《法規》〈電気施設管理〉[R04:問7]電力需給と供給予備力に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,電力需給と供給予備力に関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。

電力需給は,一般に\( \ \fbox {  (1)  } \ \)バランスと\( \ \fbox {  (2)  } \ \)バランスとで表現される。\( \ \fbox {  (1)  } \ \)バランスとは,需要の最大と供給能力を比較するもので,供給能力が需要を上回る分を供給予備力といい,これは供給信頼度に関わるものである。

また,\( \ \fbox {  (2)  } \ \)バランスは,月別・年度別に電力供給量の電源別の分担を決めるもので,発電所の運用計画などに役立てられる。

保有すべき供給予備力は,需給変動,\( \ \fbox {  (3)  } \ \)などを考慮して算出される。このうち,需給変動は,景気変動によって生じる需要変動(持続的需要変動)と,日々の需要変動及び電源の\( \ \fbox {  (4)  } \ \)や出水変動による供給力の低下を含む需給変動(偶発的需給変動)に分類される。\( \ \fbox {  (3)  } \ \)が増強されると,供給量不足時に電力融通が可能となり,増強前に比べて必要な供給予備力は\( \ \fbox {  (5)  } \ \)。

〔問7の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 変わらない     &(ロ)& 計画外停止      &(ハ)& 電力市場規模 \\[ 5pt ] &(ニ)& 燃料     &(ホ)& 最大電力     &(ヘ)& 小さくなる \\[ 5pt ] &(ト)& 地域間連系線の容量        &(チ)& 設備     &(リ)& 質的 \\[ 5pt ] &(ヌ)& 電力量     &(ル)& 大きくなる     &(ヲ)& 開発遅延 \\[ 5pt ] &(ワ)& 最大電力量     &(カ)& 人員体制     &(ヨ)& 定期検査 \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

電力需給と供給予備力に関する問題です。
令和4年は電力需給逼迫注意報や警報が発令されたため,電験でもそれに関連する知識問題が出題されたものと予想されます。
このようにニュースにもなったような電力に関連する内容はその年の電験でも出題されることは多くありますので,試験対策として勉強に取り入れるようにしましょう。

1.日負荷曲線と供給予備力
人は昼間活動し夜休み,暑くなったり寒くなったりすると冷暖房をつけるので,電力需要は季節・時間・気象等によって大きく変わり,下図のような曲線を描きます。これを日負荷曲線といいます。
2022年現在において,大容量の電力を蓄電することは難しく,発電電力>電力需要であると周波数は上がり,発電電力<電力需要であると周波数は下がってしまうため,ある時刻の電力需要と発電電力はほぼ同じでなければなりません。これを同時同量といい,電力需要に合わせて発電所の出力を調整します。


出典:中部電力パワーグリッド株式会社 HP
https://powergrid.chuden.co.jp/denkiyoho/qa/06.html

日々の電力需要は気象状況,平日・休日等から予想しますが,夏場予想以上に気温が上昇したり,冬場予想以上に低下したりすると需要は大きく増加します。受給逼迫を防ぐため,発電設備の供給力にある程度の余裕を持って運用しています。これを供給予備力といい,以下の式で求められます。

 供給予備力=発電設備の供給可能電力ー予想電力

また,近年では太陽光発電をはじめとした分散型電源の普及に伴い,気象状況により需要だけでなく発電電力も変化するようになっていますし,突発的な事故が発生する可能性もあるので,その辺りも考慮し供給予備力は設定されます。

2.供給予備率と電力逼迫注意報
供給予備率は,

 供給予備率=(供給予備力÷予想電力)×100

で求められ,供給予備率が5%以下になると電力逼迫注意報,3%以下になると電力逼迫警報が発令されます。
一方で供給予備率が大きすぎても設備の無駄,コストアップに繋がってしまうため,安定供給ができる範囲で小さく抑えることが重要となります。供給予備率はエリアを小さくすれば地域毎に供給予備力の確保が必要となり,地域毎の大小も生じてしまいます。
その対策として,地域間連系線の容量を大きくし広域的な連系を行えば,地域間の電力融通を行うことが可能となり,全体として供給予備力を小さくすることが可能となるため,近年では地域間連系線の増強が進められています。

【解答】

(1)解答:ホ
題意より解答候補は,(ニ)燃料,(ホ)最大電力,(チ)設備,(ヌ)電力量,(ワ)最大電力量,等になると思います。
ワンポイント解説「1.日負荷曲線と供給予備力」の通り,需要の最大と供給能力を比較するものなので最大電力バランスとなります。

(2)解答:ヌ
題意より解答候補は,(ニ)燃料,(ホ)最大電力,(チ)設備,(ヌ)電力量,(ワ)最大電力量,等になると思います。
月別・年度別に電力供給量の電源別の分担を決めるものは,電力量バランスといいます。予想電力量や発電電力に応じて,燃料調達量や燃料の在庫量を決定します。

(3)解答:ト
題意より解答候補は,(ハ)電力市場規模,(ト)地域間連系線の容量,(ヲ)開発遅延,(カ)人員体制,(ヨ)定期検査,等になると思います。
ワンポイント解説「2.供給予備率と電力逼迫注意報」の通り,供給予備力は地域間連系線の容量により変化します。また,地域間連系線の容量が増強されると,供給量不足時に電力融通が可能となります。

(4)解答:ロ
題意より解答候補は,(ロ)計画外停止,(ヲ)開発遅延,(ヨ)定期検査,になると思います。
このうち偶発的需要変動に該当するのは計画外停止となります。計画外停止とは,設備の故障やトラブル等で発電設備を停止することをいいます。

(5)解答:ヘ
題意より解答候補は,(イ)変わらない,(ヘ)小さくなる,(ル)大きくなる,になると思います。
ワンポイント解説「2.供給予備率と電力逼迫注意報」の通り,地域間連系線の容量が増強されると,供給量不足時に電力融通が可能となり,増強前に比べて必要な供給予備力は小さくなります



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