《法規》〈電気施設管理〉[H20:問7]分散形電源及びその系統連系に係る技術的な要件に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,分散形電源及びその系統連系に係る技術的な要件に関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切な語句を解答群の中から選び,その記号をマークシートに記入しなさい。

\( \ \mathrm {a}. \ \)太陽光発電や風力発電に代表される自然エネルギーを利用した分散形電源は,エネルギー\( \ \fbox {  (1)  } \ \)が小さく,一般的に小規模であることが多く,気象条件などに影響され出力の変動が大きいことなどの特徴がある。

\( \ \mathrm {b}. \ \)これらの分散形電源が,電力系統に無秩序に連系されると,\( \ \fbox {  (2)  } \ \)面及び電力品質確保などの面から,当該分散形発電設備等の\( \ \fbox {  (3)  } \ \)以外の者及び電力設備に悪影響を及ぼすことがあるため,国は,\( \ \fbox {  (2)  } \ \)に関する技術的な要件を「電気設備技術基準の解釈」で示しており,また,電力品質に関する技術的な要件を「電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン(以下「ガイドライン」という。)」で定めている。

\( \ \mathrm {c}. \ \)ガイドラインに定められている技術要件の一つに,瞬時電圧変動対策がある。風力発電で一般的に使われている誘導発電機は,系統並列時に瞬時電圧低下を引き起こし,系統電圧が所定値を超えるおそれがある。このような場合には,発電設備等の\( \ \fbox {  (3)  } \ \)において\( \ \fbox {  (4)  } \ \)等を設置することが必要であり,また,これにより対応することができない場合には,\( \ \fbox {  (5)  } \ \)を用いるなどの対策が必要である。

〔問7の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 密 度     &(ロ)& 潜在量     &(ハ)& 損 失 \\[ 5pt ] &(ニ)& 保 安     &(ホ)& 同期発電機       &(ヘ)& 負荷時タップ切換装置 \\[ 5pt ] &(ト)& 設置者     &(チ)& 設 計     &(リ)& 分路リアクトル \\[ 5pt ] &(ヌ)& 製 造     &(ル)& 設計者     &(ヲ)& 同期調相機 \\[ 5pt ] &(ワ)& 限流リアクトル       &(カ)& 需要家     &(ヨ)& 補償コンデンサ \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

分散形電源の特徴や技術的な要件及び電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドラインからの総合的な出題です。
各条文やガイドラインの全ての知識を持って正答できれば理想的ですが,太陽光発電や風力発電の特徴や電気機器の知識からある程度推測するような形で正答できれば十分かと思います。

【解答】

(1)解答:イ
題意より解答候補は,(イ)密度,(ロ)潜在量,(ハ)損失,になると思います。
太陽光発電や風力発電に代表される自然エネルギーを利用した分散形電源は,従来の汽力発電等の発電設備と比較するとエネルギー密度が小さいという特徴があります。太陽光発電を見ても非常に広大な土地が必要であることがわかるかと思います。

(2)解答:ニ
題意より解答候補は,(ニ)保安,(チ)設計,(ヌ)製造,等になると思います。
電気事業法では保安規程を定めることにより自主保安を行うことが定められていますが,問題文の内容や電気事業法第39条及び語群から広義的な意味で保安面に関する技術的な要件と判断します。

(3)解答:ト
電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン 第2章 第5節 4.電圧変動・出力変動 (2)瞬時電圧変動対策に規定されている通り,設置者となります。

(4)解答:ワ
電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン 第2章 第5節 4.電圧変動・出力変動 (2)瞬時電圧変動対策に規定されている通り,限流リアクトルとなります。

(5)解答:ホ
電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン 第2章 第5節 4.電圧変動・出力変動 (2)瞬時電圧変動対策に規定されている通り,同期発電機となります。

<電気事業法第39条(抜粋)>
事業用電気工作物を設置する者は,事業用電気工作物を主務省令で定める技術基準に適合するように維持しなければならない。

<電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン(抜粋)>
第2章 連系に必要な技術要件
第5節 特別高圧電線路との連系
4.電圧変動・出力変動
(2)瞬時電圧変動対策
発電等設備の並解列時において,瞬時的に発生する電圧変動に対しても,常時電圧の\( \ ±2 \ \mathrm {%} \ \)を目安に適正な範囲内に発電等設備設置者においてこの瞬時電圧変動を抑制するものとする。

① 同期発電機を用いる場合には,制動巻線付きのもの(制動巻線を有しているものと同等以上の乱調防止効果を有する制動巻線付きでない同期発電機を含む。)とするとともに自動同期検定装置を設置するものとし,二次励磁制御巻線形誘導発電機を用いる場合には,自動同期検定機能を有するものを用いるものとする。また,誘導発電機を用いる場合であって,並列時の瞬時電圧低下により系統の電圧が常時電圧から\( \ ±2 \ \mathrm {%} \ \)程度を超えて逸脱するおそれがあるときは,発電設備(3)設置者において(4)限流リアクトル等を設置するものとする。なお,これにより対応できない場合には,(5)同期発電機を用いる等の対策を行うものとする。



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