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【問題】
【難易度】★★★☆☆(普通)
変電所の接地に関して,次の問に答えよ。
(1) 変電所の接地設計においては,人体にかかる歩幅電圧及び接触電圧を考慮する必要がある。歩幅電圧及び接触電圧について,それぞれ簡潔に説明せよ。
(2) 次の条件における,歩幅電圧及び接触電圧の許容値をそれぞれ求めよ。なお,手の接触抵抗は無視することとする。
(計算条件) 人体に対する電流の許容値:IK=0.116√t [A]片足あたりの大地との抵抗:RF=400 Ω人体の抵抗:RK=1000 Ω事故電流の継続時間:t=1 s
(3) 歩幅電圧又は接触電圧が許容値を若干超えてしまう場合,対策として,取り扱われる機器の周囲の地表の砂利層を厚くすることがある。なぜ効果があるのか簡潔に説明せよ。
【ワンポイント解説】
歩幅電圧と接触電圧を知っているかどうかで明暗が分かれる問題です。実務で扱ったことがある方であれば難なく解けてしまいますが,あまり電験テキストでは記載がない分野なので苦戦した受験生も多かったと思います。
1.歩幅電圧と接触電圧
図1に示すように,接地極に電流が流れた時,両足間に生じる電圧を歩幅電圧,人が構造物に触れ手と足の間に生じる電圧を接触電圧と言います。
【解答】
(1)歩幅電圧及び接触電圧について
(ポイント)
・図1の通り
(試験センター解答例)
歩幅電圧:
接地極に大電流(事故電流)が流れるとき,大地の電位の傾きにより地表面の 2 点間に電位差が生じる。これにより人体の両足間に加わる電圧をいう。
接触電圧:
接地極に大電流(事故電流)が流れるとき,大地の電位の傾きにより,接地した物体とその物体と少し離れた地表面との間に電位差が生じ,接地した物体に人体が接触した場合に人体に加わる電圧をいう。
(2)歩幅電圧及び接触電圧の許容値
題意より,人体に対する電流の許容値 IK は,
IK=0.116√t=0.116√1=0.116 [A]
である。図1の通り歩幅電圧に対する人体の抵抗は, RK+2RF であるので,歩幅電圧の許容値 VK1 は,
VK1=(RK+2RF)IK=(1000+2×400)×0.116≒209 [V]
と求められる。また,接触電圧に対する人体の抵抗は, RK+12RF であるので,接触電圧の許容値 VK2 は,
VK2=(RK+12RF)IK=(1000+12×400)×0.116≒139 [V]
と求められる。
(3)許容値を若干超えてしまう場合,周囲の地表の砂利層を厚くする理由
(ポイント)
・砂利層は抵抗が高いため,これを厚くすることで,足と大地の抵抗 RF を大きくすることが期待できます。
(試験センター解答例)
足の大地との抵抗を大きくすることができるため,歩幅電圧と接触電圧の許容値を大きくすることができる。