《法規》〈電気施設管理〉[R01:問4]水力供給力に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

次の文章は,水力供給力に関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。

a 水力発電所は,その発電方式により,\( \ \fbox {  (1)  } \ \),調整池式,貯水池式及び揚水式に区分される。\( \ \fbox {  (1)  } \ \)発電所及び調整池式発電所の供給電力量は,平水年可能発電電力量と\( \ \fbox {  (2)  } \ \)の積から所内消費電力量を差し引いたものになる。また,ある時点又はある期間の\( \ \fbox {  (3)  } \ \)と平水年可能発電電力量の比は出水率と称されている。

b 水力発電所の出力は,取水量により変わるため,次のような分類がある。

①\( \ \fbox {  (4)  } \ \):\( \ \fbox {  (1)  } \ \)発電所にあっては,\( \ 1 \ \)年を通じて\( \ 355 \ \)日以上発生できる出力とし,貯水池式発電所にあっては,原則\( \ 1 \ \)年を通じて\( \ 365 \ \)日発生できる出力をいう。

②\( \ \fbox {  (5)  } \ \):\( \ 1 \ \)年を通じて\( \ 355 \ \)日以上,毎日ピーク負荷時の一定時間(原則として\( \ 4 \ \)時間以上)連続して発生できる出力をいう。

〔問4の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 定格出力       &(ロ)& 補給ピーク出力 \\[ 5pt ] &(ハ)& ダム式       &(ニ)& 利用率 \\[ 5pt ] &(ホ)& 流込式       &(ヘ)& 停止率 \\[ 5pt ] &(ト)& 河川式       &(チ)& 可能発電電力量 \\[ 5pt ] &(リ)& 補給出力       &(ヌ)& 余剰率 \\[ 5pt ] &(ル)& いっ水電力量       &(ヲ)& 常時せん頭(ピーク)出力 \\[ 5pt ] &(ワ)& 予備出力       &(カ)& 常時出力 \\[ 5pt ] &(ヨ)& 供給電力量 &&\\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

あまり1種の一次試験で出題されたことが少ない内容かと思います。どちらかというと二次試験の電力管理科目の計算問題に出題されそうな分野です。再出題は考えにくいですが,いずれも基本的な内容になりますので,確実に解けるようにしておきましょう。

1.水力発電所の発電方式による区分
\[
\begin{array}{|c|l|c|}
\hline
区分 &          特徴 & 負荷区分 \\
\hline
流込式 & 河川から流れ込む水見合いで発電する発電所で & ベース負荷 \\
& 貯水機能がない & \\
\hline
調整池式 & ダムを持ち,軽負荷時に貯水し重負荷時に負荷 & ピーク負荷 \\
& 調整を行う & \\
\hline
貯水池式 & 調整池より大きな池を持ち,豊水季に貯水する & ピーク負荷 \\
& 等季節毎の負荷調整が可能 & \\
\hline
揚水式 & 夜間等の軽負荷時に下部調整池から上部調整池 & ピーク負荷 \\
& に揚水し,ピーク時に発電する & \\
\hline
\end{array}
\]

【解答】

(1)解答:ホ
題意より,解答候補は(ハ)ダム式,(ホ)流込式,(ト)河川式,になると思います。ワンポイント解説「1.水力発電所の分類」の通り,発電方式による区分としてあるのは流込式となります。

(2)解答:ニ
題意より,解答候補は(ニ)利用率,(ヘ)停止率,(ヌ)余剰率,となると思います。供給電力量は下記の通りとなります。
\[
\begin{eqnarray}
{供給電力量}&=&(平水年可能発電電力量)×(利用率)-(所内消費電力量) \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

(3)解答:チ
題意より,解答候補は(チ)可能発電電力量,(ル)いっ水電力量,(ヨ)供給電力量,となると思います。出水率は可能発電電力量と平水年可能発電電力量の比となります。

(4)解答:カ
題意より,解答候補は(イ)定格出力,(ロ)補給ピーク出力,(リ)補給出力,(ヲ)常時せん頭(ピーク)出力,(ワ)予備出力,(カ)常時出力,となると思います。題意に沿うのは常時出力となります。

(5)解答:ヲ
題意より,解答候補は(イ)定格出力,(ロ)補給ピーク出力,(リ)補給出力,(ヲ)常時せん頭(ピーク)出力,(ワ)予備出力,(カ)常時出力,となると思います。題意に沿うのは常時せん頭(ピーク)出力となります。



記事下のシェアタイトル