《法規》〈電気設備技術基準〉[R4上:問4]高圧屋側電線路の施設に関する論説問題


【問題】

【難易度】★★★☆☆(普通)

「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧屋側電線路(高圧引込線の屋側部分を除く。)の施設に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 展開した場所に施設した。

(2) 電線はケーブルとした。

(3) 屋外であることから,ケーブルを地表上\( \ 2.3 \ \mathrm {m} \ \)の高さに,かつ,人が通る場所から手を伸ばしても触れることのない範囲に施設した。

(4) ケーブルを造営材の側面に沿って被覆を損傷しないよう垂直に取付け,その支持点間の距離を\( \ 6 \ \mathrm {m} \ \)以下とした。

(5) ケーブルを収める防護装置の金属製部分に\( \ \mathrm {A} \ \)種接地工事を施した。

【ワンポイント解説】

電気設備の技術基準の解釈第111条からの出題です。
この問題は第111条の内容を理解していても,用語の定義を理解していないと間違いに気づくことができません。
用語の定義は条文を理解する上でとても重要な内容となりますので,必ず熟読しておくようにして下さい。

【解答】

解答:(3)
(1)正しい
電気設備の技術基準の解釈第111条第2項1号の通り,高圧屋側電線路は,展開した場所に施設する必要があります。

(2)正しい
電気設備の技術基準の解釈第111条第2項3号の通り,高圧屋側電線路の電線はケーブルである必要があります。

(3)誤り
電気設備の技術基準の解釈第111条第2項4号の通り,高圧屋側電線路のケーブルには,接触防護措置を施す必要があり,電気設備の技術基準の解釈第1条第1項36号の通り,屋外の接触防護措置は地表上\( \ 2.5 \ \mathrm {m} \ \)以上の高さに,かつ,人が通る場所から容易に触れることのない範囲に施設する必要があります。

(4)正しい
電気設備の技術基準の解釈第111条第2項5号の通り,ケーブルを造営材の側面に沿って取り付ける場合は、ケーブルの支持点間の距離を垂直に取り付ける場合は\( \ 6 \ \mathrm {m} \ \)以下とする必要があります。

(5)正しい
電気設備の技術基準の解釈第111条第2項7号の通り,ケーブルを収める防護装置の金属製部分には\( \ \mathrm {A} \ \)種接地工事を施す必要があります。

<電気設備の技術基準の解釈第1条(抜粋)>
この解釈において、次の各号に掲げる用語の定義は、当該各号による。

 三十六 接触防護措置 次のいずれかに適合するように施設することをいう。

  イ (3)設備を、屋内にあっては床上\( \ \color{red}{\underline {2.3 \ \mathrm {m}}} \ \)以上、屋外にあっては地表上\( \ \color{red}{\underline {2.5 \ \mathrm {m}}} \ \)以上の高さに、かつ、人が通る場所から手を伸ばしても触れることのない範囲に施設すること。

  ロ 設備に人が接近又は接触しないよう、さく、へい等を設け、又は設備を金属管に収める等の防護措置を施すこと。

 三十七 簡易接触防護措置 次のいずれかに適合するように施設することをいう。

  イ 設備を、屋内にあっては床上\( \ 1.8 \ \mathrm {m} \ \)以上、屋外にあっては地表上\( \ 2 \ \mathrm {m} \ \)以上の高さに、かつ、人が通る場所から容易に触れることのない範囲に施設すること。

  ロ 設備に人が接近又は接触しないよう、さく、へい等を設け、又は設備を金属管に収める等の防護措置を施すこと。

<電気設備の技術基準の解釈第111条(抜粋)>
高圧屋側電線路(高圧引込線の屋側部分を除く。以下この節において同じ。)は、次の各号のいずれかに該当する場合に限り、施設することができる。

 一 \( \ 1 \ \)構内又は同一基礎構造物及びこれに構築された複数の建物並びに構造的に一体化した\( \ 1 \ \)つの建物(以下この条において「\( \ 1 \ \)構内等」という。)に施設する電線路の全部又は一部として施設する場合

 二 \( \ 1 \ \)構内等専用の電線路中、その構内等に施設する部分の全部又は一部として施設する場合

 三 屋外に施設された複数の電線路から送受電するように施設する場合

2 高圧屋側電線路は、次の各号により施設すること。

 一 (1)展開した場所に施設すること。

 二 第145条第2項の規定に準じて施設すること。

 三 (2)電線は、ケーブルであること。

 四 (3)ケーブルには、接触防護措置を施すこと。

 五 (4)ケーブルを造営材の側面又は下面に沿って取り付ける場合は、ケーブルの支持点間の距離を\( \ \color{blue}{\underline {2 \ \mathrm {m}}} \ \)(垂直に取り付ける場合は、\( \ \color{blue}{\underline {6 \ \mathrm {m}}} \ \))以下とし、かつ、その被覆を損傷しないように取り付けること。

 六 ケーブルをちょう架用線にちょう架して施設する場合は、第67条(第一号ホを除く。)の規定に準じて施設するとともに、電線が高圧屋側電線路を施設する造営材に接触しないように施設すること。

 七 (5)管その他のケーブルを収める防護装置の金属製部分、金属製の電線接続箱及びケーブルの被覆に使用する金属体には、これらのものの防食措置を施した部分及び大地との間の電気抵抗値が\( \ \color{blue}{\underline {10 \ \mathrm {\Omega }}} \ \)以下である部分を除き、\( \ \color{blue}{\underline {\mathrm {A}}} \ \)種接地工事(接触防護措置を施す場合は、\( \ \color{blue}{\underline {\mathrm {D}}} \ \)種接地工事)を施すこと。