【総合】
昨年並み~やや難化
機械以外は全体的に易しくなっていますが,機械が難しくなった分,全体として難しくなったと思います。近年は難しい問題が多いせいか,どの科目も合格点が低めに設定されています。
試験日実施日:平成29年9月3日
申込者数 :64,974人(前年度66,896人)
受験者数 :45,720人(前年度46,552人)
合格者数 :3,698人(前年度3,980人)
合格率 :8.1%(前年度8.5%)
科目合格者数:12,176人(前年度13,457人)
科目合格率 :26.9%(前年度28.9%)
【理論】
やや易化
一部難易度の高い問題もありましたが,全体的に取り組みやすく,計算量も少なめの問題が多かったと思います。計算問題がA問題で14問中10問,B問題が6問中6問で全体で配点が80点であり,昨年とほぼ同じでした。
出題内容としては,電磁気が計算問題2~4問・論説問題2問,電気回路が計算問題10問・論説問題0問,電子回路が計算問題1~3問・論説問題0問,電気電子計測その他が計算問題0問・論説問題が3問で,昨年と比べ電気回路の問題が多かったです。
計算問題で,問9のひずみ波の問題,論説問題では問4のヒステリシスループの問題,問11のpn接合の問題,問12の紫外線ランプの問題が新傾向の問題で,計算問題は過去問の研究が中心,論説問題は過去問+勉強の積み重ねが重要であることが分かります。
本結果から,今後の理論科目の対策としては,過去問の電磁気と電気回路の計算問題を中心にマスターすることが重要と考えられます。
申込者数 :57,065人(前年度59,207人)
受験者数 :36,608人(前年度37,622人)
合格者数 :7,085人(前年度6,956人)
合格率 :19.4%(前年度18.5%)
合格点 :55点(前年度55点)
【電力】
昨年並み~やや易化
難易度が高かった昨年よりは易しくなっていますが,計算量の多い問題や間違いが分かりにくい問題も多く,難しかったと思います。計算問題がA問題で14問中3問,B問題が6問中6問で全体で配点が45点であり,昨年から一問減りましたが,例年並みといえると思います。
出題内容としては,発電が計算問題3問・論説問題4問,送配電が計算問題6問・論説問題6問,変電が計算問題0問・論説問題1問,その他が計算問題0問・論説問題1問で,発電と送配電で全体の9割の問題を占めています。
計算問題は過去問と同様な出題傾向にあり,特に問15の火力の燃焼計算と問16の静電容量の問題は頻出です。
今後の電力科目の対策としては,過去問の発電と送配電の問題を計算問題と論説問題をバランスよくマスターすることが重要と考えられます。
申込者数 :59,128人(前年度58,278人)
受験者数 :36,721人(前年度35,352人)
合格者数 :4,987人(前年度4,381人)
合格率 :13.6%(前年度12.4%)
合格点 :55点(前年度55点)
【機械】
難化
前年度の合格率が高すぎるため難化としています。前年度よりは明らかに難しくなっていますが,難易度は標準的であると思います。計算問題がA問題で14問中5問,B問題が6問中3~5問で全体で配点が40~50点であり,例年並みか例年より少なめであると思います。
出題内容としては,回転機が計算問題4問・論説問題4問,変圧器が計算問題1問・論説問題2問,パワーエレクトロニクスが計算問題1問・論説問題3問,電動機応用が計算問題1問・論説問題0問,照明が計算問題2問(選択問題)・論説問題0問,電熱が計算問題0問・論説問題1問,情報が計算問題1問・論説問題2問(選択問題)となっています。
計算問題の問8の鉄損と銅損の損失の問題,問15の電動機の効率と比例推移の問題,問17の照明の逆2乗の法則,論説問題の問7結線の問題,問11・問16のパワーエレクトロニクスの波形選択の問題は特に出題頻度の高い問題です。
回転機,変圧器,パワーエレクトロニクスで20問中15問を占めるため,これらの内容を中心に勉強することが重要となりますが,照明や電熱等は比較的出題される傾向にあるため,この分野も抑えておくとより良いと思います。
申込者数 :58,018人(前年度62,835人)
受験者数 :32,850人(前年度36,612人)
合格者数 :5,354人(前年度8,898人)
合格率 :16.3%(前年度24.3%)
合格点 :55点(前年度55点)
【法規】
やや易化
前半の問題は昨年並みですが,後半の計算問題が比較的取り組みやすいため,前年度よりは易しいと思います。計算問題がA問題で10問中0問,B問題が6問中5問で全体で配点が34点であり,昨年よりは計算問題は増えていますが,例年B問題はすべて計算問題である場合が多いため,例年よりは少なめとなります。
出題内容としては,電気事業法・電気工事士法が計算問題0問・論説問題6問,電気設備技術基準とその解釈が計算問題0問・論説問題5問,電力施設管理が計算問題5問,論説問題0問となっており,分野によって出題傾向がくっきりと分かれているのが特徴です。
B問題の計算問題の配点が高く,他の科目と比べると幾分難易度が低いため,ここを抑えることができれば法規の合格が見えてきます。一方,条文穴埋めの問題は,出題内容が絞りにくいため,できるだけたくさんの過去問に出題された条文を理解することが求められると思います。
申込者数 :59,443人(前年度59,641人)
受験者数 :35,825人(前年度35,198人)
合格者数 :5,798人(前年度4,985人)
合格率 :16.2%(前年度14.2%)
合格点 :55点(前年度54点)