《理論》〈電磁気〉[H24:問15]平行平板コンデンサに蓄えられる電荷と電界の強さに関する計算問題

【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

図のように,三つの平行平板コンデンサを直並列に接続した回路がある。ここで,それぞれのコンデンサの極板の形状及び面積は同じであり,極板間には同一の誘電体が満たされている。なお,コンデンサの初期電荷は零とし,端効果は無視できるものとする。

いま,端子 ab 間に直流電圧 300 [V] を加えた。このとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a) 静電容量が 4 [μF] のコンデンサに蓄えられる電荷 Q [C] の値として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 (1)  1.2×104   (2)  2×104   (3)  2.4×104   (4)  3×104   (5)  4×104 

(b) 静電容量が 3 [μF] のコンデンサの極板間の電界の強さは, 4 [μF] のコンデンサの極板間の電界の強さの何倍か。倍率として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 (1)  34   (2)  1.0   (3)  43   (4)  32   (5)  2.0  

【ワンポイント解説】

電磁気と電気回路の複合的な問題ですが,(a)は難易度は B 問題としては易しい部類に入ると思います。(b)はやや引っ掛け問題となっている印象があります。平行平板コンデンサの基本公式をきちんと思い出して,確実に解けるようにしましょう。

1.コンデンサの極板間に蓄えられる電荷 Q 
静電容量 C のコンデンサに電圧 V をかけて十分時間が経った時,コンデンサに蓄えられる電荷 Q は,
Q=CV となります。

2.平行平板コンデンサの静電容量 C 
平行平板コンデンサの静電容量 C は,真空の誘電率を ε0 ,極板の面積を S ,極板間の距離を d とすると,
C=ε0Sd となります。平行平板コンデンサの間に比誘電率 εr の誘電体を挿入すると,
C=εrε0Sd となります。

3.コンデンサの合成静電容量
静電容量 C1  C2 の合成静電容量 C は,
  並列接続時: C=C1+C2 
  直列接続時: C=C1C2C1+C2 
となります。

4.平行平板コンデンサの極板間の電界 E 
極板間の距離 d の平行平板コンデンサに,電圧 V の電源を接続すると,極板間の電界 E は,
E=Vd となります。

【解答】

(a)解答:(5)
 2 [μF]  4 [μF] のコンデンサの合成静電容量は,ワンポイント解説「3.コンデンサの合成静電容量」より,
2+4=6 [μF] であるので,回路は図1のように書き換えられる。

図1において ab 間に電圧をかけた時, 3 [μF]  6 [μF] のコンデンサに蓄えられる電荷は等しいので,蓄えられる電荷を Q0  3 [μF] のコンデンサにかかる電圧を V1  6 [μF] のコンデンサにかかる電圧を V2 とすると,
V1=Q03×106V2=Q06×106 なので,
V1=2V2   となる。また,題意より,
V1+V2=300    なので,①,②を解くと,
V1=200 [V]V2=100 [V] となり, V2  4 [μF] のコンデンサにかかる電圧なので, 4 [μF] のコンデンサに蓄えられる電荷 Q は,
Q=4×106×100=4×104 [C] と求められる。

(b)解答:(4)
 3 [μF] のコンデンサの極板間の距離を d1 及び 4 [μF] のコンデンサの極板間の距離を d2 とすると,誘電率及び面積は等しいので,ワンポイント解説「2.平行平板コンデンサの静電容量 C 」より,
3×106=εSd1d1=εS3×1064×106=εSd2d2=εS4×106 となる。 3 [μF] のコンデンサの電界 E1 及び 4 [μF] のコンデンサの電界 E2 は,極板間の距離を d とすると,ワンポイント解説「4.平行平板コンデンサの極板間の電界 E 」より,
E1=V1d1=200εS3×106=6×104εSE2=V2d2=100εS4×106=4×104εS となるので, E1=32E2 すなわち32 倍と求められる。