《法規》〈電気設備技術基準〉[R06下:問7]分散型電源における再閉路時の事故防止に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★★☆(やや難しい)

次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」における再閉路時の事故防止に関する記述である。

高圧又は特別高圧の電力系統に分散型電源を連系する場合(スポットネットワーク受電方式で連系する場合を除く。)は,再閉路時の事故防止のために,分散型電源を連系する変電所の引出口に\( \ \fbox {  (ア)  } \ \)を施設すること。ただし,次のいずれかに該当する場合は,この限りでない。

a)逆潮流がない場合であって,電力系統との連系に係る保護リレー,計器用変流器,計器用変圧器,遮断器及び制御用電源配線が,相互予備となるように\( \ 2 \ \)系列化されているとき。ただし,次のいずれかにより簡素化を図ることができる。

 ① \( \ 2 \ \)系列の保護リレーのうちの\( \ 1 \ \)系列は,\( \ \fbox {  (イ)  } \ \)(\( \ 2 \ \)相に設置するものに限る。)のみとすることができる。

 ② 計器用変流器は,\( \ \fbox {  (イ)  } \ \)を計器用変流器の末端に配置する場合,\( \ 1 \ \)系列目と\( \ 2 \ \)系列目を兼用できる。

 ③ 計器用変圧器は,不足電圧リレーを計器用変圧器の末端に配置する場合,\( \ 1 \ \)系列目と\( \ 2 \ \)系列目を兼用できる。

b)高圧の電力系統に分散型電源を連系する場合であって,次のいずれかに適合するとき

 ① 分散型電源を連系している配電用変電所の遮断器が発する遮断信号を,電力保安通信線又は電気通信事業者の専用回線で伝送し,分散型電源を解列することのできる転送遮断装置及び能動的方式の\( \ \fbox {  (ウ)  } \ \)を設置し,かつ,それぞれが別の遮断器により連系を遮断できること。

 ② \( \ 2 \ \)方式以上の\( \ \fbox {  (ウ)  } \ \)(能動的方式を\( \ 1 \ \)方式以上含むもの。)を設置し,かつ,それぞれが別の遮断器により連系を遮断できること。

 ③ 能動的方式の\( \ \fbox {  (ウ)  } \ \)及び整定値が分散型電源の運転中における配電線の最低負荷より小さい\( \ \fbox {  (エ)  } \ \)を設置し,かつ,それぞれが別の遮断器により連系を遮断できること。

 ④ 分散型電源設置者が専用線で連系する場合であって,連系している系統の自動再閉路を実施しないとき

上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
\[
\begin{array}{ccccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) & (エ) \\
\hline
(1) & {\displaystyle  不足電圧  }\atop {\displaystyle  リレー   } & {\displaystyle  周波数低下 }\atop {\displaystyle  リレー   } & {\displaystyle  単独運転  }\atop {\displaystyle  検出装置  } &  不足電力リレー  \\
\hline
(2) & {\displaystyle  不足電圧  }\atop {\displaystyle  リレー   } & {\displaystyle  不足電力  }\atop {\displaystyle  リレー   } & {\displaystyle  線路無電圧 }\atop {\displaystyle  確認装置  } &  逆電力リレー   \\
\hline
(3) & {\displaystyle  線路無電圧 }\atop {\displaystyle  確認装置  } & {\displaystyle  不足電力  }\atop {\displaystyle  リレー   } & {\displaystyle  単独運転  }\atop {\displaystyle  検出装置  } &  逆電力リレー   \\
\hline
(4) & {\displaystyle  線路無電圧 }\atop {\displaystyle  確認装置  } & {\displaystyle  周波数低下 }\atop {\displaystyle  リレー   } & {\displaystyle  単独運転  }\atop {\displaystyle  検出装置  } &  不足電力リレー  \\
\hline
(5) & {\displaystyle  不足電圧  }\atop {\displaystyle  リレー   } & {\displaystyle  周波数低下 }\atop {\displaystyle  リレー   } & {\displaystyle  線路無電圧 }\atop {\displaystyle  確認装置  } &  逆電力リレー   \\
\hline
\end{array}
\]

【ワンポイント解説】

電気設備の技術基準の解釈第224条からの出題です。
分散型電源の系統連系設備に関する出題はほぼ毎回出題されているので対策していた受験生も多いと思いますが,初めて出題された条文で内容も少し難解だったので少し厳しい問題であったかもしれません。今後再出題された場合に解けるよう準備しておきましょう。

【解答】

解答:(3)
(ア)
 電気設備の技術基準の解釈第224条第1項に規定されている通り,「線路無電圧確認装置」となります。

(イ)
 電気設備の技術基準の解釈第224条第1項第1号イロに規定されている通り,「不足電力リレー」となります。

(ウ)
 電気設備の技術基準の解釈第224条第1項第2号イロハに規定されている通り,「単独運転検出装置」となります。

(エ)
 電気設備の技術基準の解釈第224条第1項第2号ハに規定されている通り,「逆電力リレー」となります。

<電気設備の技術基準の解釈第224条>
高圧又は特別高圧の電力系統に分散型電源を連系する場合(スポットネットワーク受電方式で連系する場合を除く。)は,再閉路時の事故防止のために,分散型電源を連系する変電所の引出口に(ア)線路無電圧確認装置を施設すること。ただし,次の各号のいずれかに該当する場合は,この限りでない。

 一 逆潮流がない場合であって,電力系統との連系に係る保護リレー,計器用変流器,計器用変圧器,遮断器及び制御用電源配線が,相互予備となるように\( \ 2 \ \)系列化されているとき。ただし,次のいずれかにより簡素化を図ることができる。

  イ \( \ 2 \ \)系列の保護リレーのうちの\( \ 1 \ \)系列は,(イ)不足電力リレー(\( \ 2 \ \)相に設置するものに限る。)のみとすることができる。

  ロ 計器用変流器は,(イ)不足電力リレーを計器用変流器の末端に配置する場合,\( \ 1 \ \)系列目と\( \ 2 \ \)系列目を兼用できる。

  ハ 計器用変圧器は,不足電圧リレーを計器用変圧器の末端に配置する場合,\( \ 1 \ \)系列目と\( \ 2 \ \)系列目を兼用できる。

 二 高圧の電力系統に分散型電源を連系する場合であって,次のいずれかに適合するとき

  イ 分散型電源を連系している配電用変電所の遮断器が発する遮断信号を,電力保安通信線又は電気通信事業者の専用回線で伝送し,分散型電源を解列することのできる転送遮断装置及び能動的方式の(ウ)単独運転検出装置を設置し,かつ,それぞれが別の遮断器により連系を遮断できること。

  ロ \( \ 2 \ \)方式以上の(ウ)単独運転検出装置(能動的方式を\( \ 1 \ \)方式以上含むもの。)を設置し,かつ,それぞれが別の遮断器により連系を遮断できること。

  ハ 能動的方式の(ウ)単独運転検出装置及び整定値が分散型電源の運転中における配電線の最低負荷より小さい(エ)逆電力リレーを設置し,かつ,それぞれが別の遮断器により連系を遮断できること。

  ニ 分散型電源設置者が専用線で連系する場合であって、連系している系統の自動再閉路を実施しないとき