《法規》〈電気設備技術基準〉[H28:問5] 避雷器等の施設に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく避雷器等の施設に関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。

a 高圧及び特別高圧の電路中,次に掲げる箇所又はこれに近接する箇所には,避雷器を施設すること。

 ① 発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所の架空電線の引込口(需要場所の引込口を除く。)及び引出口

 ② 架空電線路に接続し,発電所又は変電所,開閉所若しくはこれらに準ずる場所以外の場所に施設する\( \ \fbox {  (1)  } \ \)の高圧側及び特別高圧側

 ③ 高圧架空電線路から電気の供給を受ける受電電力が\( \ \fbox {  (2)  } \ \)以上の需要場所の引込口

 ④ 特別高圧電線路から電気の供給を受ける需要場所の引込口

b 次のいずれかに該当する場合は,上記aによらないことができる。

 ① 上記aに掲げる箇所に直接接続する電線が\( \ \fbox {  (3)  } \ \)場合

 ② 使用電圧が\( \ \fbox {  (4)  } \ \)を超える特別高圧電路において,同一の母線に常時接続されている架空電線路の数が,回線数が7以下の場合にあっては5以上,回線数が8以上の場合にあっては4以上のとき。これらの場合において,同一支持物に2回線以上の架空電線が施設されているときは,架空電線路の数は1として計算する。

c 高圧及び特別高圧の電路に施設する避雷器には,\( \ \fbox {  (5)  } \ \)接地工事を施すこと。ただし,高圧架空電線路に施設する避雷器(上記aにより施設するものを除く。)の\( \ \fbox {  (5)  } \ \)接地工事を日本電気技術規格委員会規格JESC E 2018(2008)「高圧架空電線路に施設する避雷器の接地工事」の「2.技術的規定」により施設する場合,接地抵抗値が10Ω以下という規定によらないことができる。具体的には,避雷器を\( \ \fbox {  (6)  } \ \)接地工事が施された変圧器(高圧巻線と低圧巻線との間に金属製の混触防止板を有し,高圧電路と非接地の低圧電路を結合する変圧器を除く。)と近接しない場所に施設し,接地工事の接地線が当該接地工事専用のものである場合は,接地抵抗値は\( \ \fbox {  (7)  } \ \)以下で良いとされるなど限定的に規定されている。

〔問5の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 短 い     &(ロ)& 65 \ \Omega     &(ハ)& \mathrm {D} 種 \\[ 5pt ] &(ニ)& 1 \ 000 \ \mathrm {kW}     &(ホ)& 33 \ 000 \ \mathrm {V}     &(ヘ)& 154 \ 000 \ \mathrm {V} \\[ 5pt ] &(ト)& 500 \ \mathrm {kW}     &(チ)& 配電用変圧器     &(リ)& 長 い \\[ 5pt ] &(ヌ)& 計器用変圧器     &(ル)& \mathrm {A} 種     &(ヲ)& \mathrm {B} 種 \\[ 5pt ] &(ワ)& 多 い     &(カ)& 60 \ 000 \ \mathrm {V}     &(ヨ)& 30 \ \Omega \\[ 5pt ] &(タ)& 2 \ 000 \ \mathrm {kW}     &(レ)& 100 \ \Omega     &(ソ)& \mathrm {C} 種
\end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

電気設備技術基準の解釈第37条からの出題です。避雷器を設置する場所については,3種等でも出題されています。図を描いて実際にどのような場所に設置するのかをイメージしたり,現場を扱っている方であれば,ご自身の設備がきちんと技術基準に沿って避雷器を設置されているかを確認することはとても良い勉強になると思います。

【解答】

(1)解答:チ
電気設備技術基準の解釈第37条第1項の二の通り,「配電用変圧器」となります。

(2)解答:ト
電気設備技術基準の解釈第37条第1項の三の通り,「\( \ 500 \ \mathrm {kW} \ \)」となります。

(3)解答:イ
電気設備技術基準の解釈第37条第2項の一の通り,「短い」となります。

(4)解答:カ
電気設備技術基準の解釈第37条第2項の二の通り,「\( \ 60 \ 000 \ \mathrm {V} \ \)」となります。

(5)解答:ル
電気設備技術基準の解釈第37条第3項の通り,「\( \ \mathrm {A} \ \)種」となります。

(6)解答:ヲ
日本電気技術規格委員会規格 JESC E2018(2008)「高圧架空電線路に施設する避雷器の接地工事」2.技術的規定の通り,「\( \ \mathrm {B} \ \)種」となります。

(7)解答:ヨ
日本電気技術規格委員会規格 JESC E2018(2008)「高圧架空電線路に施設する避雷器の接地工事」2.技術的規定の通り,「\( \ 30 \ \Omega \ \)」となります。

<電気設備技術基準の解釈第37条>
高圧及び特別高圧の電路中、次の各号に掲げる箇所又はこれに近接する箇所には、避雷器を施設すること。

一 発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所の架空電線の引込口(需要場所の引込口を除く。)及び引出口

二 架空電線路に接続する、第26条に規定する(1)配電用変圧器の高圧側及び特別高圧側

三 高圧架空電線路から電気の供給を受ける受電電力が(2)500kW以上の需要場所の引込口

四 特別高圧架空電線路から電気の供給を受ける需要場所の引込口

2 次の各号のいずれかに該当する場合は、前項の規定によらないことができる。

一 前項各号に掲げる箇所に直接接続する電線が(3)短い場合

二 使用電圧が(4)60,000Vを超える特別高圧電路において、同一の母線に常時接続されている架空電線路の数が、回線数が7以下の場合にあっては5以上、回線数が8以上の場合にあっては4以上のとき。これらの場合において、同一支持物に2回線以上の架空電線が施設されているときは、架空電線路の数は1として計算する。

3 高圧及び特別高圧の電路に施設する避雷器には、(5)A種接地工事を施すこと。ただし、高圧架空電線路に施設する避雷器(第1項の規定により施設するものを除く。)の(5)A種接地工事を日本電気技術規格委員会規格 JESC E2018(2008)「高圧架空電線路に施設する避雷器の接地工事」の「2.技術的規定」により施設する場合の接地抵抗値は、第17条第1項第一号の規定によらないことができる。(関連省令第10条、第11条)

<日本電気技術規格委員会規格 JESC E2018(2008)「高圧架空電線路に施設する避雷器の接地工事」(抜粋)>
2.技術的規定
高圧架空電線路に施設する避雷器の接地工事は,次の各号のいずれかの場合によることができる。

一 避雷器{(6)B種接地工事が施された変圧器(高圧巻線と低圧巻線との間に金属製の混触防止板を有し,高圧電路と非接地の低圧電路とを結合する変圧器を除く。以下同じ。)に近接して施設する場合を除く。}の接地工事の接地線が当該接地工事専用のものである場合において,当該接地工事の接地抵抗値が(7)30Ω以下であるとき。

二 避雷器をB種接地工事が施された変圧器に近接して施設する場合において,避雷器の接地工事の接地極を変圧器のB種接地工事の接地極から 1m 以上離して施設し,当該接地工事の接地抵抗値が 30Ω以下であるとき。

三 避雷器をB種接地工事が施された変圧器に近接して施設する場合において,避雷器の接地工事の接地線と変圧器のB種接地工事の接地線とを変圧器に近接した箇所で接続し,かつ,次により施設する場合において,当該箇所の接地抵抗値が 65Ω以下であるとき。

イ 避雷器を中心とする半径 300m の地域内において,当該変圧器に接続するB種接地工事が施された低圧架空電線(以下「低圧架空電線」という。)の1箇所以上(当該箇所の接地工事を除く。)に接地工事(接地線に引張強さ 1.04kN 以上の容易に腐食し難い金属線又は直径 2.6mm 以上の軟銅線を使用するものに限る。)を施すこと。

ロ 当該箇所の接地工事と,イの規定により低圧架空電線(架空共同地線を含む。以下同じ。)に施した接地工事との合成接地抵抗値は,20Ω以下であること。

四 避雷器の接地工事の接地線と低圧架空電線とを接続し,かつ,次により施設する場合において,当該箇所の接地工事の接地抵抗値が 65Ω以下であるとき。

イ 避雷器を中心とする半径 300m の地域内において,低圧架空電線の1箇所以上(当該箇所の接地工事を除く。)に接地工事(接地線に引張強さ 1.04kN 以上の容易に腐食し難い金属線又は直径 2.6mm 以上の軟銅線を使用するものに限る。)を施すこと。

ロ 当該箇所の接地工事と,イの規定により低圧架空電線に施した接地工事との合成接地抵抗値は,16Ω以下であること。

五 前号により施設した避雷器の接地工事の地域内に他の避雷器を施設する場合,この避雷器の接地線を前号の低圧架空電線に接続することができる。



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