【問題】
【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)
がいし,ブッシングを有する屋外変電所の塩害対策については,絶縁強化を図る設備設計面での対策と,補機の活用や運用・保守面での対策の二つに大別される。そこで変電所の塩害対策法に関して,次の問に答えよ。ただし,隠ぺい化(屋内化,\( \ \mathrm {GIS} \ \)化)による対策は除くこと。
(1) 母線がいしと機器用がいし(がい管含む)それぞれの絶縁強化を図る設備設計面の対策を合わせて\( \ 100 \ \)字程度で述べよ。
(2) 補機の活用や運用・保守面での塩害対策法を二つ挙げ,それぞれの対策についてメリット・デメリット(注意点)を合わせて\( \ 100 \ \)字程度ずつで述べよ。
【ワンポイント解説】
変電所における塩害対策に関する問題です。
\( \ 2 \ \)種や\( \ 3 \ \)種でも扱う内容なので,多くの受験生が選択した問題と予想されます。
塩害対策は出題頻度も高い分野となりますので,必ず内容を理解して本番に臨むようにして下さい。
1.塩害発生のメカニズム
下図が塩害のイメージ図となります。
海岸付近では,日常的に海水に含まれる塩分が風により屋外変電所まで運ばれ,がいし表面に付着しますが,通常は降雨等による雨洗効果等で碍子表面の塩分は除去され,がいしの絶縁は保たれます。
しかしながら,台風や季節風等の強風が継続的に続くとがいしの汚損は一気に進行し,さらに霧や小雨等によりがいし表面が湿潤状態になると,がいし表面の絶縁が確保できず,漏れ電流が流れ,その漏れ電流の発熱により乾燥し,その部分に放電現象が発生します。
アークやフラッシオーバが発生したり,可聴雑音や電波障害等が発生することがあります。
2.塩害の対策方法
①密閉化,隠ぺい化
そもそもがいしに付着しない様,屋内化や\( \ \mathrm {GIS} \ \)などにより隠ぺい化することが一番ですが,現実的にすべてのがいしを密閉化することは困難です。
②がいし洗浄
定期的もしくは観測しながらがいしを洗い流すことでがいしに付着した塩分を取り除く方法です。洗浄をすることでがいし耐電圧が一時的に低下するため,塩分濃度が大幅に上昇してしまった後では使用することができません。
出典:日本ガイシ株式会社 HP
https://www.ngk.co.jp/product/search-business/insulator/
③絶縁強化
耐塩がいしや長幹がいしを使用して,絶縁強度を高くする方法です。がいしの直列連結個数や沿面距離を伸ばすことで絶縁を強化することができますが,一般に重量も増えるため,強度計算が必要となる場合があります。
④はっ水性物質の塗布
シリコンコンパウンドを塗布することで,がいしに塩分や水分をつきにくくする方法です。\( \ 0.5 \sim 2 \ \)年程度で塗りなおし(設備停止)が必要となるため,採用可能な場所が限定されます。
【解答】
(1)母線がいしと機器用がいし(がい管含む)それぞれの絶縁強化を図る設備設計面の対策
(ポイント)
・ワンポイント解説「2.塩害の対策方法」の通りです。
・塩害に対する基本的な対策は,がいし連の直列連結個数を増やすこともしくはがいしの沿面距離を伸ばすこととなります。
(試験センター解答例)
母線がいしは,がいし増結等によって設計汚損量まで絶縁強化で対策し,機器用がいし(がい管含む)は,漏れ距離の長い長尺もしくは深ひだがい管など耐塩性能の高いものを適用する絶縁強化で対策する。
(2)補機の活用や運用・保守面での塩害対策法を二つ挙げ,それぞれの対策についてメリット・デメリット(注意点)
(ポイント)
・ワンポイント解説「2.塩害の対策方法」の通りです。
(試験センター解答例)
・活線洗浄による対策:
機器用がいしやがい管が,必要な絶縁強化ができない場合,かつ設備停止が困難な場合でも充電状態のまま注水洗浄を行える。活線洗浄で注意すべきことは,洗浄中がいし耐電圧が一時的に低下することである。
・シリコーンコンパウンド塗布による対策:
がいし類表面の水分をはじく優れた撥水性やがいし類に付着した塩分を包み込むアメーバ作用により塩分付着を防ぐ。寿命が\( \ 0.5 \sim 2 \ \)年と短く,多頻度で設備停止を伴う洗浄再塗布が必要となる。















愛知県出身 愛称たけちゃん