)を行うこともある。\( \ \fbox {  (4)  } \ \)の分解能で角度位置決め精度が決まる。

また,\( \ \fbox {  (5)  } \ \)は\( \ \fbox {  (4)  } \ \)なしでも簡便に角度位置決めができるが,過大な負荷,急加速などで脱調する可能性がある。

〔問8の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 角速度センサ     &(ロ)& 角度センサ     &(ハ)& 加速度センサ \\[ 5pt ] &(ニ)& ステッピングモータ     &(ホ)& 誘導モータ     &(ヘ)& ボイスコイルモータ \\[ 5pt ] &(ト)& フィードフォワード制御        &(チ)& 速度制御     &(リ)& フィードバック制御 \\[ 5pt ] &(ヌ)& マイクロコンピュータ     &(ル)& シーケンス制御       &(ヲ)& 経路生成手法 \\[ 5pt ] &(ワ)& 適応制御     &(カ)& リレー回路     &(ヨ)& アナログ回路 \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

メカトロニクス機器の制御に関する問題です。
本問の内容は自動制御と電動機応用を合わせたような問題で,選択肢を絞り込めばある程度高得点が狙える問題かと思います。あまり出題されないメカトロニクスですが,問題文内にヒントがある空欄もあるので,慌てずに落ち着いて解いていくようにして下さい。

1.自動制御の分類
①フィードバック制御
 制御量と目標値を比較して,それらを一致させるように操作量を決定する制御です。
 例えば汽力発電所の蒸気温度制御や蒸気圧力制御,給水の流量制御等があります。

②フィードフォワード制御
 目標値,外乱等の情報から,操作量を決定する制御です。
 フィードバック制御では外乱が発生してから対応するため,制御動作が遅くなりやすい性質がありますが,フィードフォワード制御により外乱が発生する前に予測し操作量を決定することが可能となります。

③シーケンス制御
 あらかじめ定められた論理回路の順序に従い,各段階を逐次進めていく制御で,以下の二つの種類があります。
 a.リレーシーケンス
  接点を有する電磁継電器を用いたシーケンスで有接点シーケンスともいいます。
 b.ロジックシーケンス
  半導体論理素子をスイッチとして利用したシーケンスで無接点シーケンスともいいます。

2.ステッピングモータ
ステッピングモータは時計の針のようにパルス信号が送られる毎に定められたステップ角度(\( \ 0.72° \ \)や\( \ 1.8° \ \))を回転するモータで,パルスの周波数に比例する回転速度で回転します。回転角度センサを用いなくても,\( \ 1 \ \)ステップ毎の位置が制御できる特徴があります。
回転子の構造の違いで以下の\( \ 3 \ \)種類があります。

①可変リラクタンス形(\( \ \mathrm {VR} \ \)形)
回転子に歯車形の軟磁性体を用いたモータです。最も古くから利用されているステッピングモータで,固定子巻線で励磁され,それに回転子の歯が引き寄せられることによって回転します。


出典:電気工学ハンドブック(第7版) 一般社団法人電気学会 オーム社 P.751

②パーマネントマグネット形(\( \ \mathrm {PM} \ \)形)
回転子に永久磁石を用いたモータです。回転子は歯車の代わりに永久磁石の\( \ \mathrm {N} \ \)極と\( \ \mathrm {S} \ \)極を交互に並べられたような構造をしています。回転子が磁化されていることによって磁束強度が増大されるため、トルク特性が向上し,永久磁石であることから無通電状態でも回転子位置を保持します。


出典:電気工学ハンドブック(第7版) 一般社団法人電気学会 オーム社 P.751

③ハイブリッド形(\( \ \mathrm {HB} \ \)形)
回転子の中央に円筒形の永久磁石を配置し,その両端を歯車状の鉄心で挟み込んだ構造をしています。パーマネントマグネット形よりも,ステップ分解能及びトルク性能に優れた特性を持ちます。


出典:電気工学ハンドブック(第7版) 一般社団法人電気学会 オーム社 P.751

【解答】

(1)解答:ヌ
題意より,解答候補は(ヌ)マイクロコンピュータ,(カ)リレー回路,(ヨ)アナログ回路,等になると思います。
近年ではマイクロコンピュータを用いてソフトウェア的に制御演算を行うのが一般的です。

(2)解答:ル
題意より,解答候補は(ト)フィードフォワード制御,(チ)速度制御,(リ)フィードバック制御,(ル)シーケンス制御,(ワ)適応制御,等になると思います。
ワンポイント解説「1.自動制御の分類」の通り,各種センサやタイマからの信号を基に,工程の決められた手順に従い順次アクチュエータを駆動する制御方式はシーケンス制御となります。

(3)解答:リ
題意より,解答候補は(ト)フィードフォワード制御,(チ)速度制御,(リ)フィードバック制御,(ル)シーケンス制御,(ワ)適応制御,等になると思います。
ワンポイント解説「1.自動制御の分類」の通り,制御量をセンサで計測し,目標値との偏差が\( \ 0 \ \)になるようアクチュエータを駆動する方式はフィードバック制御となります。

(4)解答:ロ
題意より,解答候補は(イ)角速度センサ,(ロ)角度センサ,(ハ)加速度センサ,等になると思います。
正確なモータ角度位置決めが必要な場合,角度センサを用いて制御量を検出し,フィードバック制御を行うことがあります。

(5)解答:ニ
題意より,解答候補は(ニ)ステッピングモータ,(ホ)誘導モータ,(ヘ)ボイスコイルモータ,等になると思います。
ワンポイント解説「2.ステッピングモータ」の通り,ステッピングモータは角度センサなしでも簡便に角度位置決めができます。



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