《機械》〈誘導機〉[R05下:問4]Y-Δ始動時のトルクからの定格運転時のトルクの導出に関する計算問題

【問題】

【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)

あるかご形三相誘導電動機を定格電圧で YΔ 始動したところ,始動トルクは 60 Nm であった。また, Δ 結線での全電圧始動時(定格電圧)の始動トルクは定格運転時の 240  である。この電動機の定格運転時のトルクの値 [Nm] として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 (1)  20   (2)  25   (3)  35   (4)  43   (5)  75 

【ワンポイント解説】

かご形誘導電動機の YΔ 始動に関する問題です。
計算問題ではありますが,ほぼ YΔ 始動の知識を問う問題と言えるでしょう。

1.全電圧始動法
電動機に始動装置を設けずに全電圧を印加して始動する方法です。始動電流が大きいため 3.7 kW 以下の小容量の電動機の場合にしか用いられません。

2. YΔ 始動法
始動時は Y 巻線,定格時には Δ 巻線で運転する方法です。 Y 巻線は Δ 巻線と比較して電圧が 13 倍となるので,それぞれの始動電流の大きさの比は,
IY=V3Z=V3ZIΔ=3VZIYIΔ=V3Z3VZ=13

となり,始動トルクの比は,
TYTΔ=(V3)2V2=13
となります。

3.補償器始動法
始動時のみ,三相単巻変圧器を用いて,変圧器のタップを切り替えることによって始動する方法です。電圧を 1n 倍にすると,始動電流と始動トルクをともに 1n2 倍にすることができます。

4.リアクトル始動法
始動時のみ,電動機と直列にリアクトルを接続して始動する方法で,始動時の端子電圧を 1n 倍にすると,始動電流を 1n 倍,始動トルクを 1n2 倍にすることができます。

5.巻線形誘導電動機の始動法(二次抵抗法)
二次巻線にスリップリングを介し,外部可変抵抗を接続して始動する方法で,比例推移の原理を利用して,始動電流を抑制します。

【解答】

解答:(5)
ワンポイント解説「2. YΔ 始動法」の通り, YΔ 始動では,全電圧始動時のトルクの 13 倍になるので,全電圧始動時のトルク Ts [Nm] は,
Ts=60×3=180 [Nm]

となる。問題文より,全電圧始動時のトルクは定格運転時の 240  であるので,定格運転時のトルク Tn [Nm] は,
Tn=Ts2.4=1802.4=75 [Nm]
と求められる。