《法規》〈電気工事士法〉[H20:問3]電気工事士法で規定されている電気工事の作業内容に関する論説問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

「電気工事士法」においては,電気工事の作業内容に応じて必要な資格を定めているが,作業者の資格とその電気工事の作業に関する記述として,不適切なものは次のうちどれか。

(1) 第一種電気工事士は,自家用電気工作物であって最大電力\( \ 250 \ \mathrm {[kW]} \ \)の需要設備の電気工事の作業に従事できる。

(2) 第一種電気工事士は,最大電力\( \ 250 \ \mathrm {[kW]} \ \)の自家用電気工作物に設置される出力\( \ 50 \ \mathrm {[kW]} \ \)の非常用予備発電装置の発電機に係る電気工事の作業に従事できる。

(3) 第二種電気工事士は,一般用電気工作物に設置される出力\( \ 3 \ \mathrm {[kW]} \ \)の太陽電池発電設備の設置のための電気工事の作業に従事できる。

(4) 第二種電気工事士は,一般用電気工作物に設置されるネオン用分電盤の電気工事の作業に従事できる。

(5) 認定電気工事従事者は,自家用電気工作物であって最大電力\( \ 250 \ \mathrm {[kW]} \ \)の需要設備のうち\( \ 200 \ \mathrm {[V]} \ \)の電動機の接地工事の作業に従事できる。

【ワンポイント解説】

電気工事士法第3条と関連する施行規則からの出題です。
電気工事士の資格の範囲はもちろん文章で覚えても良いですが,下図のように整理して覚える方が理解しやすいかと思います。

【解答】

解答:(4)
(1)正しい
電気工事士法第3条第1項に規定されている通り,第一種電気工事士は自家用電気工作物であって最大電力\( \ 500 \ \mathrm {kW} \ \)未満の電気工事の作業に従事できます。

(2)誤り
電気工事士法第3条第3項に規定されている通り,第一種電気工事士であっても特種電気工事資格者でなければ予備発電装置の発電機に係る電気工事の作業に従事することはできません。

(3)正しい
電気工事士法第3条第2項に規定されている通り,第二種電気工事士は一般用電気工作物に設置される出力\( \ 3 \ \mathrm {[kW]} \ \)の太陽電池発電設備の設置のための電気工事の作業に従事できます。

(4)正しい
電気工事士法第3条第2項に規定されている通り,第二種電気工事士は一般用電気工作物に設置されるネオン用分電盤の電気工事の作業に従事できます。一般用電気工作物には特種電気工事資格者の区分はありません。

(5)正しい
電気工事士法第3条第4項に規定されている通り,認定電気工事従事者は自家用電気工作物であって最大電力\( \ 250 \ \mathrm {[kW]} \ \)の需要設備のうち,電圧\( \ 600 \ \mathrm {V} \ \)以下の電動機の接地工事の作業に従事できます。

<電気工事士法第3条>
(1)第一種電気工事士免状の交付を受けている者(以下「第一種電気工事士」という。)でなければ,自家用電気工作物に係る電気工事(第3項に規定する電気工事を除く。第4項において同じ。)の作業(自家用電気工作物の保安上支障がないと認められる作業であって,経済産業省令で定めるものを除く。)に従事してはならない。

2 (3)(4)第一種電気工事士又は第二種電気工事士免状の交付を受けている者(以下「第二種電気工事士」という。)でなければ,一般用電気工作物等に係る電気工事の作業(一般用電気工作物等の保安上支障がないと認められる作業であって,経済産業省令で定めるものを除く。)に従事してはならない。

3 (2)自家用電気工作物に係る電気工事のうち経済産業省令で定める特殊なもの(以下「特殊電気工事」という。)については,当該特殊電気工事に係る特種電気工事資格者認定証の交付を受けている者(以下「特種電気工事資格者」という。)でなければ,その作業(自家用電気工作物の保安上支障がないと認められる作業であって,経済産業省令で定めるものを除く。)に従事してはならない。

4 (5)自家用電気工作物に係る電気工事のうち経済産業省令で定める簡易なもの(以下「簡易電気工事」という。)については,第1項の規定にかかわらず,認定電気工事従事者認定証の交付を受けている者(以下「認定電気工事従事者」という。)は、その作業に従事することができる。

<電気工事士法施行規則第2条の2>
法第3条第3項の自家用電気工作物に係る電気工事のうち経済産業省令で定める特殊なものは,次のとおりとする。

 一 ネオン用として設置される分電盤,主開閉器(電源側の電線との接続部分を除く。),タイムスイッチ,点滅器,ネオン変圧器,ネオン管及びこれらの附属設備に係る電気工事(以下「ネオン工事」という。)

 二 非常用予備発電装置として設置される原動機,発電機,配電盤(他の需要設備との間の電線との接続部分を除く。)及びこれらの附属設備に係る電気工事(以下「非常用予備発電装置工事」という。)

2 法第3条第3項の自家用電気工作物の保安上支障がないと認められる作業であって,経済産業省令で定めるものは,特種電気工事資格者が従事する特殊電気工事の作業を補助する作業とする。

<電気工事士法施行規則第2条の3>
法第3条第4項の自家用電気工作物に係る電気工事のうち経済産業省令で定める簡易なものは,電圧\( \ 600 \ \mathrm {V} \ \)以下で使用する自家用電気工作物に係る電気工事(電線路に係るものを除く。)とする。