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【問題】
【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)
次の文章は,「電気設備技術基準」及び「電気設備技術基準の解釈」に基づく移動電線の施設に関する記述である。
a) 移動電線を電気機械器具と接続する場合は,接続不良による感電又は\( \ \fbox { (ア) } \ \)のおそれがないように施設しなければならない。
b) 高圧の移動電線に電気を供給する電路には,\( \ \fbox { (イ) } \ \)が生じた場合に,当該高圧の移動電線を保護できるよう,\( \ \fbox { (イ) } \ \)遮断器を施設しなければならない。
c) 高圧の移動電線と電気機械器具とは\( \ \fbox { (ウ) } \ \)その他の方法により堅ろうに接続すること。
d) 特別高圧の移動電線は,充電部分に人が触れた場合に人に危険を及ぼすおそれがない電気集じん応用装置に附属するものを\( \ \fbox { (エ) } \ \)に施設する場合を除き,施設しないこと
上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
\[
\begin{array}{ccccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) & (エ) \\
\hline
(1) & 火災 & 地絡 & 差込み接続器使用 & 屋内 \\
\hline
(2) & 断線 & 過電流 & ボルト締め & 屋外 \\
\hline
(3) & 断線 & 地絡 & 差込み接続器使用 & 屋外 \\
\hline
(4) & 火災 & 過電流 & ボルト締め & 屋内 \\
\hline
(5) & 断線 & 過電流 & 差込み接続器使用 & 屋外 \\
\hline
\end{array}
\]
【ワンポイント解説】
電気設備に関する技術基準を定める省令第56条,第66条及び電気設備の技術基準の解釈第171条からの出題です。
「感電又は火災」は条文でも何度も出てくる用語なので,熟語として覚えておくと良いかと思います。また(ウ)の差込み接続器は低圧の場合に使用可能です。
本問は平成28年問4からの再出題となります。
【解答】
解答:(4)
(ア)
電気設備に関する技術基準を定める省令第56条第2項の通り,「火災」となります。
(イ)
電気設備に関する技術基準を定める省令第66条第1項の通り,「過電流」となります。
(ウ)
電気設備の技術基準の解釈第171条第3項第2号の通り,「ボルト締め」となります。
(エ)
電気設備の技術基準の解釈第171条第4項の通り,「屋内」となります。
<電気設備に関する技術基準を定める省令第56条>
配線は,施設場所の状況及び電圧に応じ,感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。
2 移動電線を電気機械器具と接続する場合は,接続不良による感電又は(ア)火災のおそれがないように施設しなければならない。
3 特別高圧の移動電線は,第一項及び前項の規定にかかわらず,施設してはならない。ただし,充電部分に人が触れた場合に人体に危害を及ぼすおそれがなく,移動電線と接続することが必要不可欠な電気機械器具に接続するものは,この限りでない。
<電気設備に関する技術基準を定める省令第66条>
高圧の移動電線又は接触電線(電車線を除く。以下同じ。)に電気を供給する電路には,(イ)過電流が生じた場合に,当該高圧の移動電線又は接触電線を保護できるよう,(イ)過電流遮断器を施設しなければならない。
2 前項の電路には,地絡が生じた場合に,感電又は火災のおそれがないよう,地絡遮断器の施設その他の適切な措置を講じなければならない。
<電気設備の技術基準の解釈第171条(抜粋)>
3 高圧の移動電線は,次の各号によること。
一 電線は,高圧用の3種クロロプレンキャブタイヤケーブル又は3種クロロスルホン化ポリエチレンキャブタイヤケーブルであること。
二 移動電線と電気機械器具とは,(ウ)ボルト締めその他の方法により堅ろうに接続すること。
三 移動電線に電気を供給する電路(誘導電動機の2次側電路を除く。)は,次によること。
イ 専用の開閉器及び過電流遮断器を各極(過電流遮断器にあっては、多線式電路の中性極を除く。)に施設すること。ただし,過電流遮断器が開閉機能を有するものである場合は,過電流遮断器のみとすることができる。
ロ 地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設すること。
4 特別高圧の移動電線は,第191条第1項第八号の規定により(エ)屋内に施設する場合を除き,施設しないこと。
<電気設備の技術基準の解釈第191条(抜粋)>
八 移動電線は,充電部分に人が触れた場合に人に危険を及ぼすおそれがない電気集じん応用装置に附属するものに限ること。