《法規》〈電気施設管理〉[H22:問7]特別高圧架空送電線路の保守業務に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

次の文章は,特別高圧架空送電線路(以下「送電線路」という。)の保守業務に関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切な語句を解答群の中から選びなさい。

a.送電線路の保守の目的は,①設備の\( \ \fbox {  (1)  } \ \)と事故の\( \ \fbox {  (2)  } \ \),②迅速な事故復旧,③各種障害の排除などである。この目的を達成するために必要な業務は,大別すると,巡視,点検,\( \ \fbox {  (3)  } \ \)作業,事故処理等に大別できる。

b.「巡視」は,送電線路付近の樹木・家屋など建造物等の接近,地形の変化及び他の工作物の交さ接近状況や設備の\( \ \fbox {  (4)  } \ \)などを見回り,事故の\( \ \fbox {  (2)  } \ \)を図るとともに,設備の\( \ \fbox {  (3)  } \ \)作業に必要な資料を収集する業務である。

c.「点検」は,送電線路が主に支持物,\( \ \fbox {  (5)  } \ \),がいし,その他の附属品等により形成されていることから,巡視では分からない異常の有無を巡視より一歩進んで,これらが健全な状態であるかどうかを,支持物の傾斜・腐食,ボルト・ナットのゆるみ,がいしの絶縁の劣化などを目視及び計測器等により詳細に調査する業務である。

〔問7の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 診 断     &(ロ)& 試 験     &(ハ)& 相間スペーサ \\[ 5pt ] &(ニ)& 波及防止     &(ホ)& 維持・管理     &(ヘ)& 電 線 \\[ 5pt ] &(ト)& 未然防止     &(チ)& 利用率     &(リ)& 故障点標定 \\[ 5pt ] &(ヌ)& 防振用ダンパ       &(ル)& 運転・操作       &(ヲ)& 保 修 \\[ 5pt ] &(ワ)& 外 観     &(カ)& 設計・建設     &(ヨ)& 検 出 \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

送電線路の保守に関する問題です。
ほとんどの受験生が実務で扱ったことがない内容ですが,巡視・点検・保修等はどのような現場に行っても扱う汎用性が高い単語です。
細かい点検内容等は各現場に行ってからでも大丈夫なので,概要を理解しておくようにして下さい。

1.架空送電線の保守
保守の目的は問題文にあるように,①設備の維持・管理と事故の未然防止,②迅速な事故復旧,③各種障害の排除です。大きく分けると以下の業務があります。

①巡視
送電線路の外観などを見回り,異常の早期発見や事故の未然防止を図るとともに,設備の保修作業に必要な資料を収集する業務です。定期的に調査する定期巡視と,台風等が接近する際等事故発生の可能性がある前後等に行う臨時巡視があり,さらに定期巡視には全送電線を対象とする普通巡視と市街地など区間を定めて行う特定巡視があります。

②点検
送電線路が支持物,電線,がいし,その他の附属品等により形成されていることから,巡視では分からない異常の有無等を目視及び計測器等により詳細に調査する業務です。設備全般に対し行う定期点検と,特定の項目について調査する臨時点検があります。

③保修作業
巡視や点検等で見つかった劣化部や損傷部の補修もしくは取替え,設備の維持と事故の未然防止を行うものです。

④事故処理
事故が発生した際に緊急に故障箇所を補修し復旧した上で,事故報告を行うものです。

⑤渉外業務
送電線とその周辺の障害排除のための対外交渉,移動式クレーン等を使用する各種工事の立ち会い等があります。

【解答】

(1)解答:ホ
題意より解答候補は,(イ)診断,(ロ)試験,(ホ)維持・管理,(ル)運転・操作,(ヲ)保修,(カ)設計・建設,等になると思います。
ワンポイント解説「1.架空送電線の保守」の通り,送電線路の保守の目的にあるのは設備の維持・管理です。

(2)解答:ト
題意より解答候補は,(イ)診断,(ニ)波及防止,(ト)未然防止,(リ)故障点標定,(ヲ)保修,(ヨ)検出,等になると思います。
ワンポイント解説「1.架空送電線の保守」の通り,送電線路の保守の目的にあり,巡視を実施するのは事故の未然防止のためです。

(3)解答:ヲ
題意より解答候補は,(イ)診断,(ロ)試験,(リ)故障点標定,(ヲ)保修,等になると思います。
ワンポイント解説「1.架空送電線の保守」の通り,保守業務を大別すると,巡視,点検,保修作業,事故処理等に大別できます。

(4)解答:ワ
題意より解答候補は,(チ)利用率,(ワ)外観,等になると思います。
ワンポイント解説「1.架空送電線の保守」の通り,巡視は設備の外観などを見回り,事故の未然防止や保修作業に必要な資料を収集する業務です。

(5)解答:ヘ
題意より解答候補は,(ハ)相間スペーサ,(ヘ)電線,(ヌ)防振用ダンパ,等になると思います。
ワンポイント解説「1.架空送電線の保守」の通り,送電線路は主に支持物,電線,がいし,その他の附属品などにより形成されています。相間スペーサや防振用ダンパはその他の附属品に含まれるかと思います。



記事下のシェアタイトル