《機械》〈回転機〉[R4下:問3]三相誘導電動機の種類と構造に関する空欄穴埋問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

次の文章は,三相誘導電動機の構造に関する記述である。

三相誘導電動機は,\( \ \fbox {  (ア)  } \ \)磁界を作る固定子及び回転する回転子からなる。

回転子は,\( \ \fbox {  (イ)  } \ \)回転子と\( \ \fbox {  (ウ)  } \ \)回転子との\( \ 2 \ \)種類に分類される。

\( \ \fbox {  (イ)  } \ \)回転子では,回転子溝に導体を納めてその両端が\( \ \fbox {  (エ)  } \ \)で接続される。

\( \ \fbox {  (ウ)  } \ \)回転子では,二次電流を\( \ \fbox {  (オ)  } \ \),ブラシを通じて外部回路に流すことができる。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

\[
\begin{array}{cccccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) & (エ) & (オ) \\
\hline
(1) & 回転 & かご形 & 巻線形 & スリップリング & 整流子 \\
\hline
(2) & 交番 & かご形 & 巻線形 & 端絡環 & スリップリング \\
\hline
(3) & 回転 & 巻線形 & かご形 & スリップリング & 整流子 \\
\hline
(4) & 回転 & かご形 & 巻線形 & 端絡環 & スリップリング \\
\hline
(5) & 交番 & 巻線形 & かご形 & スリップリング & 整流子 \\
\hline
\end{array}
\]

【ワンポイント解説】

三相誘導電動機の種類と構造に関する問題です。
三相誘導電動機の非常に重要な概念となりますので,必ず理解するようにしましょう。

1.三相誘導電動機の回転原理
図1に示すように,\( \ 120° \ \)ずつずらして三つの巻線を配置して,三相交流を流します。
時刻\( \ t_{\mathrm {1}} \ \)においては,\( \ \mathrm {U} \ \)相のみ正,\( \ \mathrm {V} \ \)相と\( \ \mathrm {W} \ \)相が負なので,各巻線の電流の向きは(a)のようになり,これにより発生する磁界は右ねじの法則から図の右側から左側に向かって発生します。
その後\( \ t_{\mathrm {1}} \ → \ t_{\mathrm {2}} \ →\cdots → \ t_{\mathrm {6}} \ \)と徐々に変化していくと,合成磁界も回転していくことがわかります。これにより,回転磁界が生まれ,回転磁界により回転子がそれについていく形で移動することになります。このときの回転磁界の回転速度を同期速度といいます。

2.三相誘導電動機の回転子
①かご形
かごの形をした導体中に,透磁率の高い鉄心を入れ,両端を端絡環で接続したものです。
構造が簡単で,頑丈かつコンパクトである特徴があります。


出典:みんなが欲しかった!電験三種 機械の実践問題集P.65 TAC出版

②巻線形
鉄心の外側のスロットに二次巻線を挿入した構造の回転子です。
二次巻線はスリップリングを介して外部の抵抗に接続できるという特徴があります。


出典:みんなが欲しかった!電験三種 機械の実践問題集P.65 TAC出版

【解答】

解答:(4)
(ア)
ワンポイント解説「1.三相誘導電動機の回転原理」の通り,三相誘導電動機の固定子が作るのは回転磁界となります。単相誘導電動機は交番磁界を作ります。

(イ)
ワンポイント解説「2.三相誘導電動機の回転子」の通り,回転子溝に導体を納める構造なのはかご形回転子となります。

(ウ)
ワンポイント解説「2.三相誘導電動機の回転子」の通り,二次側に外部回路を流すことができるのは巻線形回転子となります。

(エ)
ワンポイント解説「2.三相誘導電動機の回転子」の通り,かご形回転子の導体の両端は端絡環で接続されます。

(オ)
ワンポイント解説「2.三相誘導電動機の回転子」の通り,巻線形誘導電動機はスリップリング,ブラシを通じて外部回路を接続することができます。