【問題】
【難易度】★★★★☆(やや難しい)
次の文章は,\( \ \mathrm {MW} \ \)級風力発電装置に関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
発電事業用の風力発電には水平軸・\( \ 3 \ \)枚翼の\( \ \fbox { (1) } \ \)風車が広く用いられている。
我が国で現在広く用いられている風力発電には,風車の回転数をほぼ一定とするものと,風車の回転数を大きく変化させるものがある。
前者には,設備構成が簡素で,\( \ \fbox { (2) } \ \)を電力系統に直接連系するタイプがある。
後者には,風力発電の発電性能向上などを目的とした,次の二つのタイプがある。
①\( \ \fbox { (3) } \ \)の二次巻線を\( \ \fbox { (4) } \ \)方式により励磁するタイプ
②メンテナンスの負担が大きい増速機を省略するために,数十の極を有する発電機に\( \ \fbox { (5) } \ \)を組み合わせるタイプ
〔問6の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 超同期セルビウス &(ロ)& 永久磁石発電機 &(ハ)& ダリウス形 \\[ 5pt ]
&(ニ)& 無効電力補償装置 &(ホ)& リラクタンス発電機 &(ヘ)& 直流発電機 \\[ 5pt ]
&(ト)& プロペラ形 &(チ)& クレーマ &(リ)& 巻線形誘導発電機 \\[ 5pt ]
&(ヌ)& サボニウス形 &(ル)& かご形誘導発電機 &(ヲ)& 同期発電機 \\[ 5pt ]
&(ワ)& \mathrm {BTB} \ 変換装置 &(カ)& ワードレオナード &(ヨ)& 移相変圧器 \\[ 5pt ]
\end{eqnarray}
\]
【ワンポイント解説】
風力発電の特徴を出題したやや重箱の隅をつつくような問題でどちらかというと1種に出題されそうな問題です。風車には様々な型式がありますが,ほとんどがプロペラ形,ダリウス形,サボニウス形で,日本の風力発電所ではプロペラ形が主流となっています。
出典:株式会社エコ・テクノロジーHP
https://eco-technology.jp/world/
【用語の解説】
(イ)超同期セルビウス
周波数変換器により風車の回転数と極数から導かれる周波数を系統周波数に変換する方式で,揚水水力と似たような可変速運転を行うことが可能です。
(ロ)永久磁石発電機
界磁に巻線ではなく永久磁石を用いる発電機で,構造が簡単でスリップリングやブラシといった摺動部がないため,保守が容易であるという特徴があります。
(ニ)無効電力補償装置
進み~遅れまで連続的に無効電力を調整することが可能な装置で,\( \ \mathrm {SVC::Static \ Var \ Compensator} \ \)と呼ばれます。
(ホ)リラクタンス発電機
電機子反作用により円周上の磁気抵抗(リラクタンス)が不均一であることを利用して同期する同期発電機のことをリラクタンス発電機と呼びます。
(ヘ)直流発電機
直流の電力を出力する発電機で,交流で発電した電気を整流子により直流にします。
(チ)クレーマ
誘導機の二次励磁制御の制御方法の一つで,静止セルビウス方式と比較されて紹介されることが多いです。
(ワ)\( \ \mathrm {BTB} \ \)変換装置
交直変換装置を使用する設備のうち,直流送電線を含まず,同一周波数同士を連系するために使用される装置です。
(ヨ)移相変圧器
ループ系統の送電線の片方に使用され,電力の相差角を変化させ送電電力を調整する変圧器です。
【解答】
(1)解答:ト
題意より,解答候補は(ハ)ダリウス形,(ト)プロペラ形,(ヌ)サボニウス形,になると思います。発電事業用に最も普及されているのはプロペラ形となります。
(2)解答:ル
題意より,解答候補は(ロ)永久磁石発電機,(ホ)リラクタンス発電機,(ヘ)直流発電機,(リ)巻線形誘導発電機,(ル)かご形誘導発電機,(ヲ)同期発電機,になると思います。風力発電では,風車の回転数をほぼ一定とする設備構成が簡素で,かご形誘導発電機を電力系統に連系するタイプがあります。
(3)解答:リ
題意より,解答候補は(ロ)永久磁石発電機,(ホ)リラクタンス発電機,(ヘ)直流発電機,(リ)巻線形誘導発電機,(ル)かご形誘導発電機,(ヲ)同期発電機,になると思います。風車の回転数を大きく変化させ,発電性能向上を目的としたタイプには,(リ)巻線形誘導発電機を用いたものがあります。
(4)解答:イ
題意より,解答候補は(イ)超同期セルビウス,(チ)クレーマ,(カ)ワードレオナード,になると思います。風力発電で用いられる励磁方式は超同期セルビウス方式となります。
(5)解答:ワ
題意より,解答候補は(ニ)無効電力補償装置,(ワ)\( \ \mathrm {BTB} \ \)変換装置,(ヨ)移相変圧器,になると思います。メンテナンスの負担が大きい増速機を省略するために,数十の極を有する発電機に\( \ \mathrm {BTB} \ \)変換装置を組み合わせるタイプのものがあります。\( \ \mathrm {BTB} \ \)変換装置を使用することで,電力の供給量をある程度調整できたり,無効電力を調整できたりします。