《電力》〈電気材料〉[H25:問6]主要な燃料電池に関する空欄穴埋問題

Contents

1 【問題】
2 【ワンポイント解説】
3 【解答】

【問題】

【難易度】★★★☆☆（普通）

次の文章は，燃料電池に関する記述である。文中の$ \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ $に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選びなさい。

現在使用されている燃料電池は水素と酸素を反応物（活物質）として外部から連続的に供給し，水の電気分解の逆反応を用いて発電する。低温形の燃料電池には既に多数の実績があるりん酸形燃料電池と$ \ \fbox {　（１）　} \ $形燃料電池があるが，最近では取り扱いの容易な$ \ \fbox {　（１）　} \ $形が家庭用として実用化されている。これらの低温形燃料電池は，取り扱いやすく起動時間が短い長所があるが，廃熱利用用途が限られ，発電効率が低いという短所がある。また，触媒に希少かつ高価な$ \ \fbox {　（２）　} \ $が必要となる。これに対し触媒に$ \ \fbox {　（２）　} \ $を必要としない高温動作の燃料電池である固体酸化物形（固体電解質形）燃料電池が実用化され，家庭用に小形化も進んでいる。固体酸化物形は電解質に$ \ \fbox {　（３）　} \ $系電解質を用い，高効率であり，廃熱温度も高く，廃熱利用用途が広い。

反応物である水素は都市ガスや下水処理場で発生する消化ガス等を用い，$ \ \fbox {　（４）　} \ $で水素に変換して得る。また，燃料電池の出力は直流であるため，$ \ \fbox {　（５）　} \ $を介して交流系統に接続するのが一般的である。

〔問6の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&（イ）&　カーボンナノチューブ　　　　　　　　&（ロ）&　インバータ \\[ 5pt ] &（ハ）&　希土類金属　　　　　　　&（ニ）&　電気分解装置 \\[ 5pt ] &（ホ）&　水酸化物イオン　　　　　　　&（ヘ）&　ルビジウム \\[ 5pt ] &（ト）&　白　金　　　　　　　&（チ）&　改質器 \\[ 5pt ] &（リ）&　溶融炭酸塩　　　　　　　&（ヌ）&　固体高分子 \\[ 5pt ] &（ル）&　圧縮機　　　　　　　&（ヲ）&　ブリッジ整流器 \\[ 5pt ] &（ワ）&　アルカリ電解質　　　　　　&（カ）&　可飽和リアクトル \\[ 5pt ] &（ヨ）&　セラミック \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

分散型電源の普及に伴い，数年に１回程度出題される問題です。なかなか参考書では触れられていない内容ですが，機械科目でも出題される可能性があります。燃料電池の構造と基本的な内容は理解しておくと良いと思います。

1.燃料電池の概念図
燃料電池は燃料極に燃料として水素，空気極に酸素を供給して，化学変化から電気エネルギーを取り出す方法で，正極と負極では以下の反応があります。
\[
\begin{eqnarray}
負極&：&\mathrm {H_{2} → 2H^{+} +2e^{-}} \\[ 5pt ] 正極&：&\mathrm {\frac {1}{2}O_{2} + 2H^{+} +2e^{-} →H_{2}O} \\[ 5pt ] 全体&：&\mathrm {H_{2}+\frac {1}{2}O_{2} →H_{2}O} \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]