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【問題】
【難易度】★★★☆☆(普通)
図のように,三つの平行平板コンデンサを直並列に接続した回路がある。ここで,それぞれのコンデンサの極板の形状及び面積は同じであり,極板間には同一の誘電体が満たされている。なお,コンデンサの初期電荷は零とし,端効果は無視できるものとする。
いま,端子 a-b 間に直流電圧 300 [V] を加えた。このとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a) 静電容量が 4 [μF] のコンデンサに蓄えられる電荷 Q [C] の値として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 1.2×10−4 (2) 2×10−4 (3) 2.4×10−4 (4) 3×10−4 (5) 4×10−4
(b) 静電容量が 3 [μF] のコンデンサの極板間の電界の強さは, 4 [μF] のコンデンサの極板間の電界の強さの何倍か。倍率として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(1) 34 (2) 1.0 (3) 43 (4) 32 (5) 2.0
【ワンポイント解説】
電磁気と電気回路の複合的な問題ですが,(a)は難易度は B 問題としては易しい部類に入ると思います。(b)はやや引っ掛け問題となっている印象があります。平行平板コンデンサの基本公式をきちんと思い出して,確実に解けるようにしましょう。
1.コンデンサの極板間に蓄えられる電荷 Q
静電容量 C のコンデンサに電圧 V をかけて十分時間が経った時,コンデンサに蓄えられる電荷 Q は,
Q=CV
となります。
2.平行平板コンデンサの静電容量 C
平行平板コンデンサの静電容量 C は,真空の誘電率を ε0 ,極板の面積を S ,極板間の距離を d とすると,
C=ε0Sd
となります。平行平板コンデンサの間に比誘電率 εr の誘電体を挿入すると,
C=εrε0Sd
となります。
3.コンデンサの合成静電容量
静電容量 C1 と C2 の合成静電容量 C は,
並列接続時: C=C1+C2
直列接続時: C=C1C2C1+C2
となります。
4.平行平板コンデンサの極板間の電界 E
極板間の距離 d の平行平板コンデンサに,電圧 V の電源を接続すると,極板間の電界 E は,
E=Vd
となります。
【解答】
(a)解答:(5)
2 [μF] と 4 [μF] のコンデンサの合成静電容量は,ワンポイント解説「3.コンデンサの合成静電容量」より,
2+4=6 [μF]
であるので,回路は図1のように書き換えられる。

図1において a-b 間に電圧をかけた時, 3 [μF] と 6 [μF] のコンデンサに蓄えられる電荷は等しいので,蓄えられる電荷を Q0 , 3 [μF] のコンデンサにかかる電圧を V1 , 6 [μF] のコンデンサにかかる電圧を V2 とすると,
V1=Q03×10−6V2=Q06×10−6
なので,
V1=2V2 ・・・・・・・・ ①
となる。また,題意より,
V1+V2=300 ・・・・・ ②
なので,①,②を解くと,
V1=200 [V]V2=100 [V]
となり, V2 は 4 [μF] のコンデンサにかかる電圧なので, 4 [μF] のコンデンサに蓄えられる電荷 Q は,
Q=4×10−6×100=4×10−4 [C]
と求められる。
(b)解答:(4)
3 [μF] のコンデンサの極板間の距離を d1 及び 4 [μF] のコンデンサの極板間の距離を d2 とすると,誘電率及び面積は等しいので,ワンポイント解説「2.平行平板コンデンサの静電容量 C 」より,
3×10−6=εSd1d1=εS3×10−64×10−6=εSd2d2=εS4×10−6
となる。 3 [μF] のコンデンサの電界 E1 及び 4 [μF] のコンデンサの電界 E2 は,極板間の距離を d とすると,ワンポイント解説「4.平行平板コンデンサの極板間の電界 E 」より,
E1=V1d1=200εS3×10−6=6×10−4εSE2=V2d2=100εS4×10−6=4×10−4εS
となるので, E1=32E2 すなわち32 倍と求められる。