《機械》〈照明〉[H29:問4] 全光束の測定方法に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

次の文章は,全光束の測定方法に関する記述である。文中の\( \ \fbox{$\hskip3em\Rule{0pt}{0.8em}{0em}$} \ \)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。

ある光源が放出する全ての光束を全光束という。全光束の測定には,\( \ \fbox {  (1)  } \ \)測定法と球形光束法とが主に用いられる。
\( \ \fbox {  (1)  } \ \)測定法は,光源の光度の空間分布から全光束を算出する方法である。ある方向の光度\( \ I \ \)は,その方向の単位立体角当たりの光束であるので,光源の全光束\( \ \mathit {\Phi } \ \)は,全ての方向についてこれを積分した①式から求まる。
\[
\begin{eqnarray}
\mathit {\Phi }&=&\int I\cdot \mathrm {d}\omega   ・・・・・・・・・・・・・・・・・① \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] 一方,球形光束法では積分球が用いられる。この内面は\( \ \fbox {  (2)  } \ \)となるように塗装処理されている。この方法は,内表面積を\( \ S \ \),反射率を\( \ \rho \ \),内部光源の全光束を\( \ \mathit {\Phi } \ \)としたとき,球内の間接照度\( \ E_{\mathrm {i}} \ \)が球内面の相互反射によってその位置とは無関係に②式で求まることを応用したものである。
\[
\begin{eqnarray}
E_{\mathrm {i}}&=&\frac {\mathit {\Phi }}{S}\cdot \frac {\rho }{1-\rho }   ・・・・・・・・・・・・・・・・・② \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] 積分球での測光は,光束未知の光源と光束既知の光源とを直接比較する\( \ \fbox {  (3)  } \ \)が用いられる。具体的には,\( \ \fbox {  (4)  } \ \)と呼ばれる全光束\( \ {\mathit {\Phi }}_{\mathrm {s}} \ \)が既知の光源を点灯したときの受光器の応答を\( \ R_{\mathrm {s}} \ \),測定対象の試験光源を点灯したときの応答を\( \ R_{\mathrm {t}} \ \)とすると,試験光源の全光束\( \ {\mathit {\Phi }}_{\mathrm {t}} \ \)は,③式の関係から求まる。
\[
\begin{eqnarray}
{\mathit {\Phi }}_{\mathrm {t}}&=&{\mathit {\Phi }}_{\mathrm {S}}\cdot \frac {R_{\mathrm {t}}}{R_{\mathrm {s}}}   ・・・・・・・・・・・・・・・・・③ \\[ 5pt ] \end{eqnarray}
\] なお,この二つの全光束測定法による測光量は,人間の明るさ感覚を加味した量すなわち心理物理量であるため,受光器の分光応答特性が標準比視感度に一致している必要がある。しかし,これを完全に一致させることは困難であるので,試験光源の分光分布に応じた\( \ \fbox {  (5)  } \ \)を乗じて全光束を求める。

〔問4の解答群〕
\[
\begin{eqnarray}
&(イ)& 照度     &(ロ)& 配光     &(ハ)& 輝度係数 \\[ 5pt ] &(ニ)& 均等拡散面     &(ホ)& 完全反射面     &(ヘ)& 正反射面 \\[ 5pt ] &(ト)& 基準光源     &(チ)& 輝度     &(リ)& 置換測定法 \\[ 5pt ] &(ヌ)& 零位測定法     &(ル)& 標準光源     &(ヲ)& 参照光源 \\[ 5pt ] &(ワ)& 形態係数     &(カ)& 色補正係数     &(ヨ)& 合致測定法
\end{eqnarray}
\]

【ワンポイント解説】

本問は光の測定法の知識を問う問題で,以下の2種類の測定方法を知っているかどうかで決まります。どちらもそれほど難しい内容ではないので,よく理解しておきましょう。

1.球形光束法
球形光束法は図1に示すような内側を白色塗料で塗装処理した均等拡散面を持つ積分球で測定します。
<特徴>
・短時間で測定可能
・標準光源が必要

2.配光測定法
図2に示すように,光源から等距離の場所で複数点のサンプルを測定する方法です。
<特徴>
・配光の特性が分かる
・長時間の測定が必要で,光源の安定性が求められる。

【用語の解説】

(イ)照度 
単位面積当たりの明るさで,光束を面積で割ったものです。
(ロ)配光
どの方向の光がどの程度強いかを示すもの。
(ハ)輝度係数
輝度係数というのがあるのかもしれませんが,私は見たことがありません。
(ニ)均等拡散面
どこから見ても輝度が変わらない面で,完全拡散面とも言います。
(ホ)完全反射面
光の吸収がなく入射した光をすべて反射する面。
(ヘ)正反射面
光の入射角と反射角が等しい面。
(ト)基準光源,(ル)標準光源,(ヲ)参照光源
どれも基準となる光源を示していると思われますが,正しくは標準光源です。
(チ)輝度
物体のまぶしさで,光度を見かけの面積で割ったものとなります。
(リ)置換測定法
標準光源から測定対象の光源の光束を測定する方法。(具体的には問題文参照)
(カ)色補正係数
照度計と人間の視感度には必ず分光分布の感度に誤差があるため,必要に応じ色補正係数を乗じます。

【解答】

(1)解答:ロ
題意より,解答候補は(イ)照度,(ロ)配光,(チ)輝度,となりますが,実際に測定法としてあるのは(ロ)配光となります。

(2)解答:ニ
題意より,解答候補は(ニ)均等拡散面,(ホ)完全反射面,(ヘ)正反射面,となりますが,ワンポイント解説「1.球形光束法」の通り,積分球の内側は均等拡散面としています。

(3)解答:リ
題意より,解答候補は(リ)置換測定法,(ヌ)零位測定法,(ヨ)合致測定法,となりますが,題意に合うのは置換測定法となります。

(4)解答:ル
題意より,解答候補は(ト)基準光源,(ル)標準光源,(ヲ)参照光源,となりますが,解答は標準光源で国際照明委員会で3種類設定されています。

(5)解答:カ
題意より,解答候補は(ハ)輝度係数,(ワ)形態係数,(カ)色補正係数,となりますが,人間の光に対する感度は下図のように約\( \ 555 \ \mathrm {nm} \ \)を最大値として,波長によって異なる心理物理量であるため,色補正係数を乗じて補正します。



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