《法規》〈電気施設管理〉[H25:問4]電力の広域的運営に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

次の文章は,電力の広域的運営に関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選びなさい。

電気事業法では,電気事業者相互の協調について次のように規定している。

「電気事業者は,\( \ \fbox {  (1)  } \ \)の実施,電気の供給,電気工作物の運用等その事業の遂行に当たり,広域的運営による電気事業の総合的かつ合理的な発達に資するように,\( \ \fbox {  (2)  } \ \)の能力を活用しつつ,相互に協調しなければならない。」

このように,広域運営促進のための電気事業者相互の協調が義務化され,また,毎年度特定電気事業者及び特定規模電気事業者を除く電気事業者に対し,電気の供給や電気工作物の設置及び運用についての\( \ \fbox {  (3)  } \ \)の届出義務なども規定し,広域的運営の促進が図られている。

電力系統を連系することにより,系統全体にわたって総合した電力需要の\( \ \fbox {  (4)  } \ \)が改善し,発電所の効率が改善される。また,広域的に運営することによって,各電気事業者が必要とされる\( \ \fbox {  (5)  } \ \)の保有量を各事業者が単独で確保する場合に比べて,小さくすることができる。

〔問4の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 需要予測     &(ロ)& 点検計画     &(ハ)& 供給予備力 \\[ 5pt ] &(ニ)& 特定送配電事業者及び発電事業者              &(ホ)& 負荷率     &(ヘ)& 供給計画 \\[ 5pt ] &(ト)& 特定自家用電気工作物設置者       &(チ)& 余剰電力     &(リ)& 電源開発 \\[ 5pt ] &(ヌ)& 稼働率     &(ル)& 保守管理     &(ヲ)& 配電設備 \\[ 5pt ] &(ワ)& 工事計画     &(カ)& 小売電気事業者     &(ヨ)& 利用率 \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] ※ 電気事業法改正に伴い選択肢を一部変更しています。

【ワンポイント解説】

電気事業法第28条に絡めた電力需給及び広域的運営に関する問題です。例年電気事業法からの出題は少なめなのですが,この年は3問も出題されています。このような年もあることには注意しましょう。

【解答】

(1)解答:リ
電気事業法第28条の通り,「電源開発」となります。

(2)解答:ト
電気事業法第28条の通り,「特定自家用電気工作物設置者」となります。

(3)解答:ヘ
電気事業法第29条第1項の通り,「供給計画」となります。

(4)解答:ホ
題意より,解答候補は(ホ)負荷率,(ヌ)稼働率,(ヨ)利用率,となると思います。いずれも広域運営により改善されると思いますが,\( \ \fbox {  (4)  } \ \)の前に「電力需要の」と記載があるので,負荷率が最も適当と言えます。

(5)解答:ハ
題意より,解答候補は(イ)需要予測,(ハ)供給予備力,(チ)余剰電力,(ヲ)配電設備,等になると思います。余剰電力も候補として挙げられますが,「各事業者が単独で確保する場合に比べて」とあるので,これは供給予備力を意味していると想定できます。

<電気事業法第28条>
電気事業者は、(1)電源開発の実施、電気の供給、電気工作物の運用等その事業の遂行に当たり、広域的運営による電気の安定供給の確保その他の電気事業の総合的かつ合理的な発達に資するように、第二十八条の三第二項に規定する(2)特定自家用電気工作物設置者の能力を適切に活用しつつ、相互に協調しなければならない。

<電気事業法第29条>
電気事業者は、経済産業省令で定めるところにより、毎年度、当該年度以降経済産業省令で定める期間における電気の供給並びに電気工作物の設置及び運用についての計画(以下「(3)供給計画」という。)を作成し、当該年度の開始前に(電気事業者となつた日を含む年度にあつては、電気事業者となつた後遅滞なく)、推進機関を経由して経済産業大臣に届け出なければならない。

2 推進機関は、前項の規定により電気事業者から供給計画を受け取つたときは、経済産業省令で定めるところにより、これを取りまとめ、送配電等業務指針及びその業務の実施を通じて得られた知見に照らして検討するとともに、意見があるときは当該意見を付して、当該年度の開始前に(当該年度に電気事業者となつた者に係る供給計画にあつては、速やかに)、経済産業大臣に送付しなければならない。

3 電気事業者は、供給計画を変更したときは、遅滞なく、変更した事項を推進機関を経由して経済産業大臣に届け出なければならない。

4 第二項の規定は、前項の場合に準用する。この場合において、第二項中「これを取りまとめ、」とあるのは「これを」と、「当該年度の開始前に(当該年度に電気事業者となつた者に係る供給計画にあつては、速やかに)」とあるのは「速やかに」と読み替えるものとする。

5 経済産業大臣は、供給計画が広域的運営による電気の安定供給の確保その他の電気事業の総合的かつ合理的な発達を図るため適切でないと認めるときは、電気事業者に対し、その供給計画を変更すべきことを勧告することができる。

6 経済産業大臣は、前項の規定による勧告をした場合において特に必要があり、かつ、適切であると認めるときは、電気事業者に対し、次に掲げる事項を命ずることができる。ただし、第一号に掲げる事項は送電事業者に対して、第二号に掲げる事項は小売電気事業者及び発電事業者に対して、第三号に掲げる事項は送電事業者及び発電事業者に対しては、命ずることができない。

一 小売電気事業者、一般送配電事業者又は特定送配電事業者に電気を供給すること。

二 振替供給を行うこと。

三 電気の供給を受けること。

四 電気事業者に電気工作物を貸し渡し、若しくは電気事業者から電気工作物を借り受け、又は電気事業者と電気工作物を共用すること。

五 前各号に掲げるもののほか、広域的運営を図るために必要な措置として経済産業省令で定めるものをとること。



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