《法規》〈電気設備技術基準〉[H27:問1]発電機及び特別高圧の変圧器の保護装置に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★★☆(やや難しい)

次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく,発電機及び特別高圧の変圧器の保護装置に関する記述の一部である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選びなさい。

a.発電機には,以下に示す場合に,発電機を自動的に電路から遮断する装置を施設すること。

① 発電機に\( \ \fbox {  (1)  } \ \)を生じた場合

② 容量が\( \ \fbox {  (2)  } \ \mathrm {kV\cdot A} \ \)以上の発電機を駆動する水車の圧油装置の油圧又は電動式ガイドベーン制御装置,電動式ニードル制御装置若しくは電動式デフレクタ制御装置の電源電圧が著しく低下した場合

③ 定格出力が\( \ 10000 \ \mathrm {kW} \ \)を超える蒸気タービンにあっては,そのスラスト軸受が著しく\( \ \fbox {  (3)  } \ \)し,又はその温度が著しく上昇した場合

b.特別高圧の変圧器には,次の表の左欄に掲げるバンク容量の区分及び同表中欄に掲げる動作条件に応じ,同表右欄に掲げる装置を施設すること。ただし,変圧器の内部に故障を生じた場合に,当該変圧器の電源となっている発電機を自動的に停止するように施設する場合においては,当該発電機の電路から遮断する装置を設けることを要しない。
\[
\begin{array}{|l|l|l|}
\hline
 変圧器のバンク容量 &   動作条件 &    装置の種類 \\
\hline
5000 \ \mathrm {kV\cdot A}以上   & 変圧器内部故障  & 自動遮断装置又は\fbox {  (5)  } \\
\fbox {  (4)  }\mathrm {kV\cdot A}未満    & & \\
\hline
\fbox {  (4)  }\mathrm {kV\cdot A}以上 & 同上 & 自動遮断装置 \\ \hline
\end{array}
\]

〔問1の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 振 動   &(ロ)& 過速度 \\[ 5pt ] &(ハ)& 500   &(ニ)& 過電流 \\[ 5pt ] &(ホ)& 過電圧   &(ヘ)& 1000 \\[ 5pt ] &(ト)& 20000   &(チ)& 変 形 \\[ 5pt ] &(リ)& 転送遮断装置              &(ヌ)& 10000 \\[ 5pt ] &(ル)& 300   &(ヲ)& 15000 \\[ 5pt ] &(ワ)& 警報装置   &(カ)& 摩 耗 \\[ 5pt ] &(ヨ)& 過負荷保護装置    & &  \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

電気設備技術基準の解釈第42条と第43条からの出題で,保護装置の種類に関する問題です。あまり参考書に記載のある内容ではないですが,保護装置に関する問題は今後も出題される可能性もありますので,理解しておいて下さい。

【解答】

(1)解答:ニ
電気設備技術基準の解釈第42条の通り,「過電流」となります。

(2)解答:ハ
電気設備技術基準の解釈第42条の通り,「\(500 \ \mathrm {kV\cdot A}\)」となります。

(3)解答:カ
電気設備技術基準の解釈第42条の通り,「摩耗」となります。

(4)解答:ヌ
電気設備技術基準の解釈第43条の通り,「\(10000 \ \mathrm {kV\cdot A}\)」となります。

(5)解答:ワ
電気設備技術基準の解釈第43条の通り,「警報装置」となります。

<電気設備技術基準の解釈第42条>
発電機には、次の各号に掲げる場合に、発電機を自動的に電路から遮断する装置を施設すること。

一 発電機に(1)過電流を生じた場合(原子力発電所に施設する非常用予備発電機にあっては、非常用炉心冷却装置が作動した場合を除く。)

二 容量が(2)500kVA以上の発電機を駆動する水車の圧油装置の油圧又は電動式ガイドベーン制御装置、電動式ニードル制御装置若しくは電動式デフレクタ制御装置の電源電圧が著しく低下した場合

三 容量が100kVA以上の発電機を駆動する風車の圧油装置の油圧、圧縮空気装置の空気圧又は電動式ブレード制御装置の電源電圧が著しく低下した場合

四 容量が2,000kVA以上の水車発電機のスラスト軸受の温度が著しく上昇した場合

五 容量が10,000kVA以上の発電機の内部に故障を生じた場合

六 定格出力が10,000kWを超える蒸気タービンにあっては、そのスラスト軸受が著しく(3)摩耗し、又はその温度が著しく上昇した場合

<電気設備技術基準の解釈第43条(抜粋)>
特別高圧の変圧器には、次の各号により保護装置を施設すること。

一 43-1表に規定する装置を施設すること。ただし、変圧器の内部に故障を生じた場合に、当該変圧器の電源となっている発電機を自動的に停止するように施設する場合においては、当該発電機の電路から遮断する装置を設けることを要しない。

              43-1表
\[
\begin{array}{|l|l|l|}
\hline
 変圧器のバンク容量 &   動作条件 &    装置の種類 \\
\hline
5000 \ \mathrm {kV\cdot A}以上   & 変圧器内部故障  & 自動遮断装置又は\color {red}{\underline {(5)警報装置   }} \\
\color {red}{\underline {(4)10000}}\mathrm {kV\cdot A}未満    & & \\
\hline
\color {red}{\underline {(4)10000}}\mathrm {kV\cdot A}以上 & 同上 & 自動遮断装置 \\ \hline
\end{array}
\]



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