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【問題】
【難易度】★★☆☆☆(やや易しい)
キュービクル式高圧受電設備には主遮断装置の形式によって\( \ \mathrm {CB} \ \)形と\( \ \mathrm {PF\cdot S} \ \)形がある。\( \ \mathrm {CB} \ \)形は主遮断装置として\( \ \fbox { (ア) } \ \)が使用されているが,\( \ \mathrm {PF\cdot S} \ \)形は変圧器設備容量の小さなキュービクルの設備簡素化の目的から,主遮断装置は\( \ \fbox { (イ) } \ \)と\( \ \fbox { (ウ) } \ \)の組み合わせによっている。
高圧母線等の高圧側の短絡事故に対する保護は,\( \ \mathrm {CB} \ \)形では\( \ \fbox { (ア) } \ \)と\( \ \fbox { (エ) } \ \)で行うのに対し,\( \ \mathrm {PF\cdot S} \ \)形は\( \ \fbox { (イ) } \ \)で行う仕組みとなっている。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
\[
\begin{array}{ccccc}
& (ア) & (イ) & (ウ) & (エ) \\
\hline
(1) & {\displaystyle 高圧限流 }\atop {\displaystyle ヒューズ } & 高圧交流遮断器 & {\displaystyle 高圧交流負荷 }\atop {\displaystyle 開閉器 } & 過電流継電器 \\
\hline
(2) & {\displaystyle 高圧交流負荷 }\atop {\displaystyle 開閉器 } & {\displaystyle 高圧限流 }\atop {\displaystyle ヒューズ } & 高圧交流遮断器 & 過電流継電器 \\
\hline
(3) & 高圧交流遮断器 & {\displaystyle 高圧交流負荷 }\atop {\displaystyle 開閉器 } & {\displaystyle 高圧限流 }\atop {\displaystyle ヒューズ } & 不足電圧継電器 \\
\hline
(4) & {\displaystyle 高圧交流負荷 }\atop {\displaystyle 開閉器 } & 高圧交流遮断器 & {\displaystyle 高圧限流 }\atop {\displaystyle ヒューズ } & 不足電圧継電器 \\
\hline
(5) & 高圧交流遮断器 & {\displaystyle 高圧限流 }\atop {\displaystyle ヒューズ } & {\displaystyle 高圧交流負荷 }\atop {\displaystyle 開閉器 } & 過電流継電器 \\
\hline
\end{array}
\]
【ワンポイント解説】
高圧受電設備の主遮断装置に関する問題です。
基本的に\( \ \mathrm {CB} \ \)形の方が短絡事故等で動作してもヒューズ取替等が不要で継続して使用可能であり容量も\( \ 4 \ 000 \ \mathrm {kV\cdot A} \ \)程度まで使用可能です。しかし,高価となりスペースも大きくなるので,現場においてはその容量等に応じて\( \ \mathrm {CB} \ \)形と\( \ \mathrm {PF}\cdot \mathrm {S} \ \)形を使い分けることになります。
1.主遮断装置の\( \ \mathrm {CB} \ \)形と\( \ \mathrm {PF}\cdot \mathrm {S} \ \)形
①\( \ \mathrm {CB} \ \)形
主遮断装置に高圧交流遮断器(Circuit Breaker)を用いる方式で,容量が大きくとれますが,\( \ \mathrm {PF}\cdot \mathrm {S} \ \)形と比べ,コストとスペースが必要となります。
②\( \ \mathrm {PF}\cdot \mathrm {S} \ \)形
主遮断装置に高圧限流ヒューズと高圧交流負荷開閉器(Power Fuse combination Switches)を用いる方式で,\( \ 300 \ \mathrm {kV\cdot A} \ \)未満の比較的容量の小さい場合に使用されます。
【解答】
解答:(5)
(ア)
ワンポイント解説「1.主遮断装置の\( \ \mathrm {CB} \ \)形と\( \ \mathrm {PF}\cdot \mathrm {S} \ \)形」の通り,\( \ \mathrm {CB} \ \)形は主遮断装置として高圧交流遮断器を使用します。
(イ)
ワンポイント解説「1.主遮断装置の\( \ \mathrm {CB} \ \)形と\( \ \mathrm {PF}\cdot \mathrm {S} \ \)形」の通り,\( \ \mathrm {PF}\cdot \mathrm {S} \ \)形は主遮断装置として高圧限流ヒューズと高圧交流負荷開閉器を用います。後半の文章,短絡事故に対する保護は高圧限流ヒューズで行うので,(イ)は高圧限流ヒューズが適当となります。
(ウ)
ワンポイント解説「1.主遮断装置の\( \ \mathrm {CB} \ \)形と\( \ \mathrm {PF}\cdot \mathrm {S} \ \)形」及び(イ)より,(ウ)は高圧交流負荷開閉器が適当となります。
(エ)
\( \ \mathrm {CB} \ \)形の短絡事故に対する対応は,過電流継電器を動作させて高圧交流遮断器で遮断することにより対応します。