《法規》〈電気設備技術基準〉[R02:問2]変電所の建設運用計画に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく,使用電圧が\( \ 154 \ \mathrm {kV} \ \)の変圧器を施設する遠隔断続監視制御方式の変電所の建設運用計画に関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。

当該変電所においては,技術員は常時監視せず,変電所から約\( \ 3 \ \mathrm {km} \ \)離れた変電制御所で監視制御する。ただし,技術員は変電制御所には常時在住せず,変電制御所から\( \ \fbox {  (1)  } \ \mathrm {m} \ \)以内にある技術員駐在所に常時駐在する。したがって,変電所の監視及び機器の操作は,技術員が技術員駐在所から断続的に変電制御所に出向いて行う。また,次に掲げる場合などに\( \ \fbox {  (2)  } \ \)へ警報する装置を施設する。

a) 容量\( \ 3 \ 000 \ \mathrm {kV\cdot A} \ \)を超える特別高圧用変圧器にあっては,その\( \ \fbox {  (3)  } \ \)した場合

b) \( \ \fbox {  (4)  } \ \)(変圧器の巻線及び鉄心を直接冷却するため封入した冷媒を強制循環させる冷却方式をいう。)の特別高圧用変圧器にあっては,その冷却装置が故障した場合

c) ガス絶縁機器(\( \ \fbox {  (5)  } \ \)の低下により絶縁破壊等を生じるおそれがないものを除く。)の絶縁ガスの\( \ \fbox {  (5)  } \ \)が著しく低下した場合

〔問2の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 300     &(ロ)& 自冷式     &(ハ)& 変電制御所 \\[ 5pt ] &(ニ)& 圧力     &(ホ)& 500     &(ヘ)& 変電制御所及び技術員駐在所 \\[ 5pt ] &(ト)& 密度     &(チ)& 600     &(リ)& 窒素封入式 \\[ 5pt ] &(ヌ)& 電圧が著しく上昇       &(ル)& 電流が著しく増加       &(ヲ)& 技術員駐在所 \\[ 5pt ] &(ワ)& 他冷式     &(カ)& 純度     &(ヨ)& 温度が著しく上昇 \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

電気設備技術基準の解釈第48条からの出題です。
\( \ 2 \ \)種や\( \ 3 \ \)種ではあまり出題されていない条文ですが,\( \ 1 \ \)種では平成29年問5で出題されています。
このように過去出題された問題と同じ条文から別の空欄で出題されることもあるので,対策しておくと良いでしょう。

【解答】

(1)解答:イ
電気設備の技術基準の解釈第48条第1項2号ハに規定されている通り,\( \ 300 \ \mathrm {m} \ \)となります。

(2)解答:ヘ
電気設備の技術基準の解釈第48条48-2表に規定されている通り,変電制御所及び技術員駐在所となります。

(3)解答:ヨ
電気設備の技術基準の解釈第48条第1項3号ホに規定されている通り,温度が著しく上昇となります。

(4)解答:ワ
電気設備の技術基準の解釈第48条第1項3号ヘに規定されている通り,他冷式となります。

(5)解答:ニ
電気設備の技術基準の解釈第48条第1項3号リに規定されている通り,圧力となります。

<電気設備の技術基準の解釈第48条>
技術員が当該変電所(変電所を分割して監視する場合にあっては、その分割した部分。以下この条において同じ。)において常時監視をしない変電所は、次の各号によること。

一 変電所に施設する変圧器の使用電圧に応じ、48-1表に規定する監視制御方式のいずれかにより施設すること。

二 48-1表に規定する監視制御方式は、次に適合するものであること。

 イ 「簡易監視制御方式」は、技術員が必要に応じて変電所へ出向いて、変電所の監視及び機器の操作を行うものであること。

 ロ 「断続監視制御方式」は、技術員が当該変電所又はこれから300m以内にある技術員駐在所に常時駐在し、断続的に変電所へ出向いて変電所の監視及び機器の操作を行うものであること。

 ハ 「遠隔断続監視制御方式」は、技術員が変電制御所(当該変電所を遠隔監視制御する場所をいう。以下この条において同じ。)又はこれから(1)300m以内にある技術員駐在所に常時駐在し、断続的に変電制御所へ出向いて変電所の監視及び機器の操作を行うものであること。

 ニ 「遠隔常時監視制御方式」は、技術員が変電制御所に常時駐在し、変電所の監視及び機器の操作を行うものであること。

三 次に掲げる場合に、監視制御方式に応じ48-2表に規定する場所等へ警報する装置を施設すること。

 イ 運転操作に必要な遮断器が自動的に遮断した場合(遮断器が自動的に再閉路した場合を除く。)

 ロ 主要変圧器の電源側電路が無電圧になった場合

 ハ 制御回路の電圧が著しく低下した場合

 ニ 全屋外式変電所以外の変電所にあっては、火災が発生した場合

 ホ 容量3,000kVAを超える特別高圧用変圧器にあっては、その(3)温度が著しく上昇した場合

 ヘ (4)他冷式(変圧器の巻線及び鉄心を直接冷却するため封入した冷媒を強制循環させる冷却方式をいう。)の特別高圧用変圧器にあっては、その冷却装置が故障した場合

 ト 調相機(水素冷却式のものを除く。)にあっては、その内部に故障を生じた場合

 チ 水素冷却式の調相機にあっては、次に掲げる場合

 (イ)  調相機内の水素の純度が90%以下に低下した場合

 (ロ)  調相機内の水素の圧力が著しく変動した場合

 (ハ)  調相機内の水素の温度が著しく上昇した場合

 リ ガス絶縁機器((5)圧力の低下により絶縁破壊等を生じるおそれがないものを除く。)の絶縁ガスの(5)圧力が著しく低下した場合

            48-2表
\[
\begin{array}{|l|l|}
\hline
   監視制御方式 &           警報する場所等 \\
\hline
簡易監視制御方式 & 技術員(技術員に連絡するための補助員がいる場合は、当該補助員) \\
\hline
断続監視制御方式 & 技術員駐在所 \\
\hline
遠隔断続監視制御方式 & \underline {\color{red}{(2)変電制御所及び技術員駐在所}         } \\
\hline
遠隔常時監視制御方式 & 変電制御所 \\
\hline
\end{array}
\]

四 水素冷却式の調相機内の水素の純度が85%以下に低下した場合に、当該調相機を電路から自動的に遮断する装置を施設すること。

五 使用電圧が100,000Vを超える変圧器を施設する変電所であって、変電制御所を設けるものは、当該変電制御所に次に掲げる装置を施設すること。

 イ 運転操作に常時必要な遮断器(自動再閉路装置を有する高圧又は15,000V以下の特別高圧の配電線路用遮断器を除く。)の開閉を操作する装置

 ロ 運転操作に常時必要な遮断器の開閉を監視する装置

六 使用電圧が170,000Vを超える変圧器を施設する変電所であって、特定昇降圧変電所(使用電圧が170,000Vを超える特別高圧電路と使用電圧が100,000V以下の特別高圧電路とを結合する変圧器を施設する変電所であって、昇圧又は降圧の用のみに供するものをいう。)以外の変電所は、2以上の信号伝送経路により遠隔監視制御するように施設すること。この場合において、変電所構内、当該信号伝送路の中継基地又は河川横断箇所等の2以上の信号伝送経路により施設することが困難な場所は、伝送路の構成要素をそれぞれ独立して構成することにより、別経路とみなすことができる。

七 電気鉄道用変電所(直流変成器又は交流き電用変圧器を施設する変電所をいう。)にあっては、次に掲げる装置を施設すること。
 イ 主要変成機器に故障を生じた場合又は電源側電路の電圧が著しく低下した場合に当該変成機器を自動的に電路から遮断する装置。ただし、軽微な故障を生じた場合に監視制御方式に応じ48-2表に規定する場所等へ警報する装置を施設するときは、当該故障を生じた場合に自動的に電路から遮断する装置を施設しないことができる。

 ロ 使用電圧が100,000Vを超える変圧器を施設する変電所であって、変電制御所を設けるものは、当該変電制御所に、主要変成機器の運転及び停止の操作及び監視をする装置



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