《機械・制御》〈回転機〉[H26:問1]三相かご形誘導電動機の回路計算に関する計算問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

定格線間電圧200 V,定格周波数50 Hz4極の三相かご形誘導電動機について,三相星形結線1相分のL形等価回路から動作特性を考える。三相星形結線1相分のL形等価回路の回路定数を,励磁アドミタンス˙y0=0.05j0.15 S,一次抵抗r1=0.1 Ω,一次漏れリアクタンスx1=0.3 Ω,二次抵抗の一次側換算値r2=0.15 Ω,二次漏れリアクタンスの一次側換算値x2=0.4 Ωとする。誘導電動機を定格電圧,定格周波数の三相交流電源に接続し,負荷トルクをTL [Nm]としたとき,滑りはs=0.03であった。負荷トルクがTL [Nm]のときの次の値を求めよ。

(1) 同期速度n0 [min1]

(2) 励磁電流I0 [A]

(3) 二次電流の一次換算値I2 [A]

(4) 負荷トルクTL [Nm]

(5) 一次電流I1 [A]

(6) 入力力率

【ワンポイント解説】

三相誘導電動機のL形等価回路を描ければ,計算は比較的容易にできると思います。二次試験としては非常に出題されやすい内容で比較的オーソドックスな問題なので,二次試験レベルの受験生であればかなりの方が選択し解けた問題ではないかと思います。

1.電動機の同期速度Ns
定格周波数がf [Hz],極数がpの電動機の同期速度Ns [min1]は,
Ns=120fp となります。

2.電動機の同期角速度ωs
同期速度がNsの電動機の同期角速度ωsは,
ωs=2πNs60

3.誘導電動機の出力PoとトルクTの関係
電動機の出力Po,角速度ω,電動機の二次入力をP2,同期角速度ωsとすると,電動機のトルクTは,
T=Poω=P2(1s)ωs(1s)=P2ωs で求められます。

4.誘導電動機のL形等価回路
図1がL形等価回路となります。図1の上下の図はいずれもL形等価回路ですが,下図は入力分r2sを銅損分と出力分に分けたものです。

【解答】

(1)同期速度n0 [min1]
ワンポイント解説「1.電動機の同期速度Ns」より,同期速度n0 [min1]は,
n0=120fp=120×504=1500 [min1] と求められる。

(2)励磁電流I0 [A]
L形等価回路に沿って,励磁電流I0 [A]を求めると,
˙I0=˙E0˙y0=2003×(0.05j0.15)I0=2003×0.052+0.15218.257  18.3 [A] と求められる。

(3)二次電流の一次換算値I2 [A]
L形等価回路より,二次側回路の合成インピーダンス˙Zは,
˙Z=r1+jx1+r2s+jx2=0.1+j0.3+0.150.03+j0.4=5.1+j0.7 であるから,二次電流の一次換算値I2 [A]の大きさは,
˙I2=˙E0˙Z=200315.1+j0.7I2=200315.12+0.7222.431  22.4 [A]

(4)負荷トルクTL [Nm]
ワンポイント解説「3.誘導電動機の出力PoとトルクTの関係」より,トルクの導出には二次入力P2と同期角速度ω0を求めれば良い。二次入力P2は,
P2=3r2sI22=3×0.150.03×22.43127547.2 [W] となり,同期角速度ω0は,
ω0=2πn060=2π×150060157.08 [rad/s] となるので,負荷トルクTL [Nm]は,
TL=Pω=P2(1s)ω0(1s)=P2ω0=7547.2157.0848.047  48.0 [Nm] と求められる。

(5)一次電流I1 [A]
L形等価回路より,
˙I1=˙I0+˙I2=2003×(0.05j0.15)+200315.1+j0.727.996j20.371 [A] となるので,その大きさは,
I1=27.9962+20.371234.623  34.6 [A] と求められる。

(6)入力力率
入力力率は一次電流の大きさとその実部の関係であるから,入力力率cosθは,
cosθ=27.99634.6230.80860  0.809 と求められる。



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